今月のお題「さあ来い! 劇場公演!」 | 谷口礼子オフィシャルブログ「じゃこのおもしろいこと」

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今月のお題は…「 さあ来い! 劇場公演! 」。

 

シアターキューブリックとしては2014年から約4年ぶりの劇場公演になります。

鉄道や銭湯や商店街、いろんなところを舞台にしてきましたが、

もともと、私がシアターキューブリックに関わった2008年の『誰ガタメノ剣』は劇場公演。

私がそれまでに立ったことのない、大きめの劇場での公演に、ワクワクして臨んだのを今も覚えています。

今回も、初めてシアターキューブリックに関わってくださるみなさんに、ワクワクしてもらい、

それを巻き込んでお客さんに届けられたらいいなと思っています。

 

実は昨日、シアターキューブリックと真逆のお芝居をひとつ観てきました。

今年お世話になったおぎさん(荻山博史さん)が出演していた「ラズカルズ」さんという団体の公演です。

サンモールスタジオ、という老舗の劇場で、セットが何もなく、照明も音響もないんです。

それは企画段階からそういう作品で、「セットも届かないし音響さんも照明さんも来ない」というメタフィクションだったんです。

それにしても、よくここまでやりきったというばかり、本当に何もなしの中、役者と芝居を見せてきました。

天井には照明機材がひとつも吊っておらず、照明は劇場の最低限のスイッチを「パチン」と音を立てて点けたり消したり。

音響は、ラジカセと、ギター。その中で、初日をなんとか開けようとみんなが四苦八苦するというストーリーなのですが、

当たり前ですけど場所がリアルすぎて、見ている方もちょっと途中から訳がわからなくなってきます。

さすがに、実はこの何もなさそうな空間に、最後は音楽が流れるように、見えないところにスピーカーが仕込まれているとか、

びっくりするような何かが起きるのかとちょっと勘ぐるのですが、見事にその期待を裏切り、最後まで何もありません。

 

いや~、役者をやっている身としてはドキドキを通り越して、ヒヤヒヤハラハラしました。

この作品を許容するサンモールスタジオはすごいと思いました。

そして、これ、アイデアとしては結構多くの人が思いつくと思いますが、

アイデアの羅列やネタ見せになってしまうのが普通だと思うのです。

出演者の芝居がほんとうに達者で、思わず騙されて「え?」となってしまう瞬間が続出する。

お客さんが「あ~これ、そういう設定ね」と合わせてくれるんではなくて、

「え?嘘?ほんとうに?」と思いながら作品と併走していく、、、役者としては、「すごいなあ」という感想でした。

作品としては結構問題作だと思いますけれど、初めて観た作品でした。

初めて演劇を見た人にはどこまでが本当か判断がつかないと思います。

 

ちょっと、ちょっとだけ、シアターキューブリックのローカル鉄道演劇を思い出しました。

どこまでが舞台なのか、油断できない感じです。

終わったと思うと終わってない。

こっちから出てくる人は役者、とか決まっていない。

それの究極を行くと、こうなのか、と思いました。

 

で、戻りますがシアターキューブリックの劇場公演です。

シアターキューブリックの劇場公演はたぶんその真逆で、

「演劇のいいところ」をできるだけわかりやすくまっすぐ見せると思います。

だから、初めての方にもお子さんにも(小学生以上なら入場できます)、安心してみていただけます。

 

私が、シアターキューブリックの演劇公演ってどんななの?って言われてお見せする一枚はこちら。

 

(写真:宮内敏行さん)

 

『誰ガタメノ剣』の高知公演の時の一枚です。

照明、音響、ダンス、全部あります。

「わあ~~~!」って、なっていただけます!

 

……でもね。

それって、役者の力じゃないんですよ。

舞台って、役者がちょっと変でも、照明と音響とダンスと舞台装置で、それなりに見せていただくことができるんです。

総合芸術なので。

そしてシアターキューブリックに関わってくださるスタッフさんは、プロ中のプロです。

間違いありません。

 

ですから、私が言えるのは本当にひとつ。

「役者の力をきちんと見せたい。」

派手な見た目に寄りかからず、中身を、本当にきちんとしたい。

この4年間、鉄道の中や銭湯や商店街で、あるものだけを使ってお客さんをお芝居に引き込めるようにと

特訓してきた成果を見せる時なんじゃないかとも思っています。

 

さあ来い!

 

 

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