濱嘉之 「禁書の解錠 警視庁公安部・片野坂彰」(文春文庫)

 

ドイツ在住で、EU圏内を主な活動の場としている警視庁公安部付の片野坂彰率いる特別チームの紅一点・天才ハッカーでもある白澤が、とある企業から奪取した未公開のデータは、共産党本部と地方政府役人らの不正・腐敗がはっきりと示された《禁書》であったドクロ

密かに収集されたチームの面々は、それぞれの知識知見を活かし、獲得している【タマ・S】を駆使して、更なる綿密な情報蒐集に掛かったッ

解析を進める内に、大きくなり過ぎ混迷する共産主義国家の闇が明らかになっていく

一方で、僅か5名という人数に限界を感じた片野坂は、新たなメンバーを加えるべく、警察に限らない精鋭の調査を始める

混迷の度を極めていく世界情勢を語りながら、の治安を守る頼もしい姿を描くシリーズ7星

 

 

例年刊行される濱の「公安部シリーズ」も今作で7となるが、前作の「警視庁公安部・青山望」が12作書かれているので、20年近くソノ時々の国際情勢についてが語られている

今作では、「またトラ」が話題の中心で、まだアメリカ大統領選挙前なのだが、恐らく多分来るであろう「トランプ旋風」についての杞憂と、それによって起こる世界の混乱を予想している

また、公安部の物語なので当然ではあるが「秘密共産国」についての話題もメインに書かれている そしてそ~いった国家は「日本にとって明確なる敵」である為、情け容赦なくコテンパンにこき下ろしているのが面白いし痛快お祝い

まぁ~「左矢印」なシンパ・ガスパージン・信者にとっちゃ「トンデモ本」だろうし、憤慨噴飯モノだろうけどネグラサン

そ~したHotな国際情勢+国内政治家(「屋」とも言う)についても容赦ない語り口で斬るし、未来予測も語られるのが面白いし、多分年末に出るであろう新刊で現政権についても語られるであろうので、濱の見解見識が楽しみだったりする

現実の公安組織もコレ位の活躍を、私らが見えない水面下でしてくれている・と信じたいモノだ拍手

 

 

「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央」(講談社文庫)

 

警視庁の捜査1課の元へ入った緊急報に捜査員全員が震えたガーン

大商社である日美商会の社長の御曹司が誘拐され、2億円の身代金が要求されたと言うのだッ

捜査1課特別捜査室を仕切る藤江の元にもコノ情報がもたらされ、至急捜査を開始する

「犯人グループは必ず足跡を残しているッ」との信念の元、デジタル技術の粋を活かした情報収集とか解析捜査を進める

偵察衛星・防犯カメラ・パスモ・・・などから徹底的に犯人達を追い詰めるDASH!

現代の趨勢を切り取ったデジタル科学捜査ミステリ音符

 

今作は’09に刊行された後、’12に文庫化されている

濱は書下ろしが多いのだが、コノ頃はまだ「普通の道筋」だったりしたのだ爆  笑

↑のもそ~だが、近年のは「国内・国際情勢」を語ったインテリジェンススリラーモノになってきているが、この時期はミステリな作品を書いていたし、実際私が初めて読んだ濱のも今作の前に刊行された「世田谷駐在刑事」~で、コチラも刑事事件をリアリティタップリに書いた警察お仕事系ミステリだった

でソノ流れに沿って誘拐事件を描いているが、「昭和のドラマ・映画」の様な、変装して家に刑事が乗り込み、電話に逆探知装置と録音機材を設置し・・・などというのとは違っている

いや、モチロンそ~した捜査手法も取られているのだが、主人公の藤江は徹底的にデジタルによる捜査を進めており、コレが15年も前の作品である・というコトを考えると、現在の捜査手法の先取り・未来感を感じさせられたりする

情勢を語るのも面白いし興味を惹かれるのは間違いないが、こ~した事件モノも書いて欲しいなぁ~と思ったりもしているウインク