「船の旅リポート」(32) | JBジャムのダンスブログ

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「船の旅リポート」(32) From Chuck


2月21日(日)曇時々晴


 本船は昨夜はデセプション島の湾内(火口湖内)には入らず、従って停泊もせずに近くの流氷が流れてこないような安全な海面(などと言う海面があるのかどうか不明だが)に停泊か漂流していたようだ。朝5時過ぎに起きた時には、既にゲイラッシュ海峡に向けて航行中であった。いつものように太極拳(屋外のスポーツデッキ)、ラジオ体操(屋内のスターライトラウンジ)、真向法(屋内のキッズルーム)で行った。


 朝食後は、早速上下をダウンの防寒服に包んで13階のオープンデッキに出かけた。既に沢山の船客がつめかけていた。ここは、ブリッジの真上に当たり、何か特別のことがある時に船客に開放される。吹きっさらしなので向かい風をもろに受けて体感温度は氷点下である。実際には気温は1℃と発表されていた。


 そこから見ていると次々と流氷が流れてきて、アイスパイロットが巧みにその流氷を避けながら本船を進めていく。ゲイラッシュ海峡には昼前に入ったが、期待していたほどクジラもシャチも出てこない。時折、クジラの噴気と背中が見えたり、ある時は片方のヒレを出したりするクジラもいたが、それ程大きなクジラではなかった。それでもシャチが5~6頭泳いでいるのを見た。アザラシも何頭か泳いでいるのを見た。総じてそれらの動物の出現回数は少なかった。アメリカのアラスカの方がいろいろ動物が出現して楽しいと言っている船客もいた。


 昼食後は、Ⅰ氏の部屋に集まって、J子さんお持たせのBeagleブランドのビールやオーバーランドツアーで同室だったO氏お持たせのワインなどを飲みながら、ゲイラッシュ海峡からアンドボード湾、パラダイス湾と南極の海と氷の景色を楽しんだ。


 一寸飲みすぎて5時半からの南極遊覧航行記念の集合写真に間に合わなかったのは残念だった。今夜はパラダイス湾の湾内に停泊した。


 本日正午の本船の位置: 南緯6435分 西経6239分 水深234m 速度12.53Kts 気温3℃ 海水温0.6℃ 風速17Kts 波高2Feet 気圧1010hPa 日の出0533 日の入2101 (本日の航行で、南緯65度までは行かず、その少し手前で北に針路を取ったようだ。今回の南極遊覧航行では、ほぼ南緯65度が最南の到達点と考えて良い。これ以上南へは行かなかったと言うことだ。)



2月22日 (月) 曇


 朝、5時過ぎに起きると本船はまだ停泊していた。天気は悪そうで低く雲が垂れこめていた。6時に太極拳の練習でスポーツデッキに行くと強風のため本日は船内で行うと言う。今日の天気は昨日とは打って変った天候のようだった。


 それでもブリッジの上のオープンデッキに行ってみたが、強風のために誰もいなかった。


午前中は船内で過ごしていたが、船内放送でいよいよ今回の南極遊覧航行の中で最も細い海峡であるニューメイヤー海峡に入ると伝えてきた。海峡の幅は、一番狭いところではわずかに数100mしかなく、本船は図体が大きいので微速前進しかできない。この海峡はパルマー諸島のアンバース島ともう一つの島の間にある南北15マイルの海峡だ。本船は南側から入って北側に抜けた。その間、両側から雪や氷で覆われた岩山が迫ってきていた。写真に撮ろうとしても風景が大きすぎるのと、白い雲が低く垂れこめていて岩山との輪郭がはっきりせず、写真の撮りようがなかった。


 午後にはニューメイヤー海峡を抜けて、昨日入ってきたゲイラッシュ海峡に入った。船室にいるとブリッジからクジラが右舷に何頭出ましたとか、左舷に何頭出ていますと船内放送で伝えてくる。僕も、早速防寒具を身につけオープンデッキに出てみた。相変わらず風は向かい風で強かったので、船客は殆どいなかった。その内、前方でクジラが潮を吹くのが散見されて、午後3時過ぎにはクジラがジャンプするのを何度か見ることができた。これはブリーチングというクジラの習性である。本船左舷の船首近くでブリーチングをするのをこの目でしっかり見ることができた。昨日も何度かクジラは見たが今日は昨日と同じゲイラッシュ海峡で何度もクジラを見ることができたのは幸運だった。


