【最強タッグ第7戦TOPIC(その3)】聖美&椿の危機にレジェンドプレイヤー・かけるが動いた!
Club Jが無傷のデビュー四連勝を成し遂げ
おかっぱがキャラチェンジで四連敗の泥沼に沈んだ第七戦。
おかっぱの陰に隠れて目立ってはいないが、おかっぱと同じく四連敗しているタッグがいた。
ハイスクールジュリアナ。
タッグ名【高校三年生】で初戦に挑み見事勝利するも
その後二連敗。
敗北を糧に結束を深めタッグ名を【ハイスクールジュリアナ】としオフィシャルタッグ申請。
心機一転挑んだ本日の第七戦だったが
見せ場なく二連敗。
MVPも奪えずノーポイントで終わってしまった。
そして試合後のバックヤード。
片隅にハイスクールジュリアナの姿はあった。
『・・・バッキー、大丈夫?』
『余計な…』
『余計な心配なんかじゃない。本当に心配して…』
『もぉ~のぉ~など~な~い~よ~ね~』
『え?』
『あぁ~すぅ~べてぇ~がぁ~きぃ~みとぉ~ぼくぅ~との~…』
『バッキー?しっかりして』
『あぁ~いのぉ~かまぁあえぇえぇさぁ~』
『バッキー・・・』
虚ろな瞳でチャゲアス1991年のヒット曲『SAY YES』を歌い続ける椿。
《ダメ…このまま負け続けたらバッキーの精神が持たない…なんとかしないと…なんとか…でもどうすれば…》
パートナーの変わり果てた姿に心を痛める聖美。
と、そこに
『相棒いい曲歌ってるじゃない。新井さん』
『あ、あなたは…』
『かけるくん!』
やってきたのはレジェントプレイヤーのかける。
(ジャムコント出演時代のかける)
長年ジャムコントの若頭として活躍し、昨年の最強タッグでは佐藤とのタッグ【なにわの写楽兄弟】で見事優勝。
その後諸事情によりジャムコントを引退したが、時おりフラリと会場に来ては先輩面をするという、部活の面倒くさいOBの様な存在となっていた。
『いやあ、久しぶりにジャムコントを見せてもらったけど、やっぱり最強タッグはいいねえ』
『・・・』
『みんなよく頑張ってるよ。まあ僕が優勝した年よりはちょっとレベルは落ちるけどね』
『・・・かけるくん』
『そう考えると、あの年僕が優勝出来たのはやっぱり運が良かったんだろうなあ』
『かけるくん…』
『新井さん覚えてるでしょ?あの伝説の最終戦。苦戦する佐藤さんを僕がフォローして…』
『チャンピオン!』
『ん?なに?新井さん?』
『お願い!私たちが勝てる方法を教えて!』
『・・・随分ストレートなお願いだね』
『私たちもう後がないの!なんでもいいの!アドバイスをちょうだい!』
『え?誰のアドバイスが欲しいの?』
『かけるくんのアドバイスが…』
『えっ?』
『だからかけるくんの…』
『えっ?』
『かけ』
『えっ?』
『か』
『えっ?』
『・・・』
『・・・』
『・・・第五回最強タッグチャンピオンのかけるくんのアドバイスが欲しいのよ』
『え~、僕のアドバイスなんて役に立たないと思うよ~』
心底面倒くさいと思うもぐっと堪える聖美。
『でもそこまで言われたらアドバイスしない訳にはいかないなあ』
『ホント?』
『ただ…正直に言うよ』
人が変わった様に真剣な眼差しになるかける。
『二人のタッグを見させてもらったけど、相性は決して悪くないと思うよ』
『ほ、ホント?』
『ただし、いきなり面白くなれる特効薬はないね』
『えっ…』
『少しでも時間を作って地道に稽古をする。それしかないと思うよ』
『それじゃあダメなのよ!私たちには時間がないの!特に、バッキーに…』
『新井さん・・・』
『まだ話は終わってないよ』
『えっ?』
『自分たちが面白くなる事が出来なくても、相手より面白ければ勝てるのが最強タッグ。でしょ?』
『ど、どういう事?』
『耳を貸して』
『・・・・』
『!!!!』
『そ、そんな方法が…』
『本当に出来るの?』
『大丈夫。僕に任せてくれれば』
『でも、どうしてそんな事を…』
『まあ僕にもちょっと思う所があってね』
『あ、ありがとうございます!』
『あ、分かってると思うけど僕が出来るのはあくまで勝てる確率を増やしてあげる事だけだからね。最後は君たちの力で勝たなくちゃ駄目だよ』
『それで十分よ!ありがとう!かけるくん!』
『えっ?』
『・・・ありがとうチャンピオン』
『なんのなんの』
そしてしばしの後、
楽屋裏の廊下にかけるの姿があった。
そこに
『どうしたんだよ。こんな所に呼び出しやがって』
やって来たのはClub Jのひこーき雲佐藤。
『せっかく山咲と祝杯を挙げてたってのに』
『お楽しみの所すみません』
『まあいいけどさ。誰あろう元タッグパートナーであるかける様のお呼出しとあればね』
『やめて下さいよ。優勝出来たのは佐藤さんのおかげなんですから』
『ま、今年は山咲のおかげで去年より楽に優勝出来そうだよ』
『・・・そうですかね?』
『・・・なに?』
『いえ、今日の試合、観せてもらいましたけど、このままじゃあ連覇は難しいんじゃないかなあって』
『おいおい、俺と山咲はデビューから無敗で四連勝したんだぜ。どこに問題が…』
『佐藤さん、口幅ったい事を言いますが、Club Jにはインパクトがない』
『なにっ?』
『思い出して下さいよ。僕たち【なにわの写楽兄弟】が優勝した原動力を』
『原動力を?』
『原動力を』
『原動力を』
『原動力いよぉぉぉ~っっっ!』
カーーッッッ!
(ビブラスラップ音)
それは去年、【なにわの写楽兄弟】がお客さんにまったくハマらないにも関わらず、
(去年もスベっていた)
自分たちが気に入ってしまい最後までやり続けていた伝説のスベりギャグであった。
『Club Jに足りないのはこれですよ』
『・・・確かに』
『このキャッチーなギャグさえあればClub Jは完璧。鬼に金棒ですよ』
『かける、お前の言う通りだ!さすが元相棒だぜ!』
『さっそく山咲に伝えて来るぜ!ヒャッホーッッ!』
『連覇期待してますよ~!』
上機嫌でその場を去ってゆく佐藤。
その背中を静かに見送るかける。
『・・・佐藤さん、あんたちょっと調子に乗りすぎたよ』
『あんたがClub Jで去年より楽に連覇したら、まるで僕が山咲くんより劣ってる様に思われちゃうじゃないか』
『僕はずっと伝説のチャンピオンでいなくちゃいけないんだよ。芸人として初めて最強タッグを制した偉大なるチャンピオンとしてね』
『さて、お膳立てはしておいたよ新井さん。あとは自分次第だけど…どうなることやら』
その後、某OBからの匿名の進言により、次節第八戦にてClub Jとハイスクールジュリアナの直接対決が決定した旨が最強タッグ実行委員会から発表された。
かけるの策略によりスベりギャグを吹き込まれた佐藤に対し、はたしてハイスクールジュリアナは一矢報いる事が出来るのか?
※ ※ ※ ※ ※
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