吉川英梨 「十三階の母（マリア）警察庁公安特別諜報員・黒江律子
」（双葉文庫）
警察庁のひっそりと存在する超法規的スパイ組織『13階』ソコの規格外女スパイである黒江律子は、上司で愛する古池と夫婦となり長男を設け母となったが、彼らを狙うのはテロ組織だけでなく、天方総理の一人娘で左翼テロリストを目される美月にも敵対視されている
ソノ美月は遂に政治家となり、尚一層攻略しずらくなっていた
産まれたばかりの長男と引き離され、戦場となるへ二人は舞い戻ったのは、13階の校長宛てに届いた爆弾であった
しかもソコには忌まわしき公安組織最悪の失態である「北陸新幹線爆破テロ」の実行団体と酷似した名前がッ
本当の敵は誰だッ見えぬ手を秘かに伸ばす組織に対抗すべく、13階の面々は国家を・組織を護る為に動き出す
二転三転する目まぐるしい展開に、息を持つかせむハードアクションが繰り広げられるシリーズのⅣ
秘かに慕い願っていた
古池との間に長男の慎太郎と言う愛しい存在を授かった律子だが、いきなり身を追われに
に滞在するのだが・・・何者かに付け回され、しかも忌まわしい記憶も拭えないアノ組織っぽい名前からの挑戦状とも思えるテロ行為により、子供と引き離され再び戦場に舞い戻らざるを得なくなる
というハードなスタートから始まるⅣは、コノ様に場面がイキナリの急展開を見せるのだが、律子のメンタル面もかなり揺れ動いており、ソノ不安定さが物語に恐怖というか不安化を煽る上に、敵どころか結末も読めない為に一気にストーリーに引き込まれていく
母となったサイキョウの女スパイにも後輩が出来、その新人の教育というか指導・命令を下さなくてはならなくなり、その命令する行動もかつて自分が通って来た非常に過酷な運命ヲ辿らなくてはならなくなる・という下す方も受ける方も全てを投げ出す覚悟を強いられる
コノ辺りのハードさがこのシリーズの魅力であり、また読み手側の心を抉って来る
シリーズの2・3を一気読みしてついこの間にUpしたが、直ぐにコノ4が出たので早速読了した
新たな5の新刊も出ているので文庫化されるのが待ち遠しいのだが・・・早くても2年後だろうなぁ～
芝村裕吏 「猟犬の旗」（角川文庫）
つかの間の平和だったのか・・・
微睡の中にいた日本とそのスパイたる猟犬たちの眠りを覚ますテロが同時多発的に発生した
関西国際空港・新宿駅・主要都市で起きた爆弾と銃撃テロの目的はそしてソノ敵は一体
混乱する中で、組織自体も猟犬たちも内部分裂を起こし始めてしまうッ
敢えて名も捨て、姿も見えない組織に自ら望んで・脅されて・忠誠を誓った悲しきモノ達は、ドコへ向かうのか
「今日の様に静かな明日を迎える為には、ナニにも躊躇しない」とモットーに生きる悲しき猟犬の姿を描く、ハードパニックサスペンス
と、関連として吉川の前のと併せてコチラをUpするコトにした
同じスパイサスペンスものなのだが、コチラの方が若干Dryな作風となっているのだが、今作では「物語として」よくある・というとナンだけど
、🗾の各主要都市や箇所で大規模テロが同時発生した・という導入から、元々強固な絆で結ばれていた訳ではない・一匹狼的な猟犬たちも、指示系統の混乱や一向に見えぬ敵に対するジレンマなどが描かれ、1作目よりもハードな展開・作品となっている
その為か語り口もDryになっているのだが、ソレは効果を発揮していてストーリーにマッチしている感じだ
コチラもシリーズなのだが現在はココで止まっているのは少し残念
尤も、吉川のも多分数年間隔が空くと思われるので、ソノ間に新しいのが出ればE～し、もしなくてもその間にまた新しいナニかが出てくると思われるし、まだ在庫の中には関連としてUpできる作品はあるんでネ
・・・まぁ～その筈ですワ また棚とか押し知れを掘り出さないとならないけど