今回は趣向を変えて、コノ歌を聴きながら読んでもらえると嬉しいです・・・
神家正成 「赤い白球」(双葉文庫)
昭和15年(1940)の朝鮮地区代表の座を勝ち取ったのは、1番セカンドの朴と2番ショート吉永の鉄壁の二遊間コンビを要する平壌一中だった
甲子園での1勝はならなかったが、最期の野球を成し遂げた二人はそれぞれの道を歩み始めた
吉永は陸軍予科士官学校へ・朴は少年飛行兵となり共に『御国』の為に戦士となった![]()
戦争は長引き、暗雲が立ち込める中、朴は「撃墜王」の異名を持つパイロットになり、吉永は少尉となり、激戦が続くマニラへ赴任をする
が・・・戦局の悪化は、固い絆で結ばれている二人の運命を弄ぶかのような作戦が実行される![]()
赤い白球に込めた祈りと魂を軸に感涙の定めを描く青春小説![]()
今年はコロナもある中、悪天候続きでナカナカ試合が行われないが、ソレでも甲子園では熱闘が続いている
去年は惜しくも開催自体がなかった訳だが、悲しいコトに戦前にも「戦争」の為に中止されていた時期があった![]()
その前から併合中の平壌を舞台にして始まり、純粋無垢な魂を
に捧げていた二人の友情と過酷な運命をドラマチックに描き、ソレに+して家族のあり様や心に秘めた暖かな想いなども加わり、平和な今を生きる私達に様々な「尊さ」を伝えてくれる物語になっている![]()
作者の神家は作家としての経歴はまだ浅いが、自衛隊出身(しかも少年工科隊の出というバリX2
)という経験を活かした「自衛隊ミステリ」を書いて出てきた作家で、人気を評価を得ている
今作も軍隊・戦争が舞台とはいえ、コレまでのとは一味違った風味を足してきていて、コレからの活躍も多いに楽しみ![]()
早坂隆 「昭和17年の夏 幻の甲子園 戦時下の球児たち」(文春文庫)
昭和17年の夏の甲子園は、朝日新聞から主催が文部省へと変更され、長引く日中戦争に配慮した形で、戦意高揚の為に様々なルールが採用された異様な大会となった
「選手」とは言わず「選士」と呼ばれ出場するコトとなっていた
大会終了後は「戦士」となって各地の戦場へ出兵し、その内の大部分の「選手」達は帰らぬ人となっていった・・・![]()
残酷で過酷な運命に翻弄されてしまった多くの球児たちの引き裂かれた青春を描くノンフィクション
作者の早坂は戦争モノなどをメインにした硬派な題材を描くノンフィクション作家で、今作では「スポーツライター賞」と「侍ジャパン野球文学賞のベストナイン賞」をW受賞している
上の神家もコノ昭和17年の大会が舞台となっているが、とにかく時勢に逆らえず、若人たちがコノ後に続々と入隊し、若い命を散らしていくコトとなるのは、読んでいても非常に辛いものがある・・・
今も存命の方々を訪ね歩き、辛い哀しい想い出を1つ1つ掘り起こしながら丁寧に試合・選手たち・ソノ家族・そしてその後・・・![]()
を丹念に描いており、その取材力に感嘆すると共に「草生す屍」となり「水漬く屍」となってしまった英霊達に改めての感謝を捧げたいと思う![]()
*私らの世代はモチロン経験はしていないが、親の世代は所謂「戦中派」なので、悲しい体験をしていると思う
ウチの母親は父親とは会っておらず、神棚に飾られた写真でしか知らず、父親(私にとっては爺ちゃん)は小笠原の海に消えてしまったとのコト
コノ時期になるとやっぱり淋しい、悲しい気持ちになりますね・・・合掌![]()


