さて、山形のとある自動車教習所に到着した私を待ち受けていたのは、クルマとの格闘でした。
マニュアル車で免許を取ろう、と考えたはいいけれど、結局それが何なのか、知りもしないで乗り込んだので当たり前です……!
信じられないことでしたが、到着したその日に、クルマに乗って運転をします。
そんなの、できるわけがありませんので、エンストの連続です!
もう少し最初に説明があってから始まるんだとばかり思っていたのですが、問答無用です。
隣に座る教官の言っていることがわからない! ちょっとした屈辱を、まず味わいました。
それと同時に、着いたその日から3時間くらいの学科教習も始まりました。
教室で先生の授業を受け、映像を見て学ぶ形式です。
37年間、道路交通法を全く知らないで生きてきたので、知らないことばかりです。
例)
「人間というのは、モノを測ろうと思った時、必ず何かと比べないと測ることができないんです」
もちろん先生は車の運転について教えてくださっているのですが、説明の言葉がたまに人生にも芝居にも通じるものがあり、突然、深いことを言っているような気がします。
第三の目が開きそうです。
その日の夜、宿舎に着くと、もう合宿生活に随分慣れた様子の女の子から話しかけられました。
宿舎のこととか、お風呂のこととかを教えてもらい、心細さが少しだけ減りました。
なんだか久しぶりの学生生活です。