毎月9日はシアターキューブリックのメールマガジン・きゅ~め~るの配信日です!
メルマガの配信に合わせて、メンバーが同じお題のブログを更新します。
今月のお題は… 「宮沢賢治の処方箋」。
宮沢賢治さんの作品からひとつを選び、どんな時にそれ
『十二階のカムパネルラ』の稽古が始まっています。
2月のオーディションに参加してくださったたくさんの方の中から、
みなさん素敵な方ばかりでしたが、恐れながら選ばせていただいたので、
今回の出演者の大半がオーディション組です。
本当に真剣に取り組んでくださる方ばかりで、ありがたいことばかり。
こりゃあ、心に響く作品を作れると思います。
さて、今回の作品の中で大きな位置を占める宮沢賢治さんです。
作演出の緑川さんもとても好きな方ということで、
シアターキューブリックでは再演を重ねて3回も上演された『葡萄酒いろのミストラル』という作品も、
賢治さんにまつわるお話だったのが、なつかしいです。
わたしは高校生くらいの時からやっぱり宮沢賢治さんに親しんでいて、
なんていうか、思春期のどす黒い気分を、さらにどす黒くしてくれる素晴らしい作品を、
好んで読んでいたような気がします。
今でも、定期的にそういう時は訪れますが、「悩む状態にどっぷり浸りたい」んですよね。
人と話しても、友達がいても、幸せな中でもなんだか、満たされてない気がして、
周りががやがやしている時ほど、無性に自分は一人なんじゃないかなと思う時があります。
さみしいような、ええ、そう、とてもさみしくてたまらない、そんな気分になります。
辛いような、甘美なような、不思議な気持ちです。
夜の夜中、みんなが寝静まった頃に、どうしても寝たくない日があります。
しんと静まり返る空気の音をずっと聞いていたいような気がします。
自分はいつどうやって死ぬんだろうな。どんな気持ちで死ぬんだろう。
死ぬときはきっと、ひとりなんだろうな、とか、考えます。
そうやって悶々とする時間は、悪くありません。
それが自分の精神を作り上げてくれました。
これからも、いくら忙しくてもそういう時間を少しは持たないときっといけない。
だから、もしかしたらわたしはそういう時間を求めて旅に出るのかもしれません。
さて。
賢治さんの処方箋です。
まさにそんな気分の時に読んで欲しいのがこの詩。
小岩井農場パート九 です。
http://why.kenji.ne.jp/haruto/122koiw9.html
全編載せているページがあったのでリンクしてみました。
「小岩井農場」はものすごく長い詩で、分からない表現ももうものすごくたくさんあるのですが、
わたしはこのパート九の最後のところがとても大好きです。
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(抜粋)
もうけっしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云ったとこで
またさびしくなるのはきまってゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軋道をすすむ
ラリックス ラリックス いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり
わたくしはかっきりみちをまがる
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あまりに好きで何度もノートや紙に書き写しました。
好きな理由とか説明は特にありません。
これがわたしの「宮沢賢治の処方箋」かな。
『十二階のカムパネルラ』
どうぞお楽しみに。
【次回出演】
シアターキューブリック 『十二階のカムパネルラ』
11/21~25 @浅草九劇
[谷口扱い予約フォーム]
https://www.quartet-online.net/ticket/12kai?m=0efbejj