恥 | 元祖!ジェイク鈴木回想録

元祖!ジェイク鈴木回想録

私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?

 
 国道246号を渋谷から三軒茶屋のほうに向かって、くるまで走っていると、特に夜半から深夜にかけて、不特定多数のバイクの“すり抜け”に悩まされる

 半年くらい前の夜10時頃、その3車線あるうちのまん中の車線を標準的な速度であくまでも通常走行していたところ、いきなし右車線後方から、おれのハナ先を横切って左車線前方に入った“原付”がいた
何か迷惑をかけていた覚えはまったくないのに、いきなしそーいう態度に出られちゃあ、こっちも腹が立つわな?
かと云って不公平な道交法の手前上、まさかハネるわけにはいかないから急ブレーキをかけないわけにもいかねえ・・
まあ“首都高の荒法師”と云われたおれだからね(笑)、その程度ならあくまでも冷静沈着に対処したものの、後続していた東急の路線バスはたまったもんじゃない
何しろ2,200ccで1.5t.くらいしかないLEGACYと違って、制動距離(ブレーキをかけて完全に停止するまでの距離)が圧倒的に違うんだからねえ・・
その急停止のあまり、バスのフロントガラスの向こう側には、一斉に貼り付いている満員の乗客の手の平や頬っぺたがルームミラーごしにはっきし見えた
 願わくば、その中に善良な妊産婦とかがいなかったことを切に祈る

 そのふざけた原付は、池尻の交差点の古畑医院の角を急激に左折して行った
おれもそっちのほうの用事だったため、そいつからやや遅れて、また当然、横断歩行者等に注意しながらゆっくりと左折したところ、何と、その曲がりっパナで、やつがコケていやがる
 ざまーみろ!と気が晴れる思いだったよ、もちろん・・、おれって薄情かい?

 横断歩道を渡っている歩行者は、usagimania氏の1月18日のmixi日記ほどの数ではなくても、それでも渋谷と三軒茶屋の両方向へそれぞれ2~3名ずつくらいは常にいて、そのどなたもが無関心だったのは彼の日記とまったく同じ・・
むしろ、目の前で原付がコケているために横断歩道上で立ち往生している、おれに対する顰蹙の目のほうが強かった
 どけよ!邪魔だな!渡れないじゃないか!みたいな・・

 何で、おれがこんなメに合わなければならない!?

 コケていた原付は右半分のカウルだか何だかがすべてぐちゃぐちゃで、ハンドルも仮面ライダー2号の変身のポーズみたいな向きになっている
乗っていたそのバカの半キャップはどこかに吹っ飛び、懸命に抑えてもがいている右脚は変なほうを向いていて、既に脚としての機能が失われているのが目に見えてイル
繰り返し、ざまーみろ!と思ったのは云う迄もないけど、そのバカ、もっとも近くにいたおれに向かって、何て云ったと思う?

“助けて・・ 救急車を呼んで”

 おれはむしろ、このことを世も末だと思う
チーターの脚がもし遅かったら、例え相手がライオンどころかハイエナだったとしても、その圧倒的に劣る戦闘能力の低さから、もうとっくのむかしに絶滅していたはずであり、バカな人間なんて脚が遅いチーター、或いはハナが短いゾウみたいなもんだろう
(ハナが短いゾウなんか、ゾウじゃないぜ!笑)

 だったら、最初からバイクなんか乗るなよ!
乗るんならルールを守れよ! 他人の身の危険を考えろよ! 不快感を与えるなよ!
それでもやりたいなら、やればいいけど、ひとになんか頼るんじゃねえ!
 あたまわるいんじゃないか!?おまえ!

 おれもむかし単車で、停車していたタクシーに思い切り追突して、屋根の上の行燈を壊して飛び越えて、その前方に落ちたことがあるんだけど、そのとき、降りて来たタクシーの運転手に横っ腹を思い切り蹴飛ばされた上に、

“ふさけてんじゃねーぞ!てめえ”

 だぜ?
無理もねーよな、相手の仕事(=生活の糧/生存手段)の邪魔をしちゃったんだからね

 だから、おれもそのバカな原付に云ってやった

“邪魔だから、バイク、どけてくれる?”

 彼は涙をぼろぼろ流して泣いていた
泣きながら雨上がりの濡れた路面の上で、半分以上動かない身体を蛆虫みたいにくねくね 
くねらせながら、壊れたバイクをLEGACY1台くらいは通れるくらいの位置まで動かした
その間、横断歩道上には絶え間なくひとが行き来していたけど、やっぱし、どなたも無関心・・(まあ、usagimania氏の場合とは一部始終が全然違うんだけどね)
おれは数秒待たされたのち、無事にそこを通過して某デザイナー宅に往き着くことができたんだけど、あとで地図をよく観てみたら別にそこを通らなくて行けたよーな・・
 また、別にそれほど急いでる仕事でもなかったよーな(笑)

 救急車? 呼ぶわけないでしょ

 余談だけど、おれは真冬でもくるまの暖房をほとんど使わない
それはもし事故ったときに、暖かいよりも寒いほうが出血が少なくて済むからだ


※文中敬称略