小倉日向 「東京ゼロ地裁 執行1」(朝日文庫)

 

東京地裁民事部の裁判官である山代忠雄は、ナニかと注目を浴び派手な刑事部とは無縁な地味な部署担当で、家庭でも高校生の長女からは見下されているナンとも冴えない中年男

だが・・・彼には誰にも知られてはいない・いけない裏の顔があった

ソレは「霞が関ゼロ地裁」の裁判長であるコトだッ

刑事事件の被害者が民事でも訴訟を起こし賠償金を勝ち取るのだが、反省の弁は表向き語るものの、実際にはを出し罵り、1銭足りとも払わぬ悪党どもから100万倍返しでを巻き上げ、秘かに成敗をするのだ雷

いじめの首謀者や極悪非道なレイプ犯など、己の汚れた欲望に塗れ、ナンの反省も後悔もせず、再犯の恐れもあるモノどもを、部下の執行官や刑務官・謎の美人女医などの手を借りながら正義の裁きをお見舞いするッドクロ

凝りぬ悪者に見舞う、痛烈痛快な強制執行が爽快な書き下ろしシリーズの1十字架

 

 

まぁ~要は・・・「必殺シリーズ」・「ザ・ハングマン」の小説版で、内容的・展開的には皆さん御馴染みのストーリー

肝心なのは敵・というかターゲットがドコまでも卑劣で唾棄すべき存在か・と言うコトと、ソレらを如何に貶めやっつけるかという点で、ソノ点ではコチラはよく出来ている方だと思うし、登場する卑劣漢ドモは現実にもいて、ニュースなどで見ていたりする

そして、現実では余りに加害者よりな甘い判決・荒唐無稽なストーリーを造り上げ、弁論で以って罪を逃れさせようとする弁護士連中に、私ら一般市民のは沸点に達していたりするムキーッ

今作が面白いのは、その闇の執行人が「裁判所関係者である」というコトグッ

検察の求刑以上の判決は下せないが、感情的に許せないといったごく普通の市民の心根を持つ、至って普通の冴えない中年オヤジ判事が闇の顔を発揮して懲らしめていく痛快さがある

また、他の類似作品との違いは基本的に「ボランティア」であるコトがある

他のは多寡に関わらず、必ず報酬コインが介在しているのだが(そ~するコトにより己らの行為は正義などではなくあくまで仕事である・との認識を持つのが普通)、コチラには罰を与えても報酬が発生しない・あくま正義の衷心によるモノ・というのがポイント

書き下ろしでシリーズ化されるとのコトで、ソノ事がどの様な影響を与えていくのかが面白くなりそうな感じがするウインク

 

・・・が、うぅ~ん・・次はイイかなぁ~魂が抜ける

よくある話しなのに買ったのは、執行人が裁判官である・というのが他作との相違点で新た強い側面が見られるかなと期待していたんだけど、一応↑では少し持ち上げて書いたけど、そんなにネ、アレでしたわ・・・絶望

P数もそんなになかったし、内容的には重めではあったけど軽く読めたんで、タイミングが上手く合えば2に行ってもいいカモぐらいな感じでした汗うさぎ

 

 

森村誠一 「正義の証明」(幻冬舎文庫・上下)

ありとあらゆる悪の手口を記した『悪魔のガイドブック』が秘かにベストセラーとなり、世に出回っていた

それに唆された少女輪姦事件が発生し、版元の社長である金山に批判が集中する

が、非を認めない処か開き直る彼はある日、<私刑人>を名乗る謎の人物に襲撃されるドクロ

社会的批判を浴びる人物への私的天誅に世間を喝采を叫ぶが、法治国家たる警察の面目は丸つぶれで、全力を挙げて<私刑人〉の正体と行方を追うが・・・

捜査が難航する中、次期政権を掌中としていた大物政治家・朧岡の私設秘書殺害事件が発生する

エスカレートする正義の刃に緊張感が高まるが、遂に警察は犯人へと繋がる糸口を掴む

法に庇護されなかった社会的弱者と権力者との壮絶な闘いを描く、森村渾身の「証明」シリーズ乙女のトキメキ

 

と、またしても関連で森村の登場となったが、実はココで森村ので角川以外のをUpするのは初めてという

何度か以前に書いているが、森村から離れたのは平成の一桁頃で、サスガにパターンが似通ってきて飽きがきたのと、他の作家のも積極的に読む様になったからだが、今作はその後に刊行されたノで、H20の作品 なので新刊では例によって「BO」で購入したモノ

コチラでは<私刑人>となっているが、基本的には法に見放され憤懣やる方ない弱者が、遂に非合法なやり方で復讐していくモノとなっている

森村は少年期の体験により、「権力」と呼ばれるモノに対する反感・嫌悪・抵抗感を持っており、ソレは歳を重ねようとも拭いきれずに根底にこびりついているピリピリ

なので、作中で登場する政治家・軍隊(自衛隊)・財閥などの超エリート&富裕層は、まず間違いなく悪役となっている

その辺りの感情は私個人の信条とは相反するモノなのだが、物語として面白く読んでいるし読んでいた

少し前でUpしたがコチラにも棟居が登場する!!

トラウマが拭いきれずに今も相剋する刑事・棟居としては、今作に於ける<私刑人>に共感し同情する心境なのだが、だが刑事として治安を・法を守らなければならない立場にまたもや苦悩するコトとなるのだが、その辺りも物語の読みどころの1つだと思うウインク

モチロン、一番のメインは「警察VS私刑人」との攻防なんだけどネグッド!