ティム・メジャー 「新シャーロック・ホームズの冒険」(角川文庫)

 

ロンドンの公園でとある老紳士が倒れ、死因は毒物と判明し、事件性が疑われた

ソノ翌日、ベーカー街221bを一人の女性が訪ねてきた

彼女の名前はアビゲイル・ムーンと言い、ペンネームを用いてミステリを書いているという

ダミアン・コリンボードの作品は評判を呼び人気も高かったのだが、彼女が秘かに次回作として構想していたのが、前日に死亡した男性・ロナルド・バイスウッド氏そのものだった

彼を偶然街中で見かけ、モデルにして毒殺するという構想を練り、尾行をし普段の習慣を知り、その中で事件が起こるというストーリーで、ソレを創作ノートに記していたのだが、そのノートが盗まれ内容通りに殺人事件が起きてしまい、困惑の内にホームズとワトソンを頼って来たのだったッガーン

空想であった筈が実際に事件となってしまった訳とははてなマーク彼女の無罪は晴らすコトができるのかアセアセそして真犯人は一体??

正典御馴染みの面子も勢ぞろいの正統派長編パステーィシュがココにックラッカー

 

 

カバーイラストは、最近角川で発刊してる正典シリーズのママで今風になっている

「世界一の名探偵」で「世界で2番目に売れている本」なので、古今東西パロディとパステーィシュには事欠かない程出ている

そ~した中での今作は、正統派に分類されると思う

年代はハッキリしていて1898年の出来事で、宿敵モリアーティ教授との「最後の事件」の2年前になっている

訪問者はアビゲイルと名乗る女性なのだが、彼女が男性のPNでミステリを書いていて自立している女性と言う点が新しいキャラで興味をそそる

コノ時代の女性は『良妻賢母』であるコトが求められており、基本は結婚し夫に支えられ支え捧げる存在であるのが普通なのだが、キャリアを自分で作り上げているコト・故にアイデンティティがしっかりしていコトが珍しく、この性格が今作を盛り上げる要因の1つとなっている

・・・うぅ~ん、だけどチョッとソノ性格がきつすぎてH&Wと上手く絡んでいない感じがするコレは作者の失敗というかミスじゃないかと感じたダウン

肝心のミステリというかトリックというかEdは、かなり性急な印象がして忙しない終わり方で、もちっと余韻と言った響きが欲しかった気もする

というコトで個人的には「キラキラ3っつ」とはいかない・・・かなびっくり

 

後、300pチョッとで1000円Overって高くないガーン

海外モノだから版権とかあるだろうけど・・・贈賄する¥があるんならもっと読者に還元したらッコインたち

 

 

北原尚彦 「ジョン、全裸同盟へ行く」(ハヤカワ文庫)

自ら『高機能社会不適合者』を名乗り、ロンドンの街が提供する謎に取り組むコンサルティング探偵のSherlockと相棒で医師のJohn

ある日、彼の部屋を訪ねてきた紳士は「裸」に並々ならぬ感心を抱いており、「全裸同盟」なる秘密クラブの会員なのだが、退会通告を受け取ってしまう

その原因を突き止めて欲しいとの依頼に大いに興味を惹かれたらしいSherlockはすかさずこう言った

「頼んだぞウインクJohnラブラブ

21世紀のロンドンに蘇った名探偵・SherlockとJohnの活躍が6つ収められた連作短編集

 

と書いた様にコレはBBC製作のドラマ『Sherlock』のパステーィシュで、元がパステーィシュなので少々ヤヤコシイ感じになっているグラサン

’10にドラマが公開されると直ぐに世界中で人気を博したのは、ホームズ譚の世紀を跨いだ衰えない人気と評価に加え、主演のベネディクト・カンバーバッチ(名前の字面がナンとも凄い流れ星の人気もあるし、更に正典へのと優れたパステーィシュと新しい現代的な謎の提供など、要素を挙げればキリがないくらい

コレに触発を受けた現在に於けるシャーロキアンの第一人者と言える著者が勝手に書き始めちゃったモノ

ソレを快くOKしてくれたBBCもサスガ分かってるぅ拍手という感じで、ココに1冊にまとめられたモノ

因みに↑の解説も北原氏が手掛けていて、国内に於いてはホームズ関連の仕事は全て氏の元

に集まる仕組みが出来上がっているらしいウインク

 

今回は関連をコレにするにあたり、いつもとはチョッとだけ背景を変えてカメラした