こんにちは。大阪南船場のお節介税理士@野口たかしです。

 

 前回の更新が7月。ずーっと放たらかしにしていた「作成コーナー開発秘話」。

 それまでの間、「インボイス制度」をシリーズ化したブログの更新に精力を費やしていたので。というのは言い訳ですね・・・。すみません。

 いよいよ、このシリーズも終盤となってきまして、あと2~3回ぐらいで終わりかと。

 

 今回は、国税庁勤務ラスト1年、e-Tax(電子申告)の普及のために、私が考えた奇想天外な!?アイデアをお話しさせていただきたいと思います。

 

当時のe-Taxの普及率は0.3%(泣)

 前回のブログでも書いたのですが、私がe-Taxの担当補佐となった時、普及率は0.3%。それを5年間で50%にせよ!というのが、政府から国税庁に投げられたミッション。

 

 この普及率は、当時、所得税、法人税、法定調書、源泉所得税の徴収高計算書などを分母として算定されていました。

 特に、分母が大きいのが、所得税と徴収高計算書。

 所得税の申告件数は、2000万件以上!

 

 一方、法人税は、800万件ぐらい。税理士関与の割合も高く、税理士さんがe-Taxを利用してくれれば、利用割合は向上する可能性は高いわけです。

 逆に、所得税は、還付申告者が半分以上。しかも、税理士の関与割合も低い。

 要は、所得税の利用割合を増加させなければ、普及割合50%を達成することは絶対無理!

 さて、どうしたら、普及率を上げられるか、私は考えた・・。

 

税務署でe-Tax申告できるようにすれば件数を稼げる!

 所得税の確定申告期は、多くの方が税務署に来て申告をします。

 そのために、「確定申告書作成コーナー」を税務署でも利用できるようにするため、「オフライン版」を私は開発しました。

 開発から3年が経ち、随分利用者も増えてきました。

 

 そうだ、この「オフライン版」をネットワークに繋げて、電子申告できるようにすれば、e-Taxの利用件数は劇的に増加する!

 私は、「これしかない」と思いました。

 

 早速、企画書を作成して、庁の幹部に説明。

当時、幹部は、普及できるのであれば、どんなアイデアでも出してくれ!という感じでしたので、GOサインをいただきました。

 あとは、予算が付くかどうか・・・。

 

予算が付かない⁉ それなら、違う方法で!

 当時、まだまだネットワーク回線の使用料は高かった。

 しかも、セキュリティ上、WIFIは使うのはダメ!

 全国には524の税務署があり、そこにネットワーク回線を引くとなると、膨大な費用が掛かるから、そんなの無理!と、担当課(参事官)からの回答。。。

 しかし、それが実現できなければ、普及率50%は絶対達成できない。

 

 そこで、私は考えた。

 当時、ドコモから出ていたUSBスティック型の通信機というのがありました。
 WIFIと違って、ドコモ(FOMA)の回線を使うので、セキュリティの問題なし。

 これだと、署外の相談会場でも、電波さえ拾えば使える。

 しかも、有線だと敷設費用などが掛かりますが、USB通信機だと、その必要がなく、安く上が

ります。

 

 

 

 これだ、これしかない!!

 

でもしか、当時のUSB通信機のネットワーク速度は遅かった

 現在のスマホだと、2Mや3Mのスピードが出て当たり前。

 しかし、当時(2006年)は、ガラケーのドコモの「iモード」が主流。スピードも、128Kbps(0.1M)ぐらいしかスピードが出なかった。

 作成コーナーを動かすためには、最低でも1Mのスピードが必要

 

 さて、どうするか。。。

 そこで、またまた私のパソコン歴が役に立った。

 昔、インターネットが無かった時代、パソコン通信というものがありました。パソコンマニアしか使ってなかったと思いますが、モデムを電話回線に繋いで、掲示板などのフォーラムを読むことができました。

 回線の使用料のほかに、電話代が掛かるので、できるだけ、素早くフォーラムの記事等を読まないといけない。そのため、フリーソフト(WTARM。懐かしい・・。)の「自動巡回」機能を使って、ファーラムの記事をそっくりコピー。回線を切った後に、その記事を読むといったことをしていました。これだと、電話代が最小限に済むわけです。

 

 その経験を思い出し、

「計算過程はオフラインで稼働、e-Taxのデータ送信の時だけ、オンラインにする!」

ということを思いつきました。

 これだと、回線のスピードが遅くても、データ送信だけですから、「作成コーナー」でe-Taxが出来るようになると考えたわけです。

 私が開発した「オフライン版」に、e-Taxデータを送信する機能だけ追加すれば良わけで、開発費も極力抑えることができます。

 

 当時、個人課税課には、私と同じパソコンマニアのM君がいました。

 私のアイデアを話すと、「それはお面白いですね。さっそくプログラムを組んでみます」と言ってくれました。

 確か、もう翌日には、彼から「出来上がりました!あとは、USB通信機に実際に繋いでみて、送信できるかどうか試してみましょう」との回答をいただきました。

 

 これで万事解決!

 と思いきや、まだまだOKとはならず、東京駅で大実験⁉ それは、次回のブログで!