当地・岐阜のここ数日の夜は読書に最適な気候(笑)。そんなワケでもう1冊、読了!
講談社まんが学術文庫『幸福について』
先月末に読んだ講談社まんが学術文庫『君主論』が読みやすかったので、同シリーズの他作品を読んでみようと物色していたところで見つけた1冊。タイトルと「孤独を愛しなさい!」というヒトコトに興味を持って手にした次第です。
「人間が幸福になることは難しい。しかし、出来る限り楽しく生きる術はある。」というショーペンハウアーの思想と彼の生涯を描いた漫画なのですが、その人生はまさに波乱万丈!
その厳しさに恐れを感じつつも敬愛する父親の死や奔放な生活を送る母親に振り回される壮絶な少年期をすごしつつも学位を取得しベルリン大学の講師に就任、自らの思想を世に広めんと野望に燃えアグレッシブに活動したものの世に受け入れられず挫折、長きにわたる隠匿生活を続け、60歳を過ぎてから出版した著書により、ようやく認められ絶大な支持を得る…。そんな生涯を知っただけでも勇気をもらえます(笑)。
本書の主旨はショーペンハウアーの“思想”を紹介することなので要所要所にその“思想”に関する記述が出てくるのですが、前述のとおりその人生の方がインパクトが強く(苦笑)、1回目に読み終えたときは“思想”そっちのけで「すごい人生を歩んだ人もいたもんだ…」というのが正直な感想だったので、その“思想”について落ち着いて読みこむために計3回り読むことにるのは予想外でしたが、スルメのごとく噛めば噛むほど味がでる感じで、いい刺激になりました。
波乱の人生をパワフルに描いた勢いのあるマンガからエネルギーを供給するもよし、じっくり読みこんで教訓を得るもよし…という1冊でした。