原田ひ香 「サンドの女 三人屋」(実業之日本社文庫)

 

朝・昼・夜・と時間帯によって提供される食事も形態も変わる、美人三姉妹が営む「三人屋」だが、三女の朝日が就職したコトにより、朝~昼までを次女のまひるが自家製の玉子サンドイッチを販売するコトとなったが、コレが美味しい上に見映えもと言うコトで、忽ち評判にッ

一方、夜は長女の夜月の元スナックへと変貌するが、近所の豆腐屋に居候するゲイBoyが・夜月にぶら下がるヒモ作家が・幼馴染で常に女が切れないが夜月に未練タラX2のスーパーの店長が、毎晩あ~でもこ~でもないとクダを巻き屯する

そ~する内に、それぞれに恋の色沙汰が持ち上がり、「三人屋」の商売にも変化が現れ・・・ハート

皆なが持ち寄り持ち上がる、恋と人間模様が楽しい連作短編集のⅡ

 

 

今年始まって早々にUpしたのの続きで、前回では美人三姉妹による「三人屋」開店に至るまでの・そして開店しからの騒動などを描いていたが、今回はそのままの続きのⅡ

で、三女が就職した為に朝の喫茶店&モーニングがなくなった代わりに、次女が引き継ぐ形で新たにサンドイッチを提供するようになるのだが、今作の上のカバーイラストにもある通り、実に美味しそうなんですよネ コレがッ食パン

そんな感じで始まるのだが、今作は三姉妹よりも周りの住民による物語&語りがメインとなっていて、至って普通の人物も登場したりはするのだが、一風変わった・というか、かなり個性的で一癖二癖所か、もっと癖強でメンド~なキャラが出てきて、只でさえチョッと波瀾万丈な三姉妹を引っ掻き回すしていくコトになるのが、楽しく面白いグラサンハート

前作では父親を巡るチョッとしたミステリなシーンもあったが、今作では完全にファミリアエンタメになっていて、個人的にはソコは少し物足りなかったのだがニコ

ココまで「Ⅱ」と書いてきたが、今作で大円満決着がついた様な感じになっているので、更なる続きがあるかどうか・・・なので、「Ⅱ」ではなく「続」なのかもしれない

出来れば個性豊かな三姉妹のその後・も読んでみたいのだが、果たして・・・お願い

 

 

清水義範 「12皿の特別料理」(角川文庫)

インドに出張中に事故に遭い、現地に入院した夫が所望した「おにぎり」だが、現地では日本と同じ様な食材が手に入らず・・・おにぎり

別れた夫と新婚の頃に食べた想い出の「鱈のプロバンス風」

左遷された会社員がストレス発散の為に打った「そば」

夫の浮気に気付いた妻が作る怨念の籠った「八宝菜」

それぞれが、忘れられない思い出が詰まった料理が、誰でにも1つはある筈

決して高級と言う訳でも、土地の名物でも、手の込んだのでもない、普通の12の料理を短編の名手・清水が、手に選りをかけて仕上げた美味しい面白い作品集スプーンフォーク

 

角川から単行本が出たのが’97で、文庫化が’00と、かなり古い部類に入ってしまった作品

他にもカレーだとかぶり大根・ぬか漬けとかきんぴら・又はパエーリヤとかドーナツなどなど、ドコの家庭でもレストランや定食屋でも見かける、そして誰もが食べたコトのあるメニューを題材に、人生の悲喜こもごもの味付けを施した料理短編集

書いた様に作者の清水は、こ~したペーソスが効いた人間模様を交えた短編が大得意で、面白可笑しくコチラに提供してくれるウインク

ただ悲しいコトにココの所、新作の話しがないのが・・・えーん

年齢的なトコがあるのかもはてなマークだが(’47産まれ)、まだX2老けこんで去ってしまうにゃ早いんだから、またクスX2とゲラX2と笑わせて欲しいモノだ爆  笑