ローリー・R.キング作の“シャーロック・ホームズの愛弟子”シリーズ第6弾『公爵家の相続人』。
読了までに2ヶ月近くかかった(^^;)前作『エルサレムへの道』に対し、出張の移動や送迎の待ち時間など、まとめて読む時間を確保できた面もありますが、前作を読み終えた直後で、その文体に慣れていたこともあってか、今作は1週間かかならいペースで読破できました(時間がかかったから、あるいはかからなかったからどう…というものでもありませんが)。
前作で登場した登場人物達の意外な正体と、その正体ゆえの苦悩を解決すべくホームズ夫妻が(もっとも、このシリーズの主役はホームズの愛弟子(パートナー・妻)である“メアリー”ですが)の活躍がスリリングで面白い本作ですが、時代設定が第一次世界大戦直後で、物語の伏線となる事件 ― 戦争の最前線で起きた、ある若者の悲劇 ― を通して、戦争の狂気や混乱、理不尽さも表現しており、その題材ゆえに全体的に重苦しい雰囲気が漂うものの、僕の中では一連の「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズの中でも、特に忘れることができない作品になりました。
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