死というやつはあまりにも突然に降りかかってくるものだったりする。
それはさ、恋というものが突然降りかかってくるのと同じくらいに理不尽であるのだけど。

雷に打たれたような恋の場合と全く異質なのは
ベクトルが過去にしか向かないという事実。

悲嘆しても未来に繋がっていくわけではない

それを分かっていても悲嘆しかできない。

ワタシにできることは
ただ周りをバカみたいに、イヤ。

バカだから
笑わせることだけしかない。

いつも通りに
いや
いつも以上に道化師の役を演じるしかない。

天国なんかあるのかわからんけど

天国から
バカだよね!

って突っ込んで貰えることを期する意外ないでしょう?

大丈夫!
アナタがみんなに与えてくれていた笑顔は
ワタシが責任背負わせていただきますから。

だから、
ゆっくりお休み下さい。

葉桜の時節に
感謝と哀悼を込めて
朝飯に食パンと牛乳をコンビニで買った帰り道、俺は急に思う。
今朝のことだよ。

ペンギンを買いに行かなくては

あまりにも突然、そしてシュール過ぎる発想も当人である俺には何ら違和感を覚えない。

そうだ。俺の今の生活に唯一足りないもの
それは昨日冷やし中華を作って切らしたお酢と醤油でもなければ今日発売になるBUMP OF CHICKENの新譜でもない。

ペンギン
一羽のペンギンなんだよ。
我が町にはサクラの名所というよりも、春の季節になればサクラしか目に付かないという公園がある。
公園に向かう道路には珍しいほどの渋滞。
普段はどうやって生計を立てているのか分からない寂れた和菓子屋には団子を求める行列。
秋祭りよりも多くの出店が路地には並び、警備員の臨時アルバイト募集も春の新入大学生のコンパ費用の貴重な財源となる。
3月から4月
我が町はサクラによって春を知らされ、春に踊らされる。
残雪の気配はいつの間にか、底冷えの朝はなんとはなしに消えていく。

ああ、そうだ。
僕はサクラが苦手だった。
だから、僕は毎春毎春
家の縁側でぼんやりとした陽光を貪るように、怠惰に浴び続けていた。