伊勢谷武 「アマテラスの暗号」(宝島社文庫・上下)
NY在住の賢司(ケンシ)は、40数年ぶりとなる父親との再会を楽しみにしていたが、前日の夜、ホテルで銃撃され死亡したと伝えられる
父親は、日本でも最古の歴史を誇る神社のひとつ、丹後・籠神社の宮司を務めていたのだが、神職である父が何故、遠く離れた異国の地で襲われなければならなかったのか
ユダヤ系である母親は、殺された父親が所持していた暗号を見て、決して明らかにしてはならない日本のタブーついて言及した
父親の死・そして自分自身のルーツでもある日本の謎を探るべく、賢司は頼れる頭の切れる友人たちを伴って飛びだったッ
が、到着した日本で待っていたのは、秘かに破壊工作を企むの諜報員たちによる襲撃だった
他にも、イスラエルなどの国際機関なども加わり、混迷の度合いが強まっていく・・・
そんな中、賢司たち一行は精力的に各地の神社などを巡り、遂に真相らしきモノに近づいていく
日本国建立の根源にも関わる謎とは一体 そして賢司達が目撃した衝撃の事実とはッ
日本はおろか、世界の歴史認識までもが覆される禁断の歴史ミステリ
と、まぁ~かなり大仰に紹介したが、実はこ~いった系の作品と言うのは数多くあり、ドレもがドラマチックな展開と推論を繰り広げ、ショッキングな結論へと辿り着くのだが・・・
ソレらはあくまで『エンターテインメント作』であり、学術書ではないと言うコト
なので「話半分」とまでは言わないが、そ~いったモノ・と捉えていないと、オカシナこととなってしまう
なので、エンタメであるからには、広げる風呂敷は大きければ大きい程盛り上がるし面白くなるというモノ
ただ、風呂敷が穴だらけだったり、しっかりと纏められなかったり、結び目がユルユルだと途端に緊張感に欠けてしまい、結局ツマラナくなってしまう
ソノ点、今作は作中で紹介される豊富な資料類・特に神社系の写真を含めた資料や伝承がより信憑性を高めてくれるし、関連する世界宗教史・とりわけ原始ユダヤ教系の歴史なども詳細に記されていて、勉強にもなるし、肝心のストーリーを盛り上がる重要な要因の1つとなっている
コレだけの資料を自力で集めるのには苦労したと思うが、ソノ辺りは作者の努力と執念の賜物・と言う感じがするし、「好きだからこそ」と思われ好感が持てる
*コレが例えば・・・ヒガシノだとかマツオカとかなら、会社&編集者挙げて懸命に集めてくれるんだろうけどネ
作者の伊勢谷はこれがデビュー作となるが、前歴がメルボルンの大学を卒業後、ゴールドマンサックスでトレーダーをしていたとのコト
生き馬の目を抜く世界で凌ぎを削っていた、ソノ頃の経験を活かした作品も書けたであろうに、自分の趣味と興味のある世界で・と言う点が非常にだ
加治将一 「舞い降りた天皇(すめろぎ)」(祥伝社文庫・上下)
アマテラスとスサノオの関係性とは 何故出雲大社は「山陰」と呼ばれるのか
「天津神」と「国津神」に分けられる意味とは一体
「邪馬壱国」が「邪馬台国」と書き換えられた理由とは
福岡にある「細石神社」と「君が代」との関係
『魏志倭人伝』の表記の謎・天皇の指名権を持つ宇佐神宮・朝廷をも牛耳り遍く影響力を駆使した秦氏・
そして、今も解けぬ邪馬台国と女王・卑弥呼とは何者だったのか
彼女が実質的な商大天皇「X」ではないのかッ
歴史作家・望月真司が、時間の波間に消えた真実を求めて歴史を紐解く大河ロマン
初出は’08で、文庫化が2年後の’10の作品
加治の作品は他のを店頭と見掛け、興味を持って購入した所、思ったよりも面白くて次々と買い求めたりしており、コレは上下ともに「BO」で掘ったモノ
今更説明するのもアレですが、私は基本ミステリ好きで、よく言われる『広義の意味でのミステリ』がメインジャンルなんですネ
そ~した様々なのがある中でも「歴史モノ」はかなりの好物で、特に「日本史」は特に
皆な大好き「戦国」&「幕末」もですが、古代史や中世でも近世・近代でも全部面白いんですよねぇ~
やっぱりソノ辺りは小学生の頃から「社会科」とくに「日本史」では、【5】以外取ったコトがない・と言うのに由来してたりする
で、その一時期ハマった加治のだが・・・サブに書いた様に風呂敷を広げすぎな感じがするし、外連味が強すぎて独りよがりなトコへ陥りがちなトコがチョッと、ネ
荒唐無稽とまではいわないが、我田引水的な味付けが濃すぎて消化不良を起こしかねない点がネックとなって、徐々に離れてしまった
でも一定のある種の説得力がない訳でもないので、歴史好きの方には一度お試ししてみたら如何でしょう という感じです
さて・・・コチラも世界中で大スキ・大ヒットした映画シリーズですが
特に「レイダース 失われた聖櫃(アーク)」っぽい展開なのが上の伊勢谷の作品
モチロン、コレらは「ド」が付くほど真中の世代なので全部観てるし、DVDも持っている
コチラは、一部な世代&未だにカルトな人気を誇る漫画シリーズ
コレもモチロン全巻持ってはいるが、リアタイで読んでた・買ってた訳じゃなく、かなり後になってから「BO」などでコツX2集めた
マジで・ではなくあくまで「ギャグ」として楽しんで読んだし、今も時々読み返したりしてるという中毒性があるんですよネ