これは今から20年以上に、エリック・クラプトンに“ぞっこん”だった高校生の僕が購入したバンド・スコアで、前回のブログのエンディングで書いた『誤解を助長してくれた』ものです。
当時“ベスト”というタイトルを冠したクラプトンのバンド・スコアが2~3種類あって、どれを買うべきかずいぶん迷ったのですが、その中で表紙が一番格好良かったのと(^^;)、“LAYLA”はもちろんのこと、クリーム時代の代表曲“Sunshine Of Your Love”や前回のブログで触れた『TIME PIECES』というベスト盤に収録されていた楽曲達(“Cocaine” “Wonderful Tonight”など)、更にはその当時の最新作だった『ジャーニーマン』に収録されていた“Bad Love”まで収録されていたことが決め手になって、このバンド・スコアを選びました。
「これで、あの“LAYLA”のギター・ソロの秘密が分かるゾっ!」てなわけで、さっそく見てみたのですが、ソロの出だしに 『 With bottleneck 』 という指示が書かれていました。
でも、『 With bottleneck 』 なんてのは今まで見たことがない指示で「何ですか?この『 With bottleneck 』って…?」ってな疑問を当時通っていたギター教室の先生に投げかけて教えてもらい、あのソロで聴ける滑らかな音程の変化は“スライド(ボトルネック)奏法”によるもので、その奏法には“スライド・バー(ボトルネック)”という道具が必要なのだ…ということを知りました。
話題を本題の『誤解』に関するものに戻しますと、このスコアには先ほどの『 With bottleneck 』 という指示のほかにも、押弦ポジション『1弦29フレット』という、今までに見たことがない『数値』がTAB譜に書かれていました。(ちなみに最後の方に最高音で『1弦32フレット』というのが出てきます)
これを見て「あ、やっぱり世の中には僕がもってるのより長いネックのギター(=フレット数が多い)ってのがあるんだな…」と(^^;)。
当時僕が所有していたギター(ストラト)は『21フレット』だったのですが、僕の友人が持っていたギターは『24フレット』あったし、当時リリースされたヤマハのMGシリーズ(有名どころではB’zの松本さん -当時はまだTMネットワークのサポート・ギタリストでしたが- や 爆風スランプのパッパラー河合さんなどが使用していました)には、1・2弦部のみながら『26フレット』を有するモデル(パッパラー河合さんのシグネイチャー・モデルなど)を見たことがあったことからギターの種類によってフレットも異なることを認識していたので、「『29フレット』とか『32フレット』あるギターなんてのも、普通に存在するのだろう…」と、何の違和を感じることなく納得(勘違い)したワケです(※)。
※実際のところ機種等は限定されるものの32フレット(又はそれ以上)あるギターというものは存在するので、厳密に言えば“勘違い”していないことになりますが。
そんなわけで、“スライド(ボトルネック)奏法”という存在は理解したものの、
「楽譜にああやって明確に書いてある以上、“ボトルネック”を買っても32フレットあるギターを入手しないとあのソロは弾けないッ!」
と完全に誤解し(^^;)、“ボトルネック”を使用せずに1オクターブ下の音を、通常のスライド(弦を押さえた指を弦上で滑らせて音をつなげるテクニック)で弾く…なんて方法で、あのソロをコピーしていました。
そんな大いなる『誤解』が解けたのは、それから半年以上経過してからのこと。
大学に入学してから高校時代の同級生とバンドを組んだのですが、そのときのメンバーのひとりが、“ブルース”にどっぷりとハマったことから僕よりも先に“スライド奏法”を自身の演奏に取り入れるようになり、「知ってる?“スライド奏法”ってさ、ネックから飛び出しても音が出るんだぜいッ!」なんて感じで、これ見よがしに(^^;)実演して見せてくれたんですね。
そんな彼の演奏する姿を見て、驚くとするとともに、あの譜面に書かれていた『1弦29フレット』ってのは、フレットそのものではなく、『29フレットに相当するポジション』に“スライド・バー”を持っていきなさいという指示だったことを、ようやく知りました。
…はい。
ご推察のとおりです。
僕が初めて“スライド・バー”を購入したのは、その直後でした(^^;)。
(え!まだ続くんだ…^^;)