『いま土方・前編』remake | 元祖!ジェイク鈴木回想録

元祖!ジェイク鈴木回想録

私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?


※若干好評につき初期の〝押入タイムマシン・シリーズ〟を復刻









 ところで昨日は、時間の歪みから我が家に突然やって来た土方 歳三さんと一緒に、CXの時代劇『大奥』を観た。TVドラマというものが〝芝居〟である事は、既に理解して戴けているようではある・・。

「どーっスかねえ?土方さん、大奥って本当にこんな感じなんですか?」
「こんな感じも何も・・、入った事がござらぬ故に、な。」

 それもそうだ。

「どころで、じぇいく殿。」
「は?」
「あの女将(:TV画面に映っている藤原 紀香さん)は?」
「5代将軍、綱吉公のご正室です。」
「こ!ご正室っ!?」
「・・・・。」
「では、あの女将(:同高岡 早紀さん)は?」
「物語では、綱吉公が新しく迎えられたご側室と。」
「ご側室?」
「ええ。」
「ふーむ・・。」
「それが何か?」
「否、綱吉公等、其(それがし)が知るところではないからのう・・。」
「尤もでしょう。綱吉公の治世は元禄・・、土方さんの幕末から190年近く遡る昔話ですからね。」
「それは解るが。」
「・・・・?」
「綱吉公がそれほど年増好みだったとはのう・・。」
「は?」
「うーむ・・。」
「演じられている藤原 紀香さんも高岡 早紀さんも、30代ですが。」
「充分に年増ではないか。」
「・・・・。」
「えーと、何だっけ・・?へいせい?」
「平成17年です、今は。」
「未来なんぞブスばっかしで、つまらんのう。」
「・・・・。」

 どうも美的感覚にズレがあるやうなので、以降は付き合わず、私は書斎に引き下がり、土方さんには1人でTVを観続けて戴くことにした。
 しばらくすると・・。

「じぇいく殿!じぇいく殿!」
「何スか?」
「未来にもいい女は居るもんよのう!ほれほれ! この女!」

 リヴィングを覗き込んでTVの画面を観てみると、そこにはトイレ・クイックルで便所掃除をしている千秋さんが映っていた。


※初稿:2005年11月20日