こんにちは。大阪南船場のお節介税理士@野口たかしです。
いよいよ、このシリーズもラス前となってまいりました!
思い起こせば、最初に投稿したのが、令和3年8月31日。既に1年と3か月が経過してしまいました。のらりくらりとブログを更新してきましたが、できれば最後まで読んでいただけると幸いです。
さて、前回、e-Taxの利用割合を上げるため、税務署でも「作成コーナー」を使って電子申告ができるシステムを考案した私。
ただ、その当時(平成18年)は、インターネットの回線が遅く、オフライン版を利用して、送信するときだけ、ネットに繋ぐという方法を考えたわけです。
しかし、開発を担当する国税庁個人課税課では、そうではなく常時ネットに繋いで作動させる方法を提案。
そこで、どちらがスムーズに作動するか、実験を行うことに!
個人課税課が考えた方式も、理解できるのだが・・
なぜ、個人課税課は、常時接続による方式が良いと考えたのか。
それは、もしプログラムにバグがあった場合、常時接続方式であれば、メンテナンスが行え易いということ。庁のサーバーにあるWEB上のプログラムを修正するだけで良い。
一方、私の方式だと、オフライン版(パソコン1台1台にインストール)を活用するので、もしプログラムにバグがあった場合、修正プログラムをパソコン1台ずつインストールする必要があります。
しかし、前回のブログで申し上げたとおり、
・ LAN回線を敷設するには莫大な費用が掛かる
・ 出張相談会場では、ネット回線が無いので、使つことができない
ことから、ドコモの携帯回線(FOMA)を利用することとしたわけですが、当時の携帯回線のスピードが遅いため、常時接続方式では、うまく作動しないと推察。
また、全国には524の税務署があり、そこに複数台のパソコンを設置して一斉に利用した場合、国税庁のサーバーがパンクすることも懸念されました。
さて、どちらの方式に軍配が上がるか・・・。
H製作所の協力を得て、東京駅で大実験!?
当時、確定申告期、東京駅のコンコースで「還付申告センター」を開設していました。
利用者も多く、そこで電子申告が出来れば、広報効果も高い!
ということで、当時の開発担当であったH製作所の協力を得て、東京駅にパソコンを持ち込み、私の方式と、個人課税課の方式で、どちらがスムーズに作動するか、実験を行うこととなりました。

私は、その実験会場には参加しなかったのですが、実験後、個人課税課のM君から、結果を教えていただきました。
その結果は・・・、
ハイ、私の圧倒的勝利!
やはり、私が予想したとおり、携帯回線(FOMA)の回線スピードが128bps(0.1M)しかなく、「作成コーナー」の画面表示に時間が掛かって、使い物にならなかったとのこと。
ということで、私が考案した、「計算過程はオフライン+送信だけオンライン」方式で、システム開発することが決定しました。
名付けて、「来署型電子申告」
この実験をしたのが、確か平成18年11月ごろだったと思います。
なので、平成18年分の確定申告期には間に合わない。平成19年分(平成20年1月~)からのリリースになります。
1年先・・・。
でもしか、「5年間で、電子申告の普及率を50%にせよ!」という政府からのミッションに対して、ようやく道筋を付けることが出来たと思いました。もう私の役割は終わりかと・・。
そこで、国税庁の看板施策として、「税務署でも電子申告ができる!」という触れ込みで、政府に説明を行うこととしました。
一部の人からは、「単なる件数稼ぎではないか」、「納税者がパソコンを触ることができるのか」という声もありましたが、
・ 50%普及率を達成するには、これしかない!
・ 今後、インターネットや携帯(当時はスマホがなかった)の技術が進展すれば、誰でもパソコン等を触るようになる!
・ 税務署で電子申告を体験することで、翌年以降は自宅で電子申告する人が増える筈
という信念で関係者に説明し、このシステムの導入を認めていただけました!
また、もうこの頃は、タッチパネル⇒オフライン版への移行も済み、ほぼオフライン版による確定申告体制が出来上がっていましたので、来署型電子申告を導入しても、そんなに混乱は起きないだろうと思われました。
編集後記
この「来署型電子申告」は、国税庁の勤務を終え、大阪に戻ってからリリースされました。
国税庁では、「5年間で50%の利用率」が至上の命題で必死にやっていましたが、その「熱」は現場(国税局)にはダイレクトに伝わっていなかったようです。
なので、「なんで、電子申告みたいな面倒なことをせなアカンの?今のままでエエやん」といった意見が多数を占めていました。
ということで、次回は、私が大阪に戻ってからの奮戦記やエピソードを紹介したいと思います。
で、次回が最終回になる?乞うご期待!