【最強タッグ第11戦TOPIC(その2)】裕佳の決断にあがぺる困惑!そして新たなタッグが・・・ | JAM CONTE

【最強タッグ第11戦TOPIC(その2)】裕佳の決断にあがぺる困惑!そして新たなタッグが・・・

終演後のバックヤード、興奮冷めやらぬあがぺる。


『裕佳ちゃんやったね!』

『うん』

『この調子で絶対に優勝・・・』

『あがぺるちゃん』

『・・・なに?』

『いままでありがとう』


『え?』


『良かった。最後に勝てて…これでもう思い残す事はない』

『・・・どういう事?』

『こんな私と組んでくれて本当にありがとう』

『裕佳ちゃん…』

『本当はわたしももっとあがぺるちゃんと一緒にやりたいよ』

『だったら…』

『でも、わたし決めたの』


『…裕佳ちゃんも私を捨てるのね』

『ごめんね。でも…あがぺるちゃんには勝って欲しいから』


『わたしひとりでどうやって勝てっていうのよ』

『ひとりじゃないわ。あっちを見て』

『え?』


と、そこに近付く一つの影。


『裕佳ちゃん、話したい事って…』

『・・・ぽるんちゃん?』


影の正体は大牧ぽるん。


『裕佳ちゃんに…あがぺるちゃん?』

『ぽるんちゃん、お願いがあるんだけど』

『な、なに?』


『アシスタント、私と交代して欲しいの』

『・・・は?』

『いいよね?はい決定』

『ちょ、ちょっと…』

『そしてあがぺるちゃんには、私からの最後のプレゼントだよ』

『プレゼント?』


『あがぺるちゃんと同じくらい、いえ、ひょっとしたらそれ以上に勝ちたいって思ってるパートナーよ』

『え?』

『じゃあ、あとは若い二人におまかせしま~す』

『ちょっと裕佳ちゃん!』

『どういう事よ?』


残されて戸惑う二人。


その後、裕佳の要望は大会実行委員会に申請され正式に受理。

かくして【ぱらぴりぷりん】は解散。

中岡裕佳は大牧ぽるんと交代で最強タッグ戦の公認アシスタントに就任する事となる。


そして迎えた公式戦第22試合。


ついに【もうじゅうサーカス】と【ザ・ジャケッツ★】という、元【小野デン】のそろい踏みに俄然注目が集まったが、その相手には中原コミッショナーの命令により…


一明一人とあがぺるのセミオフィシャルタッグ【なりそこないプリ☆プリ】が選ばれた。


突如パートナーの裕佳から解散を言い渡された上、ぽるんを新パートナーとして紹介されるという怒濤の展開に、まだまったく気持ちの整理がついていないあがぺる。しかも相手は元【小野デン】の2タッグ。


これではいくらインディーズタッグとしてバツグンの勝率を誇っている【なりそこないプリ☆プリ】と言えども勝利は難しいだろうと思われたが、


結果は…


【なりそこないプリ☆プリ】の勝利!


これにて【なりそこないプリ☆プリ】はインディーズタッグながら4ポイントを獲得。


《このままオフィシャルタッグ申請すれば、一気に上位に食い込める》


《しかし一明には勝ちたいという欲が見えない。確かに頼もしい存在であるが『本当に勝ちたいと思っているのか』不安になる時がある》


《それならば裕佳が勧めてくれたぽるんちゃんと組んだ方が…》


勝利の喜びと同時に、様々な思いが駆け巡り、さらなる混乱に陥るあがぺる。


果たしてあがぺるの選択は?


そして全公演終了後。


バックヤードの片隅で、膝を抱える一人の女性の姿が。


彼女の名前は宮原梓。


タッグ戦出場を目的に11月末より参加しているにも関わらず、タッグパートナーが見つからず、未だインディーズタッグですらタッグ戦に出られない状態であった。


《私もタッグ戦に出たいのに…出たいのに…》


元来の引っ込み思案故、誰にも声をかけられず、人知れず思い悩む宮原。


そこに偶然通りかかった一人の女性。


彼女の名は片桐慎和子。

彼女も宮原より遅れて一週間、新たにジャムコントに参加しているベテラン女優である。



『あら、あなたは・・・宮原さん、だったかしら?』

『あ、片桐さん』

『そんな所にいたら寒いでしょ?みんなと一緒に楽屋に居れば?』

『でも…楽屋狭いし、一人でも少ない方がいいかなって…』

『・・・』

『あ、片桐さんは行って下さい』


『・・・宮原さん』

『はい?』

『私に全部話してご覧なさい』

『え?』

『あるんでしょ?悩み』

『どうしてそれを…』

『似てるのよ。あなたは私に』

『え?』

『さあ話してごらんなさい!』

『・・・はい』


片桐の優しい笑みを受けて、ポツポツと喋り始める宮原。


最初は曇りがちだった表情が徐々にほころび、やがて、ジャムコントの現場にやってきて、初めてと言って良いくらいの晴れやかな笑顔を見せる様になった。


『分かったわ。つまり梓ちゃんはタッグ戦に出たいのね』

『はい。でも…私なんかと組んでくれる人なんて居ませんよね』

『大丈夫。梓ちゃんはタッグ戦に出られるわッ!一人の超大物役者が日本へいき、きみとタッグを組むから!』

『エッ…そ、その超大物とは?』


『わたしだよ』

『!!』
『それとも片桐慎和子は超大物ではないかな?』

『か…片桐さん!』


捨てる神あれば拾う神あり。


【ぱらぴりんぷりん】という女性タッグが開催したその日、新たな女性タッグが密かに産声を上げようとしていた。


次回ジャムコント最強タッグ決定戦第12戦。

またもや新タッグが襲来?!




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