ハヌマーン | sinjukujamのブログ

ハヌマーン

【ハヌマーン】

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-MEMMBER-
山田亮一(Vo / Gt) / 大久保恵理(Ba) / 青木繁之(Dr)


interview

■:ハヌマーンdepOn初登場!と、言うことで、まずは結成の話から聞いていきたいな、と。
Vo&Gt山田亮一(以下:山):俺はこの作品のインタビューで結構この話したから、それを聞いたピクミン(青木)がどう解釈してるか、言ってみて!
Dr.青木繁之(以下:青):えええ!!…もう!多分ぐだぐだになるんで言ってください!!
一同:笑
山:まず僕が、高校を卒業しまして、パンクロックバンドを始めたんですが、で、その頃にステディな関係だった女性がいまして。そのステディだった女性もバンドをやっていまして。そのバンドのドラムが、大久保恵理この人で。
■:ドラムやってたん?
大久保恵理(以下:大):うん。
山:で、ドラムがなかなか上手くて。
大:そんなことはないですよ。
山:なんやけど、話してみたらほんまはベースやりたいんやけど、とにかくバンドがしたくてドラムがおらんかったからドラムやってるって言ってたのだけ何となく覚えてて。で、うちのベースが抜けたんですよ。その頃に僕とステディだった関係の女性のバンドも解散しまして。じゃあ丁度良いしうちでベースやりなよってなって、やるようになって。言うたらそれがハヌマーンの前身バンドですわ。その4人でしばらく活動するようになってんけど、まずギターが抜けた。じゃあ次のギター探すかって俺が言ったら、「お前が弾けや」と言われてしまって。ギター弾かなあかんようになって。
■:それまではギター弾かずに歌ってたん?
山:半々くらい。あんまり弾いてなかった。コード弾くくらい。で、そこから3ピースになったんです。そのときバンド名も変えて、「ハヌマーン」になったのが4、5年前です。
大:はい。
山:で、ドラマーが抜けて今の彼はメンバー募集で入ってきたので、まあ何の縁もゆかりもない…
■:ははは!(笑)
山:僕と大久保さんは、ある種、運命的な出会いをしたのに対し、まあ…インターネットで知り合ったって言う特に何も話すアレもない…。ねー。
青:ねー。出会い方としてはね。
山:で、今のメンバーになって1年くらいですかね。
大・青:(うなずく)
■:次はバンド名の由来を聞きたいです。
山:ハヌマーンの由来は、ちょっと難しくてですね。ハヌマーンって何かわかります?
■:調べました!
一同:おおー!
■:猿の、インドの神様ですよね。
山:そう、猿の英雄の。インドのラーマーヤナっていう、古典文学に出てくるんです。こっちで言ったら「古事記」とか、そういうの。ラーマを主軸にした、物語の中の猿族の英雄が、「ハヌマーン」なんです。言うても猿なんですけど、山を持ち上げたり、色んな妖術が使えるんですね。孫悟空のモデルと言われてるんですけど。猿族が全部、妖術を使える訳じゃなくて、ハヌマーンは猿族と風の神様の混血児やから妖術が使えるんですね。ラーマに気に入られて、活躍するっていう話なんですけど、僕はそれ読んだことないんですよね。僕がハヌマーンを知ったのは、タイで作られてるウルトラマンがあって。ハヌマーンってのはオリエンタルヒーローやから、ウルトラマンと共闘する仲間として出てきてて、僕は幼稚園くらいの頃にそれを見たんです。で、その風貌がめちゃめっちゃ怖くて。トラウマ的に覚えてたんですよ。ハヌマーンって名前も。でも時と共になんとなく忘れてたんですけど、バンド組もうかってなった時に、英語のバンド名か、漢字のバンド名やなっていうのがあって。漢字やったら“怒髪天”とか“藍坊主”とか。でも敢えてオリエンタルなのもいいかなって思って。僕は“ニルヴァーナ”とか“ブラフマン”とか、バンド名やったらかっこええなーって。オリエンタルなものを付けたいなって思ったときにふと“ハヌマーン”を思い出してつけたんです。アルバム聴きました?
