【第五戦TOPIC.2】あまからアベニュー、その愛と絆。 | JAM CONTE

【第五戦TOPIC.2】あまからアベニュー、その愛と絆。

全戦全敗の【さば】と同じく、深刻なスランプに陥っているのが、ひこーき雲佐藤と新井聖美の【あまからアベニュー】


そもそも開幕戦で聖美からのラブコールを佐藤が受ける形で結成されたこのタッグ。


初陣では無我夢中で挑んだ事が功を奏した。聖美が意味不明なズンバダンスを終始踊り狂うという佐藤も顔負けの狂気の世界で観客の度肝を抜き見事勝利。



そんな聖美を心強く思ったのか佐藤。




開幕戦終了後、



勝利の興奮が冷めず、


街中を走り回っていた聖美に


佐藤から声をかけた。



佐藤『ズンバ!』


聖美『ズンバ?』


佐藤『ズンバ!』

聖美『ズンバ・・・』

佐藤『ズンバ!』

聖美『ズンバ!!!』


常人には理解し難い会話であったが、確かにコミニュケーションは成立していた。


かくして第二戦より二番目のオフィシャルタッグとして公式戦に挑んでいたのだが…



開幕戦の爆発力は影を潜め、途中夫婦漫才キャラに変更するなどのテコ入れを行うも効果はなく、気付けば開幕戦以降勝ち星はなしという絶不調に陥っていた。



そしてこの日も佐藤が個人技でMVPを獲得するも、チームとしては【ワサブチ】【1×1】の熱さに飲み込まれていい所なく完敗していた。



試合後、バックヤードに聖美の姿が。



通行人の奇異の視線も気にせず、一心不乱にズンバダンスを踊り続けていた。


聖美『2525!2526!2527!…』



かすれゆく声。ふらつく足。薄れゆく意識。

無理もない。かれこれ2時間は踊り続けているのだ。


それでも踊る事をやめない聖美。


そこへ


佐藤『いかん!もうやめるんだっっ!』



身を呈して聖美のダンスを止める佐藤。



佐藤『どうして、どうしてこんなムチャを!』

聖美『佐藤さん!離して!』

佐藤『馬鹿野郎!死んでもいいのか!』

聖美『だって、だって…』



そう。聖美には踊らなくていられない理由があった。


佐藤とオフィシャルタッグを組んでもらう事を目標に、必死に、がむしゃらに戦った開幕戦。その気持ちがズンバダンスの奇跡を産み、勝利を摑み取る事が出来たし、結果、佐藤と組んでもらう事も出来た。



しかし、私はその事に満足してしまって、それ以降は開幕戦の時の様なひたむきさを失ってしまっていた。


つまり、連敗の原因は私の慢心・・・


勝つ為には私の慢心を捨て去り、尚かつ開幕戦の頃の情熱を取り戻さねば。


それが出来る方法は只ひとつ。


自我が無くなり、悟りをひらくまでズンバダンスを踊り続けるより他にない。



聖美『だからお願い。私に踊らせて!』

佐藤『聖美…分かった。踊ればいい』

聖美『佐藤さん…ありがとう…』

佐藤『ただし!…俺と一緒にだ』

聖美『!!!!』



いつの間にか佐藤の頬には熱い涙が。
聖美の想いは佐藤に伝わっていたのだ。



佐藤『聖美…レッツ、ズンバ!』



聖美『佐藤さん…ズンバ!』



その後



二人はズンバダンスを踊り続けた。


ただ



ひたすらに




はたしてこの努力が報われる日は来るのか?

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