本日も読み終えた1冊から。
旋律 ~君と出会えた奇跡~ / 望月麻衣
先日、高山まで急遽列車で出張することになったときに、その車中で読みました。(ちなみにこの日は雪の影響もあって2時間30分かかりまして…。小説をカバンに忍ばせておいて正解でした…笑)
望月麻衣さんの新作…ですが、元々は『京都寺町三条のホームズ』を始めとする一連の作品よりもずっと前に書かれたもので、望月さんにとっては原点とも言える作品なのだとか。
確かに舞台は望月作品のホームグランドともいえる京都ではないし、主人公の年齢や設定、一時期の“昼ドラ”を彷彿とさせる濃~い展開があるあたりにこそ、最近の作品とは異なる印象があるのですが、自分の身に起きた事象を肯定的に受け止め、前に進んでいこうとする姿勢は、今の作品群に通じるものがありますね…。
一番のお気に入りは物語の最後に、主人公と出会った高校生が、とある“感情”について話すシーン。とても切なく、でも、前向きなシーンに感動して、出張中の列車内にもかかわらず、あやうく涙腺崩壊しそうになりました…(苦笑)。
ちなみに僕は“昼ドラ”と表現しましたが、望月さんがこの作品を執筆したきっかけは、お友達からの「木10みたいな作品を書いて!」というリクエストだったそうです。
木10ドラマがどんな定義なのかわかりませんが(苦笑)、ドロドロがありつつも切ない恋愛小説で、でも前向きで優しい気持ちにさせてくれる…そんな素晴らしい作品でした。