読み終えた1冊から。
ジャーナリスト池上彰さんの『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』。
初詣や京都旅行で神社仏閣を回るときに僕がよく使うフレーズに「特段の信仰はない」というものがあるのですが、永きに渡り人類のそばにある「教え」ですから、それらを知ることは自分の人生にとって何がしか得るものがあると思っているので、全く興味がない…というワケではありません。
それに「教え」以外の側面…例えば、宗教が生まれた背景だったり、歴史上果たしてきた(果たしている)役割や影響…は昔から気になっていたことの1つ。様々な宗教を横断し、かつ「教え」「背景」「歴史」「影響」などを多角的横断的に書いている本があれば購入しよう…と思っていたところで見つけたのが、この本でした。
いわゆる三大宗教や神道など、様々な宗教の賢人と池上さんとの対談集ですが、選挙特番で見せる「池上無双」ほどの迫力ではないものの(笑)、それぞれの宗教についてフラットな目線で、一般の人が興味を持ちそうなことから、普通なら聞きにくいだろうな…ということまで聞き出しておられ、とても読み応えがありました。
「宗教がわかれば…」というタイトルの本ですが、個人的に一番面白かったのは、養老孟司さんとの対談。解剖学を生業とされている方なので死に対する考え方が現実的。宗教家のような悟りの境地に達してる感じで、言葉のひとつひとつに凄みがあって、引き込まれました。
宗教というテーマは、それこそ本気になったら各宗教で本1冊分使い切っても語りつくせない…と思いますが、これだけコンパクトにわかりやすく、でも関心が高そうな部分はしっかりフォローして…としっかりカタチにして収める池上さんの手腕は、やはりスゴいです。
宗教だけじゃなく、物事を追求する力や編集する力についても勉強させられる1冊でした。
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池上彰の宗教がわかれば世界が見える
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