松嶋智佐 「県警本部捜査1課R メイリンの闇」(徳間文庫)
G県警捜査1課の班長である宝尾玲には、秘密にしてる事項がある
その為には、手を抜く訳ではないが、本職である事件捜査を「巻きで片づける」というコトを目指している モチロン、悲惨な目に遭った被害者の無念を果たしたい・のが『第一』であるのだが・・・
6年前、三ヶ瀬市内のメイリン公園で撲殺された男性の死体が発見されたのだが、当時の懸命の捜査にも関わらずに犯人逮捕には至らなかった
しかし、当時、事件の証言者である女性が突如として出頭し、証言を撤回・更には犯人を知っていると言うのだったッ![]()
宝尾班の投入が決まり、勇んで向かうが捜査は二転三転し・・・果たして、玲は難事件を《サクっと》解決して、「推し活」するフィギュアスケーター・宇都宮蒼の応援に間に合うのか![]()
本件をメインとしつつ、他2編の中編を加えた警察ミステリⅡ
前作が去年に出たばかりだが、人気だったのか勢いがある内に続けて・とでも言う意向なのか去年の10&11月に雑誌掲載された巻頭話に、書下ろしの2編を+して12月に刊行された
最近の松嶋のペースというか、続々と新刊が出ており、勢いが翳りを見せるトコがない程で、しかも今回の様なシリーズ物もあれば単品もありと、ミステリ・特に警察モノというメインなジャンルは揺るがせずに、クオリティーも一定の水準を保っているので、ある種のZoneに入っているのかもと思わせる![]()
今作でも主人公でヒロインの宝尾玲率いる、個性豊かなメンバー達と共に難しい事件を捜査するのだが、前作の最後で遂に憧れの・永遠の推しである宇都宮蒼と絡んだコトもあり、益々意気軒昂なトコが面白く愛おしい
また、秘密にしていたのだが、ソノ件で「推し活」がバレてしまった為、今ではメンバー達に揶揄われるシーンがちょいちょい出てきて、微笑ましかったりもするのがナンとも![]()
と、若干ユーモラスな面ばかりを書いてしまったが、中で描かれている事件は本格で、立派な警察相小説となっており、副題にある通り「闇」を感じさせる展開となっている
連作中編ではあるが、一貫して「三ヶ瀬市メイリン公園殺人事件」がメイン&背後にあるので、1冊を通して楽しめる仕組みとなっている
うぅ~ん・・・このペースは果たしてど~なるのか
松岡や堂場的にまでなるのか![]()
チョッとCheckなのだ![]()
森村誠一 「殺人の組曲」(角川文庫)
様々な考え・背景・現況が渦巻き、大衆が集い迷う大都会には、思いもかけぬ事件が潜んでいる
何気ない新入社員の一言が、不安を煽り、やがて疑心暗鬼に捉われた末に転落する心理模様を描いた「藪の狼」
人生の縮図である『終電車』を舞台にした、揺れ動く男女の心理的な機微を炙り出す「殺意」
・「新たな絆」
偶然スナップに移っていた女の僅かな表情の翳りが齎した事件の真相とは
「写真」
奇妙な思慕を抱いた青年の歪んだ妄執が新犯人に辿り着く「恋神(キューピッド)の誤射」など、計9編の短編が収められた「殺人」短編集のⅡ![]()
本作は’86~’92までの間に雑誌掲載された短編を集めたモノで、いずれも単行本などには掲載されていないオリジナルのアンソロジーとなっていて、文庫化はH4で、最後の森村自身の全編の解説が載っている
一応「殺人」と命された短編集のシリーズのⅡではあるが、各話に繋がりはないし、前作とも後作とも関連は相互にはないし、「殺人」で繋がっている訳でもない
解説で森村も語っているが、短編の妙は「切り口とスピード」にある![]()
短い故に長々と聞き込みなどの捜査状況を書く訳にもいかないし、そもそも警察・刑事自体が余り登場せずに、ふとした瞬間の関わりから巻き込まれたor自ら飛び込んでいった市井の人々が主人公だったりする
また時代もあるが、書かれた時期が昭和~平成へと移った頃でもあり、都会に生きる人々の意識・感覚も変化を見せ始めており、その辺りの多様性への対応・切り取り方が面白く書かれている
H4かぁ~・・・帯もそのままってコトは当然新刊で購入しており、この頃は学生時代の「読書熱
」が再燃し始めた頃であり、仕事も大変ではあったが多少の慣れ・経験を積むコトが出来、本を読む時間が増えた辺りだったかな
尤も、ソノお陰せいでもあるが、他の自分にとって新しい作家を掘り当てていて、高杉良や清水義範などを買い・読み始めてた頃だったと思いだしたりする![]()
というコトで「関連」が思いつかない場合の森村は、まだあるコノ「殺人」短編集の出番となるかな![]()

