読了した1冊から。
望月麻衣さんの『京都寺町三条のホームズ』シリーズ最新・11巻。先日ブログで書いたとおり発売日に購入しているのですが、せっかくならイッキ読みしたいと、この休みまで我慢してました。
巻頭にある望月さんのコメントによると、昨年7月にリリースされた10巻で話がひと段落付いているものの、これまで駆け抜けるように話をすすめてきたため、今までに書きそびれたエピソードや掘り下げきれなかった部分も多々あるのだとか。そんな“語られざるエピソード”が中心になっています。そういえば、コナン・ドイルによる本家・ホームズ物語にも「語られざる事件」ってのが多々ありますね(笑)。もっとも、あちらは作者自身の手で完結させていませんが…。(そのおかげで、幾多のパスティーシュが生まれたわけですが…)
そのため新規のエピソードは控えめ。これまでに登場したエピソードがいくつか“再登場”するのですが、関与した別のキャラクターの目線で、そこに至るまでの経緯や心情などを描いたり、当時はさらっと表現されていたシーンやセリフの裏に込められた思いを、より丁寧に掘り下げたりしてあるため、その対象となったエピソードやキャラクターはもちろんのこと、『京都寺町三条のホームズ』という物語全体の大きな流れにも、より深みが加わったような印象を持ちました。
思いもよらなかったコンビの成立も期待できそうな、次の物語も楽しみです。
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あの頃の想いと優しい夏休み-京都寺町三条のホームズ(11) (双葉文庫)
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