読了した1冊から。
住野よるさんの『君の膵臓をたべたい』。
以前、有能な後輩H君が『青くて痛くて脆い』を貸してくれたのですが、これをいたく気に入った旨を話したところ、貸してくれたのが、この大ベストセラー作品。
発売当時、書店でも大きく取り上げられていましたし、その後「オーディオドラマ」「漫画」「実写映画」「アニメ映画」と怒涛のメディアミックスが続いているので、いかな流行を無視する僕でも(笑)、流石にその“存在”も“あらすじ”も知っていました。
で、3年のときを経て、ようやく手にしたわけですが…。
「そりゃ、この完成度なら売れるわ…。映画化もしたくなるわ…。」
というのが、読了後の素直な感想。表現がかなり下衆いですが(笑)。
小説として純粋に…、凄かった。話の展開はもちろん、文章の技法も含めて、これほどの衝撃を受けたのは久しぶり!
特に中盤以降は、本から目を離す時間が惜しくなり、久々に翌日のアタマとカラダに影響が出るような“夜更かし”をしてしまいました(こういうとき、歳とったなぁ…とつくづく思います)。
表現の技法で個人的に気に入ったは、主人公の“呼称”の使い方。終盤ギリギリまで“名前”ではなく、相手目線の“印象”で呼ばれているのですが、この“呼称”により相手と主人公の関係性や距離感・印象の変化も直感的にわかる…という、この手法は少なくとも僕がこれまで読んできた小説にはなく、とても斬新かつ効果的に感じました。(ところでこの技法、映像作品ではどう取り扱うんだろう…?)
う~む。ますます他の作品も読みたくなってしまった…。
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君の膵臓をたべたい (双葉文庫)
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