消えた老女の謎 | jakeのブログ 

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夫・父親・会社員・社労士有資格者・アマチュアミュージシャン・・・

いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

これは昨年末、バスで移動したときに体験した実話です。とあるバスに間違いなく乗っているはずだった人の姿が、その車内になかったら…。

 

 

 

その日は楽器店時代の上司であり、人生&音楽の師でもあるHさんが主催する忘年会の日でした。

 

会場まで向かう手段は路線バスで、自宅から最寄のAバス停までは徒歩で移動します。

 

背中には我が愛機“PEVEY Clopper Classic”を背負い、手には差し入れの“ワイン”。耳には購入したばかりの“Walkman”。そんな姿で最寄のAバス停に向かうべく自宅を出たのは17時05分のこと。

 

僕が乗る予定のバスがAバス停に到着するのは17時20分。

 

利用者が少ない路線なのでこれが“最終バス”。乗り遅れるわけにはいかないので、Aバス停までの所要時間を余裕を持って10分と見積もって出かけたのですが、実際のところは5分もかからずに到着してしまいました。

 

12月末の夕方の寒空の下、吹きッさらしのバス停に10分近く立ちっぱなしで待つのは、なかなかにしんどい。

 

 

「次のバス停まで、時間つぶしがてら歩くのもアリかな…」

 

そんなことを考えていたときに、Aバス停にやってきたのは洒落た服をお召しになった人当たりのよい感じの老女。まったくの初対面なのですが、「こんばんわ。」と僕に声をかけてくれました。

 

「あ、どうも。こんばんわ。今日は寒いですね~。風も強いですし。」

 

「ほんと寒いね~。私、いつも利用してるけど、この時間のバスは、いつも遅れるのよ~。」

 

「え?そんなに頻繁に遅れるんですか?」

 

「いつもそうよ。それでね、バスを待ってる間、寒いでしょ。今日は風も強いし」

 

「そうですね。」

 

「だから私、いつもここで待ってるのよ。」

 

と、老女が指差したのはバス停に併設された電話ボックス。

 

「あぁ、ここなら風がしのげますもんねぇ。」

 

「そうなの。だから、私はいつもここで待ってるのよ。」

 

「そうなんですか。僕は時間つぶしと運動がてら次のバス停まで歩こうかなぁ~なんてことを思っていたところだったんですよ。」

 

「そうねぇ…。外で待ってると寒いしね。でも、次のバス停まで距離があるから時間に気をつけてね。」

 

「ありがとうございます。では、また。」

 

そんな会話をして老女と別れ、僕は次のBバス停に向かいました。

 

 

 

「距離がある…」と言われたもらったものの、実際にBバス停までの移動に要した時間は5分もかからない程度。『結局、たいして時間つぶしにならなかったなぁ…。でも、じっとしてるよりはマシだったか…』と思いながら待つこと数分。

 

Bバス停にあった時刻表によると、バスの到着時間は17時21分となっていたのですが、定刻になってもバスの姿は見えない。『さきほどの老女が教えてくれたとおり、バスは遅れてくるらしいなぁ…。さすが常連さんはよく知ってるわぁ…』などと思いつつ、さらに待つこと数分。

 

 

僕の腕時計が17時29分を指し示した頃、ようやくバスが到着。

 

『いやぁ~、教えていただいたとおり遅れましたねぇ…。』

 

『そうでしょ~。いつもそうなのよ』

 

先ほどの老女と、そんな会話を交わすことになるんだろうなぁ…などと、思いながら乗車しました。

 

 

ところがバスの中には、その老女の姿が…

 

 

 

ない。

 

 

バスの中には先客が二人いたのですが、いずれも若い男性。いかに老眼が進行している僕の目でも、若い男性と老女を見間違えることはありません。

 

それに、僕が乗ったバスは最初に書いたとおりmこの路線の“最終バス”。“次のバス”に乗るなんてことは在り得ないのです。

 

あの老女は、いったい…?

 

目的地に到着するまで、僕の頭の中から『?』が消えることはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

あの老女は…

 

①何らかの事情で、そのバスに乗るのをやめた。

ありがち。でも、あれ、余所行きっぽい格好だったけどなぁ…。

 

②運転手に「電話ボックスの利用者だ」と思われバスが停車せず乗れなかった。

ありがちだし確率的には一番高い。でも「あたし常連です!」感満載だったあの老女が、バスを見逃して電話ボックスから出なかった…なんてあるのか?

 

③バス停は待ち合わせに利用していただけでバスに乗る予定はなかった。

これも、ありがち。「通りのバス停まで出て待ってるから、迎えにきてね」なんて感じか。バス停なら自家用車も停車できるし(法令上はNGだけど)。

 

④電話ボックスを使いたかった。

彼女が携帯電話を持っていたかは不明。そこに電話ボックスがある以上、利用者だっているはずだ。

 

⑤電話ボックスで若い男性に変装した。

そんな、バカな…(笑)。いくら私が老眼だからって…ねぇ…。事実だったらスゴイ!

 

⑥あの老女は、バスに乗っていた若い男性の変装だった。

そんな、バカな…(笑)。いくら私が老眼だからって…ねぇ…。事実だったらスゴイ!

 

⑦電話ボックスから異次元に消えた。

“B級SF”だ…(笑)。事実だったら、ものすごく怖いけど。

 

⑧実は僕が会話した老女は…数年前にあの場所で…

“B級ホラー”だ…(笑)。事実だったら、ものすごく怖いけど。

 

 

 

…いくらでも妄想できますね(笑)。