藤野千夜 「じい散歩」(双葉文庫)

 

おじいさん・明石新平89歳 おばあさん・英子88歳 二人併せて、も~じき180歳

戦争従軍や、嫁を連れての実家からの駆け落ち・会社設立~高度成長期での飛躍と発展・バブル崩壊による会社の清算・・・

などなど、波乱万丈だったけど自分達だけが各別だった訳でもなく、皆なそ~だった時代を生き抜き引退した後は、悠々自適な生活をするだけ・・・富士山

の筈だったのに、嫁は少し認知症が始まり浮気を疑い、長男は高校生の頃から引きこもり、自称長女の次男は独立してはいるもののヒラヒラの服と赤と緑に染めたおかっぱ頭のセクシャリティマイノリティ、三男はアイドルオタクでイベント会社を設立するも黒字になったコトは一度もなく、損失補填を求めてくるガーン

揃って独身で今後のコトも心配だらけのアラフィフの子供たちを抱えていはいるが、でも新平は、毎日のルーチンの体操と散歩と食べ歩き・そして街を彩る女性たちに目を奪われる日々

普通(なのか爆  笑)の家族に日々をユーモラスに、そして淡々と描く暖かな物語キラキラ

 

 

タイトルからして「アノ番組」を連想させるホノボノ系のファミリーストーリー

至って普通・・・じゃないけど、事件化する様な特別な問題もなく、日常は流れていく

そんな状態の日々を、おじいさんの目線でゆったくゆったりと描いていおり、散歩気分で明石家の現状と歴史を味わえる

作者の藤野は「お初」の作家なのだが・・・彼女、「芥川賞作家」なんですネ

全然知らなかったですワニコ 直木賞は個人的に注目してるけど、芥川賞の方は専門ジャンル外なので、ほぼほぼスルーなんですよネ

でも、凝った気取った感じではなく、暖かな視線が優しく染み込んでいく感じで、非常に好感が持てた作品だった

じゃ「他のも読むのかはてなマーク」&「次作以降も追いかけるのか!?」と言われるとアレなんですけどネウシシ

で主人公の新平のキャラが も~とっくに肉体的には枯れているし実際の行為はも~無理なのだが、気持ちというか精神というか助平心だけは未だ旺盛・というトコが可笑しいドキドキ

コソX2とソッチ系の写真集やDVDを集めたり(で自称長女の)次男にパソコンに保存を頼んだり、健啖家なので出先で昼を食べるのだが、ソコのウエイトレスに声を掛けたり、名前を訊いたりする様子がコレまたナンとも可愛らしいグラサンハート

景気のE~頃に浮気がバレたコトがあり(しかも2回びっくり)、ソノ影響からか、老妻から散歩に出かける度に昔の浮気相手の名前を持ち出され疑われたり、と何とも人間臭いトコがE~OK

刺激的な興奮させるサスペンスフルな物語も面白いが、たまには、こ~いったので心魂を浄めないと、ミドフィフオヤジにはちと辛くなってきてるんですよネてへぺろ

*特に前のが各別にアレ系だったんでネネガティブ

 

 

清水義範 「日本ジジババ列伝」(中公文庫)

高校2年生なる孫が、可愛らしくて仕方ないお婆ちゃん

夜な夜な洋食屋に出没しては、ホラを吹きまくるお爺ちゃん

若い連中に交じって、アクティブに海外旅行に行きまくったり、ごみ置き場から空き瓶を集めては小銭変えるくせに、自分はゴミ出しのルールは一切無視したり、独りになった途端に散歩の途中で道に迷っただけで世界の終わりを感じて悲観したり・・・

長い人生の締めくくりに入った爺ちゃん婆ちゃん達が繰り広げる、日常の些細な・でも当人たちにとっては重大な物語を、コミカルに描く短編集花火

 

雑誌掲載された短編をまとめた単行本の刊行が’95で、文庫化は’97の作品

清水お得意&大好きな「老人」をテーマにした12編を集めた短編集で、ココではご近所にいそうな爺ちゃん婆ちゃん達が登場する

人生の酸いも甘いも嚙み分けてきた後に辿り着いた心境なだけに、本人たちは至って普通だと思っているし当たり前と認識してはいるが、でもナンかチョッとだけ可笑しかったり変テコだったして、そ~した何気ない1シーンを切り取って描くのが、清水は本当に上手いし面白く仕上げてくれる笑

帯がある・と言うコトは新刊で購入したと言うコトで、いずれ関連でUpするコトもあるだろうが、清水を始めて知った買った読んだのは’92の時で、ソレから一気にファンになり、過去作は「BO」などで、新刊はしっかり書店で購入して、ごくごく初期のジュブナイルものを除いて(ソレらも少しは古本で見つけて持っている)ほぼほぼコンプリしている

作品数も多く、正確に数えてはいないが多分「三桁」位はあるんじゃないだろうかはてなマーク

最近は棚や平台で新刊を見かけなくなってきているのが淋しいが、まだX2老けこむ歳でもないんで、コレから「も~ひとチューリップ」咲かしてもらいたいと思っている拍手