五十嵐貴久 「波濤の城」(祥伝社文庫)
超大型の台風が九州沖に接近する中、11回建ての大型クルーズ船が神戸を出航した
カジノ誘致を目論む大物代議士・会社存続の危機を憂慮する船長・過去の事故の後遺症に苦しむクルー・そして様々な背景を抱えた乗客たち・・・
その中に銀座第一消防団に所属する神谷夏美も、同僚の柳雅代と共に捻りだした休暇で乗り込んでいた
しかし異音がし、排水が逆流し、遂には火災までが発生するが避難措置が遅れ・・・
絶体絶命の中、「絶対に諦めないFire Fighter」夏美の姿を描くシリーズⅡ
使命感に燃える女性消防士・神谷夏美の活躍は、どんな時でも諦めない心と信念の賜物であり、感動的
こんな人達がいれば、こうした災害・というか「人災」でも乗り越えられると思わせる
実際、作品の中でもそ~だし、現実の世界でもTopにいる者の邪な思惑や雑念が事態を重くさせているし、そんな事例に事欠かない
ソレでも自分の信念に基づき行動できるかという「人間力」が問われるし、ソレを問うている
そうした夏美の活躍は続き、既にⅢが単行本化されているので、早くも待ち遠しい
が、当初から「3部作」との構成なのでまだ読んでないけど、少し寂しい・・・
「炎の塔」(祥伝社文庫)
高さ450mを超える超高層タワーが銀座にオープンし、数万もの人が開業に押し掛けた
その初日、漏電による小火が発生したが、最新鋭の防火装置を過信するあまり対応が遅れ、タワー内の複数個所で火災が発生し、全てを呑み込む業火が群衆に襲い掛かる
銀座第一消防署の女性消防官・神谷夏美は現場に飛び込むが、最上階に取り残された人々がおり、ソノ中には恋人で学者の折原の姿もあった
未曽有の災害の最中、最後の最期まで戦い抜く夏美の活躍を描くパニックサスペンス
コチラがシリーズのⅠで、同じ消防官で火災事故により殉職した父の姿を追いかけ、女性という体格的にハンデを背負いながらも、懸命に現場に対峙する姿を描いている
ソノ「絶対に諦めない姿勢」は感動的ですらある
共に「映画化」されたら、非常に面白くなると思う
ので、ドッカのプロデューサーさんに是非ともお願いしたい
で両作とも巻頭にある映画からの引用がされている
映画好きの方なら、私の拙い粗筋からでも分かると思うけど・・・
そもそのこのシリーズはハイウッド作の「パニックスペクタクル」へのオマージュ・インスパイアから始まっている
「タワーリングインフェルノ」はDVD、持ってます
ポール・ニューマンXスティーヴ・マックイーンという大好きな俳優の共演の超大作なんでネ
・・・でも「ポセイドンアドベンチャー」はDVDドコロか、観てもいないんですよねぇ~