 氷山の上にペンギンが沢山乗って漂流しているのも見ることができた。特に海中から波の上下を利用して、ペンギンが氷山に乗り移る光景を双眼鏡で見ることができたのは面白かった。ただ本船がそのペンギンたちが沢山いる氷山の近くまで行くことが許されず、写真に撮ってもペンギンは黒い豆粒程度にしか写らず、僕のデジカメでは限界があった。生態写真を撮るような高倍率の望遠レンズが使えるようなカメラでないと無理だ。


 午後5時過ぎにはゲイラッシュ海峡を抜けて針路を北に取り、ドレーク海峡に入った。来る時はそれ程ひどい揺れは無かったが今夜は揺れそうだ。この航海記を書いている10時過ぎには相当揺れ出している。これで南極遊覧航行は終了した。明日は一日航海をして明後日午前中にビーグル水道に戻る。途中ホーン岬が見える海上を通るが夜なので見えないとのこと。その後、ウシュアイアには寄らず、ビーグル水道からマゼラン海峡に入って次の寄港地であるチリのプンタアレナス港に寄港する。


 本日正午の本船の位置: 南緯6429分 西経6219分 水深377m 気温1℃ 海水温1.1℃ 速度 不明(微速) 風速25Kts 波高4Feet 気圧1004hPa 日の出0544 日の入2055



2月23日 (火) 曇時々晴 波高し


 朝5時半に目が覚めたが、本船は大揺れに揺れており、これでは太極拳の練習など出来ないだろうと勝手に判断して惰眠を貪った。本船の揺れが揺りかごのようで「ウトウト」と眠るのには最高だ。それでも7時半には起床して朝食を摂りに食堂に行ったが、他の船客は船酔いしているのか少なかった。同室のT氏によれば、早朝は雪が降ったらしく船尾のガードレールに雪が積もっていたので、雪だるまを作ったら早朝ウォーキングをしている船客が大勢集まって来て写真を撮っていたと言うから、船酔いに強い人も大勢いたのだろう。


 ドレーク海峡は思っていたより揺れが大きく、南極へ向かった時とは大違いで、期待(?)していたような揺れになってくれた。この大揺れは、今日は終日続いた。僕は船酔いには強い方だが、さすがに何かをする気にならず、午前中はⅠ氏から借りていたヘミングウェイ原作グレゴリー・ペック主演の「キリマンジャロの雪」のDVDをPCで観て過ごした。当時のサファリは野生動物を見てまわるのではなく、サイやゾウ、ライオンなどの大型の猛獣狩りだったことがよく判る映画だった。


 昼食後も相変わらずの揺れで、運動などもできないのでベッドで横になっていると思わず睡魔に誘われて寝てしまった。船旅も半ばを過ぎて疲れているのかも知れず、丁度良い機会と思い、快い怠惰に身を任せることにした。夕方から気分もすっきりしてきたので日経新聞でまだ読んでいなかった2月3日から5日までの分を読み終えた。6日以降の新聞は本船に届いていない。どの辺で届くのだろうか。


 日中何度か無線ランでネットに繋ぐことを試みたが衛星通信回線の状態が悪いのか繋がらなかった。少しくらいこちらからの連絡が遅くなっても、読者の皆様は心配はされないだろうと高をくくっているが、あまり繋がらないと腹が立ってくる。明日は、ウシュアイアの近くまで戻るので、再度トライするつもりである。


 本船の正午の位置: 南緯5844分 西経6443分 水深3248m 速度15.35Kts 気温6℃ 海水温4℃ 風速7Kts 波高6Feet 気圧1011hPa 日の出0551 日の入20: ともかく今日は波高の割には、本船の揺れはひどい一日だった。