ジェフリー・ディーヴァー 「ネヴァー・ゲーム」(文春文庫・上下)
・カリフォルニア州のシリコンヴァレーにあるカフェから、19歳の女子大生が突如として消えたッ 警察は事件性はなさそうと判断し捜査を開始しなかったが、心配する父親は1万ドルの懸賞金を掛け、情報を募った
廃工場で彼女は発見されるが、行方を追っていた彼女の元恋人が目前で射殺され、その後新たな誘拐事件が発生し関連性が疑われ、警察もやっと本腰を入れ始める
しかし、誘拐されたブロガーの男性も森深くの谷底で死体となって発見され、更にまた今度は妊婦が誘拐され、ソノ命は風前の灯火となっていた
失踪人を探し、依頼者の元へ届ける【懸賞金ハンター】として活動するコルター・ショウ
子供の頃から父親から受けたサバイバル術を駆使し、僅かな痕跡から後を追う能力に長けた彼は、必死に被害者の行方を追う内に、今回の連続誘拐犯とあるゲームとの関連性に気付く
残忍な犯人の狙いとは一体ッ そしてショウの脳裏から消えるコトのない過去の事件とはッ
新たな主人公・人探しのプロ・コルター・ショウが躍動する新シリーズの開幕
既にココで何度もUpしている・人呼んで「どんでん返しのディーヴァー」の異名は、やはり伊達じゃなかったと改めて感心させられる新キャラによる新シリーズの1st
僅かな微細証拠を元に天才的な推理を発揮する、四肢麻痺の探偵・リンカーン・ライム
人の言動の些細な違和感を見抜く、人間ウソ発見器・キャサリン・ダンス
と、好評の人気シリーズがあるが、満を持して新たなキャラとして登場させたのが、コレも僅かな痕跡を逃さず追跡調査をする、マントレイダー・コルター・ショウ
特徴としては、幼少期に父親から受けた数々のサバイバル術と教訓を活かし、常に冷静に教えを元に窮地を乗り越えていく所にあり、コレまでのキャラとは違い、かなりアクティブだしハードボイルドなタッチのキャラだという点
そして、濃密な関係を築いていた家族・特に父親との謎が背景にある
ソチラは裏設定の様な感じなのだが、ソレは今後の作品で多分徐々に明らかになっていくと思われ、興味をそそられずにはいられない
事件は連続誘拐モノで、非常に残虐な方法・手段を以って被害者を恐怖の淵に陥れていく残忍な犯人との対決なのだが、背後には巨大なマーケットとなっている『ゲーム業界』の光と闇があるのだが・・・事件そのものはモチロン、様々な後ろ暗い陰謀との絡みもあって犯人も・動機も最後まで展開が読めない
まぁ~ソレこそがディーヴァーの持ち味であって、当然今作でも充分に堪能できる
既に2nd&3rd&4thまでが刊行されているとのコトなので、続きが日本でも間もなく味わえると思うと楽しみでしょうがない
そして待望のリンカーン・ライムの新作の予定もあるとかで、コチラも待ち遠しくてショウがなかったりする
「12番目のカード」(文春文庫・上下)
NY・ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが、博物館で突如何者かに襲われたッ
しかし彼女は機転を利かせ危く難を間一髪逃れるが、現場にはレイプする為の卑しき道具の数々と1枚のタロットカードが残されていた
単純な強姦未遂事件と思い、捜査を開始するライムとサックスだったが、ジェニーヴァは執拗に付け回され犯人に迫られる
裏に本来の目的があるコトを疑う二人は、更に深い捜査を開始すると、ソコには合衆国の根幹を揺るがす140年もの前の陰謀があるコトを知る
ジェニーヴァの祖先である解放奴隷チャールズ・シングルトンとの関係とは一体
そしてアメリカ憲法成立との関連性とはッ
時空を超えた微細証拠物件に挑むライムは、果たして140年もの長い年月を飛び越え犯人に迫れるのか
シリーズ最大級の謎に取り組む、新鮮且つ強烈な刺激が満載の第6弾
と書いたが・・・実は多分、コノ6は今までの全14作の中で最も人気・評判と共に低いと思われる作品
モチロンかなり個人的な感想なのだが、知恵袋などでも人気投票があったりするのだが、大体が今作が、ネなのですよ
だからと言って持ち味が活かされてないとかキレがない・という訳ではないのだが、やはりテーマと言うか問題が大きくし過ぎたのかなという感じがする
着想としては面白いし、幾らでも深堀するコトが出来るだけに、逆に発端となった事件との関わりが唐突過ぎ、強引かなという印象がど~しても残ってしまうんですワ
「どんでん返し」の異名通り、小さなモノかなと思わせて大きなウラがあったり、その逆で大仰すぎ・と思わせておいて実は非常に矮小化されてたのが真実だったりと、裏のウラが表で実はソレは側面に過ぎないのよねぇ~という、手練れの外連が持ち味なので・・・
そ~言った意味では、ある意味コチラの予想・予測を裏切ってはいるのだが、ど~してもビミョ~な違和感を感じてしまう
ソレが今回の6なのかなという感想を持ってしまう
と散々貶しておいてナンだけど、決してツマラナイ・面白くないという意味ではなく、ど~しても前の1・4・5辺りの人気が高いのと、次の7が最も人気が高い為に、逆に光らなくなっている・というのがホンとのトコな感じなのだ
まぁ~ソノ人気の第7作目を次の時にUp出来るのでソレはソレで楽しみだった利する・と言うコトで・・・