堂場瞬一 「空の声」(文春文庫)
昭和27年、遂に日本はフィンランドはヘルシンキに於ける夏季オリンピックに復帰するコトとなった![]()
戦争も終わり、復興と平和の道を歩み始め、幻と終った東京オリンピックを再び招致する為の先ずは第一歩となる大会であった
その大会の模様を中継する為に南航路経由で
で旅立ったNHKの放送人の一行の中に、嘱託の身分ではありながら茶の間で大人気の1人のアナウンサーがいた・ソノ名は和田信賢
戦前は相撲中継をメインにし、双葉山のアノ敗戦や、玉音放送にも携わったベテランである
しかし、出発前から体調に不安を抱えたまま、苦手の飛行機に搭乗しはるばる北欧の地を目指すのだが・・・
ある男の夢と希望を込めて描く著者初の<評伝>
著作数が既に3桁に達する、多作の堂場にして初の評伝・ノンフィクションとして選んだのが戦前~戦後をラジオを通じて茶の間の人気アナウンサーの和田信賢
↑で書いた様に歴史的な瞬間に立ち会ってきた男で、様々な場で活躍をしてきたのだが、コノ頃は、今で言うバラエティー番組的なトークショーの司会をしていた
現代で言うなら久米宏とか古舘伊知郎とか土居まさる的な方
*例える人が古いッ![]()
浴びるが如く酒を呑み、廻りにいる人を引き付けて離さないナンとも魅力溢れる人だった様だが、出発前には体調を崩しており心配されていたのだが、オリンピックという一世一代の晴れの舞台にアナウンサーとして伝えたいとの夢を持って出発するのだが・・・
と言う内容なのだが、ココまで書くとナンだか後の内容・展開が伺い知れる感じだが、実際ソノ通りになっていく
刻一刻と悪化していく様子を描くコトは作家として辛いと「あとがき」で堂場は告白していたが、読み手側も読むのが辛く感じた
ソレはナニも和田の苦しみに同情して、心配して・と言うよりも、延々と続く主人公の愚痴であったり、言い訳であったり、決断力のなさに対して、段々とイラつく様になるからだ
いくら晴の場に選ばれたから・夢であったからとは言いながら、最初っから体調面を危惧されていたにも関わらず、無理に出てはモノの直ぐにやはり悪化させ、挙句は
飛行機がいやだ・洋食が合わない・医者に診てもらうのは・
などと文句の言いどおしで、ド~しても主人公に肩入れする要素がない
その為にも1つ2つ、ストーリーに入っていけなかった![]()
厳しい意見かもしれないと思っていたが、「あとがき」でも刊行当時にその様な意見がたくさんあったというので、やはり皆な同様に感じていたんだなぁ~とちょっぴり安堵したりした![]()
ただその当時の北欧の様子や大会の雰囲気は感じられたし、『
のトビウオ』と称され期待された古橋広之進さんの言葉などが感じられたのが唯一の・だったかな
*古橋先生はナンたったシゾーカの方なのでネ![]()
でも浜松の出なので、アソコからは
は見えないんですけどネ
「刑事・鳴沢了 帰郷」(中公文庫)
新潟県警で鬼の捜1課長と呼ばれた父が逝き、ソノ葬儀の翌日にある一人の若者が訪ねてきて、内密の話しがあるという
父が現役時代に唯一未解決となった事件の再捜査をしろ・という
奇しくも時効がコノ葬儀の当日であった
今となっては逮捕は叶わないが、鳴沢は父の忘備録を検めると、ソコには捜査に対する飽くなき執念が綴られており、不審な元同僚・犯人と名指しされていた男・記されていた謎の暗号・・・
父が遺したまま去ってしまった事件を追い、雪が降り積もる新潟を独り、鳴沢は疾走るッ![]()
ますます筆が走る人気シリーズの折り返しとなる第5弾
元は新潟で始まった物語も、徐々に展開大きくなり、ソレに連れて舞台も東京などの都会へシフトしていくのだが、原点回帰的に今作では故郷の新潟へ戻って来る![]()
ソレも父が逝ってしまった為と言う悲しい現実があったからで、ソコで過去の事件と対峙するコトになる
鳴沢のハードボイルドで不器用な生き方は都会の喧騒の似合うが、雪が叩きつけられ吹雪く雪国もピッタリくる
しかもそこに迷宮入りしてしまった事件があり、更に厳しかった父が絡んでくるとなれば、ミステリの展開としてはワクワクしてくる
そして後に「小火を大火事にしてしまう男」との有難くない異名を頂く様になる彼の本性がハッキリしてくるのも読み処の1つ![]()
以前にも書いたが、堂場は多作な上にシリーズ作も多い
なので今回は内容では関連が全くないが、ココまで彼のをUpしてきたので続けて流れでコレを![]()