■:はい。
山:10曲入ってるんですけど、まあ言うたら時期によってほんまに変わるんやってわかってもらえると思うんですけど。
■:うんうん。
山:自分たちのスタイルみたいなものを集約した言葉がまず見つからなかったし、バンドのパーソナリティって言うか、方向性みたいなものをバンド名に集約してる人らっているやないですか。例えば…「ファンク~~」とか、そういうのは無理やなと思って。僕らのチーム名として、つけたみたいな。ハヌマーンにした理由っていうのはそんなになくて。思いついたときにエリッサと、当時のドラムに聞いたら「いいんじゃない?」って感じだったので、その時から今までハヌマーンは解散しなかったから今もハヌマーンってだけって言うか。自分たちの思い入れとか方向性を込めたわけではないから、なんとなくつけたっていう感じなんですよね。特にないっす。
大:まあそういうことですよね。特にないって言う割にはめっちゃ喋ったけどな。
一同:笑
■:敢えて、そういうのを避けたかったんですよね。
山:そうそうそうそう。意味を持たせても飽きるなって思って。例えば「原爆オナニーズ」みたいなバンド名を付けて、めっちゃポップなことやりたくなったらどうしはるんやろう?って思うんですよ。そんな感じもありつつ。
■:結構よく聞かれるでしょう?yahooで、「ハヌマーン」って検索したら、猿族の方の「ハヌマーン」のウィキペディアが一番目に来て、これかあ~、でもなんで?ってめっちゃ気になってしまって。
山:ほんまになんでかなぁ?前のバンドがギター抜けたときに、解散しようかって。俺はバンド始めるけど、お前らどうするってなって。エリッサもその時のドラムもやるって言ってくれて、じゃあ3人で新しいバンドを始めようってなって、ハヌマーンにしようってなって、俺あの時、こういう意味でハヌマーンにしようとか何も言ってなかったよな?
大:ハヌマーンって何?って聞いたらそんなような説明はしてたけど。
山:だから良くない?って感じやってんな。
大:うん。
山:そうそう、ぶれてないって事ですわ。当時から。
■:なるほど。ではアルバムの話に行きたいんですけど、アルバム全体のコンセプトとか、前作と比べて意識したこととかありますか?
山:各々あると思うんですけど、僕は、前のCD作ったとき、何て言うか…クールなバンドになりたくて。人情とかも昔は歌ってなかったし、いわゆるポストロックみたいなバンドになりたくて、「そうなろう」って思って“デッセンクルー”を作ったんですよ。それに対して「音楽をつくろう」って思って出来たのが今回の“World's System Kitchen”なんですよ。なんかね、“デッセンクルー”は、自分から出てくる細胞とか言葉とかアイディアとかアイデンティティとかそういうのをまず出していって、自分の外側で作っていったっていうか、もっと言えば「こういう音楽を作ろう」って思ってつくったんですよ。でも今回はすごくナチュラルに作ったって言うか…もう俺にはこういう都会的なクールで無感情で殺伐としたロックバンドは出来んと思って。俺はもっといい歌を歌いたいと思ったし、誰かの明日の活力になる音楽がしたいと思ったし、もっと驕った言い方やけど、誰かの人生に寄り添えるような音楽をしたいと思ったんですね。例えば、一人で夜中歩いてるときに、口をついて出てくるような歌が歌いたいと思ったんです。昔はクールなロックがしたくて、かっこ悪いことはやめよう、ダサいことはやめようって思ってたんですけど、今回はそれを撤廃したんです。作る前に、エリッサにもピクミンにも「俺は今回、歌いたい歌を歌うし、それがダッサいもんになるかも知らんし、もう俺たちはポストロックみたいなシーンに入れてもらわれへんようになるかも知れへんけど、それでもいいか」って聞いたら、「やる」って言ってくれて。例えば“アナーキー・イン・ザ・1K”とか言うたらフォークソングじゃないですか。