【最強タッグ開幕戦TOPIC(その2)】大波乱の女性プレイヤー!今年もあがぺる劇場開幕か?
最強タッグ決定戦に執念を燃やすもう一人のプレイヤー。
あがぺるである。
2015年の第三回大会に最強タッグ初参戦してからというもの、
狂気とも思えるほどのどん欲な姿勢で勝利を求め、
結果、数々のセンセーショナルな話題を提供。
その活躍っぷりから関係者筋からは《最強タッグはあがぺるのための大会》とまで言われるほどの名物プレイヤーである。
しかし、もちろんあがぺる本人はそんな評価では納得していなかった。
開幕戦の朝、会場に向かいながらあがぺるは考えていた。
《噂では今年が最後かもしれない最強タッグ…このままで終わる訳にはいかない。私は優勝したいのだ。なぜ優勝したい?そんな理由はとうの昔に忘れてしまった。ただ、勝ちたいのだ。私は勝ちたいのだ》
《そのために大切なのはやはりタッグパートナー。今年こそ早々にタッグパートナーを固定しよう。もう予選を盛り上げるだけの徒花では終わりたくない》
そう。あがぺるは個人プレイヤーとしては十分に優勝を狙える実力があるのだが、勝利を求めるあまり様々なパートナーと解散、結成を繰り返す通称《あがぺる劇場》を繰り広げてしまい、結果、スタートダッシュに失敗していた。
《今年最強タッグ出場を表明している強者といえば、やはり一明、佐藤の古参プレイヤー。しかし優勝経験者とは勝利への温度差がありすぎて上手く行かない事は学習している。という事は・・・》
優勝への方程式を導き出すべく、頭をフル回転させながら小屋入りしようとするあがぺる。
と、そこに。
『!!』
視界に入った小さな黒い塊。
その正体は膝を抱えてうずくまる少女。
今年の最強タッグ最年少プレイヤー、猫村サキであった。
『・・・おはよう』
『・・・・』
あがぺるの素っ気ない挨拶に無反応という反応で応えるサキ。
二人の間に流れる気まずい空気。
あがぺると猫村サキ。
二人の因縁は去年の最強タッグまで遡る。
例によって様々なタッグパートナーと結成解散を繰り返していたあがぺるが、
いよいよパートナーを決定しなければ予選通過も危うくなって来た時、
同じくタッグパートナーを失い、すがる様にあがぺるにタッグ結成を懇願したサキ。
しかし、その年デビューの新人プレイヤーであるサキの実力では勝てないと判断したあがぺるは固辞。
銭山伊織とタッグ【ジャイアントイーター】を結成。
結果、あがぺるは予選通過したが、
サキは予選敗退という屈辱を味わった。
《猫村、確かにあんたはこの一年で色々経験して、ジャムコントプレイヤーとして上手くなったと思う。でも優勝を目指すパートナーとしてはまだまだ未熟。悪いけど他を当たって頂戴》
情けは逆に傷つけると言わんばかりに、冷酷にサキの前を通り過ぎるあがぺる。
が。
その時、脳裏に蘇って来た去年のサキの顔。
サキからの哀願を断った時の、捨て猫の様な目。
『・・・ああ、もう!』
『その捨て猫みたいな目、やめてよね』
『・・・』
あがぺる、踵を返してサキの元へ。
『前から気になってたんだけど、去年は『成瀬サキ』だったのに、今年に入って『猫村サキ』と改名したよね?・・・なんで?』
『・・・』
『ひょっとして、私へのメッセージ?』
『・・・』
『「私はあなたに捨てられた猫です」』
『「捨て猫はもう一度あなたに拾ってもらうまでここで待っています」・・とか?』
『・・・』
『ほら、立ちなさいよ』
あがぺるの差し出した手を掴むサキ。
『冷た・・・あんた、いつからここにいたのよ』
『昨日の晩から』
『えっ?なんでそんな馬鹿な事を・・・』
『・・・あがぺるさんに真っ先に拾って欲しくて』
『猫村・・・』
『・・・とりあえずよ』
『えっ?』
『とりあえず今日は組んであげる』
『ほ、本当に!』
『でも、ダメだと思ったらすぐ切るからね』
『は、はい!』
かくしてあがぺる&サキのタッグ結成
・・・かと思われたが、
そこにやって来たのが、ジャムコントの爆弾娘、新井聖美。
聖美も去年の最強タッグに参戦して苦杯を舐め、今年こその決意を胸に最強タッグに参戦するプレイヤーである。
《去年は佐藤さん、一明さんと組ませてもらったけど、今年は一緒に切磋琢磨出来る女子プレイヤーと組みたいなあ。となるとやっぱりあがぺるちゃんか、それともサキちゃん・・・》
そんな聖美の想いを・・・
あざ笑うかの様な光景。
『新井さん・・・』
『あ、あらあら、お楽しみの所失礼しましたね』
誰も何も悪い事はしていないのに、こそこそと横を通り過ぎようとする聖美。
《ジャムコントの女優プレイヤー三人娘として頑張って来たのに、私だけのけ者にされていた・・どうして?どうして?やっぱり私だけ○○歳だから?》
そんな心の声を聴き逃さなかったのは・・・
『待って!新井さん!』
やはりあがぺるであった。
『なに、あがぺるちゃん?私になんか用は無いでしょ?』
『そんな事ない。大ありよ』
『・・・なによ?』
『新井さん、一度私とタッグを組んでみない?』
『えっ?』
『で、でもあがぺるちゃんはサキちゃんとタッグを組むんじゃあ・・・』
『組むわよ。でもまだ正式にパートナーすると決めた訳じゃないから』
『・・・』
『一度新井さんとも組んでみたいなあって思ってたの。だから、一度試してみない?』
『・・・ホントに?』
『ええ』
目の前に自分を求めている人がいると、誰であろうとつい手を差し伸べてしまう。
あがぺるが《ジャムコントビッチ》と呼ばれる所以である。
かくしてあがぺるは第一試合ではサキとのタッグ【ゴシ☆ロリ】で挑み、
見事勝利。
第二試合では聖美とのタッグ【彼氏いない~ず♪】で挑み、
勝利こそ逃したものの、パートナーの聖美がMVPを獲得。
どちらもタッグパートナーとしての存在感を存分に発揮した。
はたしてあがぺるはどちらを正パートナーに選ぶのか?
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