堂場瞬一 「聖刻 警視庁総合支援課0」(講談社文庫)
警視庁の華の捜査1課へ刑事として配属されたばかりの柿谷晶は、練馬で発生した女子大生殺人事件の特捜本部へ参加していたが、早々に犯人が六本木署へと自首してきたコトにより、同期でコンビの井端と共に取り調べを行う
が、父親が朝のワイドショーの司会を長年務めている大物タレントで、本人も数年前まで俳優として活動しており、ソレを知ったマスコミは沸騰し、SNSは大炎上したッ![]()
家族は誹謗中傷に晒され、やがてエスカレートした連中の標的となってしまう
本人は被害者と以前交際をしていたとのコトだったが、動機については黙秘していた
自らの哀しい過去と付きまとう暗い過去との狭間に、葛藤する晶は犯罪被害者支援課の村野と共に捜査を続けるが・・・最悪の結果を招くコトにッ![]()
自身も犯罪の加害者家族であり被害者でもある柿谷晶の、苦悩と苦闘を描く「総合支援課」誕生の前日譚![]()
いきなりでナンだが・・・ふぅ~ソレにしても年間で「14冊」って、多過ぎでしょ![]()
って、まぁ~ソレに全部付き合ってる私もアレだけどネ![]()
今作は、ほぼ大体毎夏に書き下ろしの形で刊行されているシリーズ「警視庁総合支援課」のヒロインである柿谷晶の、捜査1課から異動するコトとなる前の活躍を描いているエピソード0
また堂場のシリーズ物にしては珍しく’21に単行本として刊行されており、この度文庫化された作品で、堂場の後書きも挿入されている
ソコでも書かれているが、堂場のミステリ・シリーズにしては珍しく女性が主人公となっている作品で、数多い堂場作品の中でも初の試みとなっている
本人も書いているが女性を書くのに苦手意識がある様なのだが、昨今の現状からすると「ヒロイン主人公」は避けては通れぬ道であり、遂に決意した果てに産まれたキャラである
過去の家族の問題があり、警察官として刑事として、とても重い荷物を抱えているだけに、ど~してもソレを払拭しようと・気にせぬ様にしようとするあまり、キツい言動が現れてしてまう突っ張りが目立ち、感情移入がしにくくなっている
特に私の様な中間管理職的な立ち位置にいるミドフィフ&アラ還なオヤジからすると、扱いにくい娘なのだ![]()
命令絶対の縦階級社会の警察に於いて、上司の上長の命令をに逆らいすっ飛ばしたりするし、ソレを咎めると逆ネジを喰わらしてくるし、警視庁の上部には何かしらの配慮があったりして、現場を飛ばしての命令が下されたりするし・・・とかく面倒になる厄介な腫物だったりするのだ![]()
そしてソレに触れると
するし・・・と、読むコチラ側の年齢や立場によって感想が変わると思うキャラ&シリーズとなっている
ストーリーは、現在の社会情勢・特にSNSでのリテラシーについて語られており、ソノ辺りは現状に沿った内容・展開となっている
こ~してキャラの補完も完了したコトで、今後のシリーズの展開・発展が楽しみとなる1作ではあった![]()
「漂泊 警視庁失踪課・高城賢吾」(中公文庫)
ビル火災の現場に居合わせた警視庁失踪課の明神愛美は、バックドラフトに巻き込まれ負傷してしまった![]()
鎮火後の現場からは身元不明の2名の遺体が発見されたが、明らかに火災によるモノとは思えない殺人の痕跡が見られたッ![]()
果たして、この度の火災は証拠隠滅によるモノだったのかッ![]()
部下で、課内一番の元気印の明神の怪我に憤慨した高城は、被害者の身元を洗う作業を開始する
そ~した中で、遺体に一人は捜索願が届けられていた作家だと判明し、事件は思わぬ展開を見せ始めたッ
失意の底に沈んだとある男の・刑事の、再生を描くシリーズのⅣ![]()
今作は書下ろしで’10に刊行された作品で、直ぐ前にUpした堂場記事でも同じ「関連」としてUpしたシリーズの続きとなる4作目
ソコでも書いたが、主人公は捜査1課の刑事として活躍しており、課内では「高城の勘」として名を馳せていた彼が、一人娘が突如として行方が知れなくなってしまい、妻とは離婚・刑事としての仕事も投げやりになってしまった、失意と絶望の底に堕ちてしまった中年男の魂と精神の再生をメインの軸として、同様にナンらかのミスや落ち度から最前線から外されてしまったメンバー達の物語を絡めながら、課の仕事内容から行方不明者の捜索をしていく形から、本格的な事件を追う形の展開となっている
今作では、若手女性刑事として将来を嘱望されていながら、人事上の玉突きから、不人気で不本意な失踪課へと「飛ばされてしまった(本人・談)」明神愛美がメインとなる
尤も、物語冒頭で早々に現場の事故に巻き込まれてしまうのだが・・・![]()
だが逆にソレで、塞ぎ込んでやる気の欠片も見せなかった高城が奮い立つので、「災い転じて・・・」ナンとやらという結果となっている
あくまで主人公は高城なのだが、シリーズものの特徴・楽しみとして他のメンバーとの絡みがあり、成長や立ち直り・再生があるので、益々楽しみに・面白味を増していく感じとなっている![]()

