私の提供しているコーチングのイメージを共有させていただきます。
対話とは、一種の瞑想だと考えています。
人の心を落ち着け、内面に集中させるという点で、瞑想の本質と通じるものがあります。たとえば、感情や考えを紙に書き出して心を整理する「書く瞑想」という方法がありますが、私が提案する対話瞑想とは、これとは異なるアプローチです。
紙に書出す行為、心を整理するにはとても有効です。現代はほとんどの人が脳内が不要な情報で膨れあがっていっぱいいっぱいのような状態にあると思っています。(脳内おしゃべりが止まない雨のようです)
誤解してほしくないのは、友人との悩み相談や家族との日常会話がそのまま対話瞑想になるわけではないという点です。
悩み相談や日常会話には、つい相手に合わせたり、自分をよく見せようとしたりする無意識のフィルターがかかりやすく、深い自己探求にはつながりにくいからです。
私が提案する対話瞑想は、適切に訓練を受けたコーチとのセッションという特別な形式で行われるものです。
この場で重要なのは、コーチがクライアントの話を深く聴くことです。(音、響が重要です)
クライアントの鏡になり、クライアントの音を脳内で響かせ同調しながら傾聴(ECHO)する姿勢です。これによって、クライアントは自分の心の声に気づき、普段意識できないような深い気づきを得ることができます。
コーチは鏡に徹するのです。
鏡とは普段無意識なものを意識に上げる行為ともいえます。鏡を見ると今まで気にしていなかったのに、急に気になる部分が見えてきます。その気づかなかった部分に焦点をあて気づかせていくのがコーチの役割の一つです。だからコーチは鏡なのです。(コーチは鏡になりきることです。余分なことは必要ないのです。)何々した方がいいよや、どうするのみたいな質問などはコーチの自己満でしかないと思ってます。
対話瞑想では、クライアントの話をコーチが受け止める過程で、対話そのものが一種の瞑想的な空間を生み出します。
この空間では、クライアントが抱える混乱や思い込みが解きほぐされ、内面が整理されていきます。そして、表面的な問題だけでなく、自分でも気づいていなかった真の課題や望みに向き合うことができるようになります。
たとえば、自己犠牲的な傾向のある人は、無意識に「他人を優先することが自分の価値だ」と思い込んでいる場合があります。しかし、対話瞑想を通じて、「自分が本当に望むこと」に気づいたとき、その思い込みを解き放ち、新しい行動を選択できるようになったり。同様に、営業マンが「この提案は自分には無理だ」と考えていた場合も、対話の中でその制限を解消し「自分には価値ある提案ができる」と確信を持つことができるようになるなどが一つの例です。
対話瞑想では、クライアントの脳内の深い部分を整理することが、最初にして最も重要なプロセスです。この工程を省いてコーチングをしてもクライアントが本当に望むやりたいことや「現状の外のゴール」を見つけることは難しいと思います。
深い整理が進むことで、クライアントの心の中に覆いかぶさっていた「雲」が少しずつ晴れ、視界が開けていきます。
すると、自分の置かれている状況を客観的に見ることができるようになるだけでなく、本当にやりたいことや「現状の外」にある本当のゴールが自然と浮かび上がり見えてくるのです。
このプロセスは、まるで梅雨の時期の空模様に似ています。最初は灰色の雲に覆われ、太陽が全く見えない状態ですが、日が経つごとに雲が薄れ、やがて太陽が顔を出し始めます。それと同じように、心の中の曇りが晴れることで、ゴールへの道筋が明確に見えるようになるのです。
対話瞑想とは、コーチングセッションを通じて、単なる会話の域を超えた深い内面の探求を促し、クライアントが自分の本質に気づき、真の変化を引き出すためのプロセスです。それは、自己成長や目標達成に向けた土台を作るだけでなく、クライアント自身が持つ本来の可能性を解き放つ力を秘めています。