『愛と誠・平成編 〜花園実業高校同窓会〜』 | 元祖!ジェイク鈴木回想録

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 昭和48年3月に青葉台学園中等部を卒業した早乙女 愛は、留年や飛び級をしていなければ昭和32(:1957)年生まれか、昭和33(:1958)年の早生まれで、同学年には女優の木之内みどりさんや名取 裕子さん、漫画家の高橋 留美子さん、弁護士で第29代駐日米国大使のキャロライン・ケネディーさん等がいる。
 2014年現在、56~7歳。

 彼女はその後(:『愛と誠』本編終了後)花園実業高校を中退し、赤坂にある修道院に勤めて、その若き命を彼女の家(:早乙女コンツェルン)を救うために散らした、故大賀 誠の慰霊に人生を捧げていた。
 無論、独身である。

 ある日、花園実業高校時代の友人、座王(旧姓:高原)由紀から手紙が届く。

 由紀はその後、座王 権太と正式に結婚し、義父にあたる故座王 与平氏の跡を継いで、今では政財界の〝影の黒幕〟として君臨する一方、孤児院等への献金を怠らない篤志家でもある。

「早乙女 愛様
 その後、お変わりありませんか?
 お互いに学年は異なりますけど、同窓会と称して、久し振りに花園実業高校時代の仲間で集まって、昔話の花を咲かせたく思います。
 岩清水くんも権太も出席します。
 日時は○月×日17時、場所は新宿のすなっく〝ルイ〟です。
 近くまで来たら、わたしの携帯090-XXX-XXXXに電話してね。
 お会いできることを楽しみにしています。
 座王 由紀」

 愛は迷ったが、岩清水の出席に心が動く。

 青葉台学園時代から同級生で、秀才の誉れ高き石清水 弘はその後、医学部に進学して、予てから所望していた医学の道に進み、大学病院に勤務している。
 無論、早乙女 愛の身に何かあれば、いつでも力になれるように。

「早乙女 愛よ、岩清水 弘は、きみのために生きる」。

 彼もまた独身のまま、既に高齢化している両親を相変わらず泣かしたりしていたが、ある日、研究病棟で興味深い患者に出喰わす。
大量出血に依って、何と40年間も植物状態だった大賀 誠であり、その状態は医学博士、岩清水 弘の学術的な興味を大いに誘う。

 昼夜問わず、その研究に没頭した彼は大賀 誠の蘇生に成功する。
同窓会の開催告知は、大賀のリハビリテーションを開始した、その矢先だった。

 ○月×日17時、新宿のすなっく〝ルイ〟で花園実業高校の暫定的な同窓会が開催される。
 出席者は、

・座王 権太(配役:若乃花)
・座王 由紀(同:秋野 暢子)
・早乙女 愛(同:木之内みどり)
・岩清水 弘(同:ペ・ヨンジュン)
・花田 洋子(同:渡辺 真知子)
 他数名・・。

 何処にでもある同窓会のように、話題は高校時代の想い出から始まり、由紀と洋子は親の介護や年金、権太と岩清水は趣味の鉄道の話等にも及ぶものの、修道女として過ごしてきた愛は、もっぱら訊き役に廻るばかりだった。
岩清水は、とっておきの情報を誰よりも彼女に伝えたかったが、場の雰囲気がなかなかそうさせてくれない・・。

 そんな時、店のカウンターの電話が鳴り、たまたま傍らにいた愛が受話器を受けると、それはすなっく〝ルイ〟を含む新宿一帯の爆破予告だった。

「皆が楽しそうにパチンコをしているのに、それが出来ない辛さや悔しさが貴様等に解るか!?」

 声の主を、愛は砂土谷 峻と直感した。

 集まっているメンバーで、砂土谷が右手の親指を失っている事を知っているのは愛だけであり、また彼女は、花園実業高校時代に大賀 誠が山梨県の採石現場で入手したダイナマイトで、砂土谷が率いる緋桜団を脅していた事も憶えていた。

 しかし砂土谷の計画は、復活した由紀の投げナイフや権太の馬鹿力の餌食となって、またもや失敗に終わり、彼は再逮捕となる。
一方、仕掛けられていた時限爆弾は、岩清水の冷静で正確な判断と、リハビリが順調に進んでいた大賀 誠の天才的な自動車修理工の腕で、無事に解体されていた。

「早乙女くん、スペシャル・ゲストだ」。

 事件収束後、〝ルイ〟に大賀 誠(配役:もちろん!西城 秀樹)が現れる・・。


※文中(一部)敬称略