そんなんも楽しんでやってくれたし。ギターの音に関しても、“デッセンクルー”の時は音色とかすごいこだわってたし、わからんなりにやってたんですけど、今回はライブと同じ感じで、アンプも一回セッティングしたらそのままずっと弾いてて。なんて言うか、興味がなくなってしまったんですよね。かっこいいロックバンドであることに。俺はギタリストじゃなくてシンガーやなって。歌、別にうまくないけど。昔はギターボーカルってひとつの括りやと思っててんけど、俺はギター持ってるだけのシンガーやなって思って。今はいい歌を歌いたいと思っていて。だから今回、ソングライターとしてのエゴがめっちゃ出てると思います。今回の方が、これは山田亮一が作ったものですよ、ハヌマーンが作ったものですよって胸張って言えるんです。今回のは一発録りなんです。クリック無しでせーので録って。前回はクリック聞いて別録りやったりするんですけど。ここ直したいなってところが無い訳じゃないけど、一発で録ってもうてるから無理なもんは無理で。でもそれこそハヌマーンのCDって言えると思うんですよね。今回はそういう意味で、“World's System Kitchen”は、前回よりハヌマーンの作ったCDですって色が濃いと思うんですよね。だから受け入れられへん人には受け入れられへんと思うし。だっさいし。やけど、前回よりええ歌を歌えたなって自分が思うものが出来たと思う。
青:僕は、前作にはいないんですけど、前のドラムの人がうまい人やったから、出来るかなーって。半分以上、前のドラムが考えたフレーズとかやったんで、まあ自信はなかったんですけど。今回やるに当たって、がんばろうって。
一同:笑
青:あまり深いことは考えず、やれることをやった結果がこのCDやと思ってるので。
山:なんかスポーティーやな。
大:私はベースに関しては、後から気付いたんですけど、なんかシンプルになったな、と。結構前作は好き勝手やったんですけど、今回は歌に近付けたかな、と。うん。無駄がなくなったような気がします。一回り成長したような気がします。あと、コーラスを始めました。結構評判良いです。
■:私もコーラス好きです。私の話なんですけど、めっちゃ昔に大阪でハヌマーンのライブを見たことがあって。自分は上京して、JAMでPAがかけてるのを聴いて、「これ誰?」って聞いたら、ハヌマーンで。「あーうちハヌマーンって見たことあるわ!」ってなって。結構イメージが違ったんですよね。なんとなく覚えてる昔見たイメージと、ぱっとCDを聴いたイメージが違ってて。ライブを初めて見た時も「めっちゃかっこええ!」って思ったんですけど、でもCDを何回も聴いていくうちにもっとイメージが良くなって。ライブはすごいかっこいいから、ドン!と入ってきてテンション上がるんですけど、CDは何回も聴いて染み込んでくるというか。今回のCDもすごくその部分が強いと思うんですよね。
山:どーなんでしょう。狙ってるわけでもないんですけどね。ライブもCDも一発で伝わるようにっていつも思ってて、でもCDは2回目も聴いてもらわないといけないので、工夫とかもしてはいるんですけど。でもほんまに、“デッセンクルー”は作りもんやと思うんですよね。俺はそれをやりたかったから。もうあれは作りもんやねん。クリックで録って、音も重ねてってやってる時点で俺にとってはもう作りもんやねん。別に他の人がどうって言ってるんじゃなくて。ハヌマーンとしてはもうそれは作りもん。イミテーションやと思うわけ。イミテーションゴールドやと思うわけ。そうした方が音源の質は良くなるんやけど、今回の方が人間味があると思うねん。音にも、歌にも、言葉にも。作り物じゃないと。下手やし。下手さも出てるし。たぶん聴けば聴くほど、人付き合いみたいなもんで、良いとこも悪いとこも見えてくるんちゃうかなって。作りもんって良いとこしか見えへんやん。だからそういうものを作りたかったんかなー。。もう忘れた!どうですか前作と比べて。
