堂場瞬一 「陰からの一撃 警視庁追跡捜査係」(ハルキ文庫)

 

西川が襲われたッ! しかもメンバーの沖田らが見守っている最中にッゲッソリ

去年発生した、新橋の会社社長殺害事件の容疑者で全国指名手配中の男が、千葉で交通事故死した為、捜査中の1課はソチラについては事件性なしと判断し捜査は終わりつつあった

しかし、追跡捜査係の西川の元は届いた封筒には、真犯人が別におり、ソノ情報を提供する・との密告があり、晴海埠頭へ独りで来る様に書かれていた

如何にも訝しい手紙に疑問符を浮かべながらも、西川と相棒の沖田・そして係の面々は周りを囲みソノ時を待っていたのだが・・・いきなり西川が襲われ昏倒してしまい、尚も犯人も取り逃がしてしまう

犯罪被害者となってしまった西川は、家族共々同じ警視庁の【犯罪被害者支援課】の元、非難するコトとなったが、西川は沖田らと共に早々に捜査を開始する 

俺に恨みを持つ者は誰だッメラメラ

追跡捜査係最大の被害と危機に、怒りを以って望む人気シリーズの12びっくりマーク

 

 

少し前にUpした集英社文庫のシリーズの方は昨年末に刊行されたのだが、コチラは正真正銘(ウインク)今年になってから出た作品で、早いモノ・長いモノで12作目となる

で、コレだけ長くなると色々と趣向を凝らし、変化を付けたくなるモノで、今回は主役の一人である自他ともに認める≪書斎派≫の西川が、いきなり暴漢に襲われ危機に陥るという形で始まる

まぁ~ソノ前に、誘き出された事件についても描かれるのだが、ソチラはまだ・というか既に『冷えている』事件で、犯人は特定され現在は逃走中というモノで、追跡捜査係が出る幕ではなかったのだが、ソレに巻き込まれる形で追跡捜査係が・というか西川が襲撃されるという展開

で、ドチラかというと≪行動派≫の沖田の方が、こ~いった恨みを買うコトの方が多く、普段や過去も捜査に飛び回るコトが少なかった西川がど~して!?と言うのがポイント

またこのように長年続いているシリーズなので、主人公たちの心境や環境が変化していくのも面白みの1つ

二人とも加齢による心身の疲労は蓄積してるし、ナニかと若い頃とは違う面が表出してきており、ソレに戸惑う様子があったり、西川などは息子が既に成人し社会人となり、そして婚約者までもがいたり、老後・というか退職後は妻の元で喫茶店を営なもうかという案があったりと・・・長年最初っから読んできている者としては、ナニかしらの感慨的なモノも思い浮かできたりする

基本的にこのシリーズは「年1の書下ろし」で、大体は年初に刊行される

このままずっと、もっとあと10年は・というコトはなく、終わりもそろそろ見え始めてきてはいるが、でもファンとしてはもっと楽しんでいきたいというのがホンとの気持ち

また今作でも、他レーベルのキャラ達が「カメオ出演」していて、コレも恒例となってはいるが、楽しみの1つとなっているウインク

 

 

「標的の男 警視庁追跡捜査係」(ハルキ文庫)

墨田区で起きた不動産業者の強盗殺人事件の容疑者が、ひょんな所から浮上した

現在服役している男の告白があったのだ・・・

容疑者である熊井を監視中の、追跡捜査係の沖田は、自らの失態で逃亡を許してしまった挙句、負傷までしてしまい入院を余儀なくされる病院

一方、コンビの西川は普段の書類仕事から離れ、現場付近での聞き込みに駆り出されるが、戸惑いを隠しきれない

沖田は自らの失敗と犯行現場の違和感に衝き動かされ、負傷をおして捜査を強行するッグー

各々もキャラも固まり、いよいよ本格始動するシリーズの4

 

コチラも書下ろしで’13の発行で、既に10年以上も前になる訳でしかもコレが4なので始まりは当然もっと前になり、堂場史上にとって最も長く続いているシリーズとなっている

で今作では、メインの二人の役割が交換される・というのがポイントで、普段は書類を読みこみ、ソコからナンらかの瑕疵を見出し、捜査の糸口を掴むのが西川の役割で、考えるより先に身体を動かし、現場に漂うナニかを嗅ぎ付け端緒とするのが沖田となっているのだが、負傷により動けずに、ベッドの上で書類を読み込まざるを得なくなってしまった沖田と、普段は係の部屋に閉じこもっているインドア派の西川が、聞き込みなど慣れない外へ出ていかなければならない・というギャップに、それぞれが苦しむ姿が可笑しい・というか微笑ましくなってくるニコ

モチロン、ミステリなので終始笑顔で・ニコニコで進む訳もなくシリアスなシーンが例によって後半~Edに於いて迫ってくるのだが、ソレでもこ~した変化というのは長く続く(だろうと思われる・思っている)シリーズにとっては、少し目先が変わって新鮮味が味わえる

奇しくも、関連でUpしたコノ4が、↑の新作と少しWる部分・展開・シーンがあるのも面白いニコニコ

 

 

昨年、テレ東で初めてこの「追跡捜査係」が映像化された(1stの『交錯』)

西川を高橋克彦が・沖田を遠藤憲一が演じていた

二人とも実績・キャリアが豊富で演技も充分だったし、充分に堪能できた

まぁ~個人的に・&多分殆どのファンからしたら

「配役が逆じゃないのはてなマーク

と思ったと思うのだが・・・でも、そ~した当初の??を払拭して全編観られたのは、サスガの両俳優の力量といったトコだろうかチョキ

で出来れば、原作は山ほどあるのでシリーズ化してほしいんだけどなぁ~・・・お願い