サウスポー2009 | 元祖!ジェイク鈴木回想録

元祖!ジェイク鈴木回想録

私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?

 
 今年(2009年)の正月に実家に一族全員が集まった際に、何の拍子でだか左利き自慢大会が始まった。
っちゅうても、当家の左利きは元々父親とぼくと妹だけで、母親と弟はまったくの右利き(:ただし母方の祖母は左利きだったっちゅう説もある。)なんだけど、ここに何と!新たな新入りが1名加わっていたのだ!

 それは、2005年に最新メンバーとして加わった弟のセガレがまだ産まれたばかりの頃に、何となくその兆候を見せ始めていたものの、何しろ弟は完全な右利き故に、すわ隔世遺伝か!?なんちゅう響めきがほんの一瞬だけ流れていた最中に、

「私が左利きなんです。」

 と、白状されたのがその弟の嫁で、何と!当家には現在4カップルが存在しているっちゅうのに、右利き同士のごくごくふつうのカップルが1組もいねー、っちゅうことが判明したのである。(笑)
 図(?)で示すと、こーゆーこっちゃ。

 父親(左)ー母親
 ぼく(左)ー細君
 義弟ー妹(左)・・長女、長男
 弟ー弟の嫁(左)・・長男(?)

 ね?(笑)

 つまり、現在判明している左利きは父親、ぼく、妹、弟の嫁の4人で、最新メンバーの弟のセガレは、現時点ではどーもそーではなさそうな気配を見せているらしい。
 また、妹夫婦にもふたりの子どもがあるが、ふたりとも元々右利きである。

 で・・、そんなふうに左利きが4人も集まって自慢大会になると、ぼくが在籍していた1990年代のPlayer CORPORATIONでもそうだったんだけど、〝私は何々が左〟なんか何の自慢にもならず、どっちかっちゅうと〝何々は右でもできる〟とか〝何々は右でできる〟になるんだから、おもしれーだろ?(笑)

 そーいう際に父親は、小学校教諭という元の職業柄、皆に喋れるだけ喋らせておいて、最後に一発どかーんと、とっておきを用意しておいて、まあだいたいは自沈するのが常なんだけど(笑)、今回ばかりは〝そりゃー凄いわ!〟と、一同の尊敬を集めたのが、

「おれは右でも左でも歯を磨けるよ。」

 ちなみにぼくはハブラシは右で、左ではまったく磨けない。
妹は左のみで、弟の嫁はどちらか忘れちゃったけど、何れにしてもどちらか片方だけだった。
 父曰く、

「こっち側(左側)を磨くときは右手・・、こっち側(右側)を磨くときは、ほら・・、こうして左手に持ち替えると、歯の裏側が磨きやすいんだぞ?
おまえらが子どもの頃からずうーっとこーやって磨いているんだけど、おまえら皆んな知らなかったのか?」

 知らねーよ!!!

 父親が歯を磨いている姿なんか、そうまじまじと観察し続けていられるもんじゃないし、観察できたとしても、鏡に映っている姿が混在する故に、右か?左か?どちらの手で磨いているのかなんて、判明し辛いっちゅうか印象に残りにくい。
 何たって、鏡の中では右利きのひとが左利きなんだからさ。

 だが、確かに右手で右上の奥歯の裏側(内側)を磨くのは至難の技である。
上手く磨けないから、ちゃんと磨こうとすればするほど時間がかかる。

「このほうが磨き易いのにさ・・、何で皆んな、そんなこねくり回すような磨きかたをするんだろう?って、おれはずっと不思議でしょーがなかったんだよ。」

 何云ってんだよ!?磨きかたは小学校で教わったんだぞ?
ハブラシの〝コンニチワ〟の握り方とか〝サヨウナラ〟の握り方とか・・。
同じ市内の小学校に勤めていたのに、いったい生徒にどー指導していたんだ!?

 しかし、何はともあれ、80近くにもなるのに相変わらず32本の歯が全部揃っている。

「おれは子どもの頃、おやつにニボシばっかしがりがり喰っていたからな。」

 ねこか?(笑)

 しかも虫歯どころかが治療痕さえ1本もなく、その現役時代などは、

「おれはいまの歯医者(:歯科医院)がどんなところなのか、まったく知らねーんだよ・・。
でも知らないと生徒たちとの会話に困るからさ、おまえら歯医者がいったいどんなところなのか教えてくれよ。」

 なんて、云っていたものだった。

 ただし、その父親も実は1度だけ歯医者に行ったことがあり、それは小学校低学年のとき(:昭和11年くらい?)に学校の廊下でだれかと正面衝突して下の前歯を折り、その1本だけを差し歯に代えたと、戦前の歯科医院の薄気味悪い話しを交えて、ぼくなんぞはガキの時分に何度も訊かされたことがある。
ちなみにその戦前の薄気味悪い歯科医は、ぼくが父親と同じ小学校に通っていた頃(昭和42年くらい)もまだ、学校の歯科校医だったんだけどね。(笑)

 ちなみに戦前製の父親は筆記や箸は右に矯正されているものの、ほかは全部左で、まったく矯正されていない妹と並ぶ重度の左利きであり、ぼくは筆記、楽器、マウス程度の軽度に過ぎナイ。


※文中敬称略