■:これは私個人の感想なんですけど、前作をすごく聴いてたから、勢いのあるものを期待して聴いて、今回は前のより包み込む感じがあるから、「ああこう来たか!」って。良い意味で裏切られた感があって。最初はびっくりしたけど、回数重ねて聴いていくうちに「ああやっぱハヌマーンやな」って。
山:前作を気に入ってくれてた人に対しては、もう根底が違うから、そこがちょっと気がかりでもあったり。でも最初は驚いても、絶対気に入ってくれるって自信があったり。もうこれしか出来へんから、気に入ってもらえなくてもどうでもいいみたいな部分もあったり。前作を好きやった人に対して僕らが出来ることって、今作に全力で取り掛かることしかないから。満身創痍でやって。もうこの人(青木)とかめっちゃ太ってたもん。
一同:笑
青:太りましたね~
山:で、それを良いと思われても悪いと思われてもどうしようもなくて。俺たちは一生懸命やってるから。
■:うんうん。次に聞きたいことなんですけど、ハヌマーンって、曲もそうやけど、歌詞がすごく特徴的だと思うんです。歌詞について聞きたいな、と。
山:普通に、曲があっていい歌詞を見つけようって歌詞を考えるんで、書き方はまあ普通やと思うんですけど、、、僕たちは音楽家やから、文学家じゃない。音楽家としてしなきゃいけないことって、エリッサならベースを弾く、ピクミンならドラムを叩く、俺ならギター弾いて歌うことだけなんですよ。楽譜と唯一関係ないところが歌詞で。でも俺も自分の好きなバンドで“歌詞がめっちゃ好き”って言うのはあるんです、重要なのはわかってるけど、畑が違うと思っていて。だから俺としては、曲には理由付けがいると思っていて。ベースとギターがこう絡むからこの曲は良いとか、メロディーがこうあってリズムがこうだから良いって、音楽家やから言えなあかんと思うんですよ。でも僕は詩人でもないし文学家でもないから、歌詞は適当なんですよ。何でこんなこと書いたん?って聞かれる筋合いはないと思ってて。曲書いてるときはあーでもないこうでもないって考えるけど、歌詞書くときはもう趣味として書いてるんですよ。元々は小説家になりたくて。だから一番楽しんで作っている、、趣味ですね。一曲目の妖怪先輩とか完全に悪ノリで書いたし。ハヌマーン初のコミックソングなんですけど。あれは実話でもなんでもないし、なんであんな歌詞書いたんって言われる筋合いはないと思う。ハヌマーンみたいな音像のバンドっておると思うんですよね。で、ハヌマーンよりうまいバンドなんてよーさんおるし。俺はスーパーシンガーじゃないから俺より歌上手いやつなんてなんぼでもおると思うし。でも俺みたいな歌詞書けるやつは他にはおらんっていう自信はありますね。俺みたいなバカバカしいこと歌ってるやつは他にはおらんと思うし。誰もが深く考えへんところを考えてしまったりするタイプなので。
■:次の質問なんですけど、これからのハヌマーンはどうなっていきたいか、と。
山:演奏の精度を上げることと、ライブの精度を上げることと、いい曲を作ること、一人でも多くのお客さんに聴いて欲しいし、一枚でも多くのCDを売ることですね。それ以外は僕たちは出来ないですね。
大:巻き込む人をもっと増やしていきたい。
青:多くの人の目に触れたいですね。
山:つまらない答えかも知れないですけど、それ以外わからないですからね。
■:最後に一言、お願いします。
山:CD出てますので、CD屋さんで買ってください。
大:ハヌマーンは“World’s System Kitchen”レコ初ツアーと題しまして、8月17日から21日まで東京5日間連続でライブをします。一日目が池袋adm、二日目が代々木Zher the Zoo、三日目が下北沢basementbar、四日目が下北沢ERA、五日目の最終日が新宿JAMで行いますので見に来てください!