締め切り(有って無いようなものですが…^^;)から遅れること4日。ようやく読了しました。
1940年代にアメリカで放送されていたホームズのラジオ・ドラマ(パスティーシュ)をノベライズした『シャーロック・ホームズの失われた事件簿』という作品です。
ノベライズの元となったラジオ・ドラマに出演していたのはベイジル・ラズボーン(ホームズ)とナイジェル・ブルース(ワトソン)。1939年から1946年の間に制作された、このコンビによるホームズ物語の映画は大人気で、彼らによって作られたホームズ&ワトソンのキャラクター性や関係性は、後の映像作品やパスティーシュ作品にも多大な影響を与えています。
“当たり役”二人が出演していたのですから、このラジオ・ドラマも爆発的な人気を誇っていたそうで、このノベライズを担当したケン・グリーンウォルド氏自身も、幼少期にこのラジオドラマに聴き入って、胸をときめかせていた一人だったそうです。
そんな背景をもつこのパスティーシュ作品は、ドイル作品に出てきた「語られざる事件」をタイトルに冠したもの、ホームズの最強にして最凶のライバル・モリアーティー教授との初期の戦いを描いたもの、“あの女性”の娘が出てくるもの…とバラエティに富んでおり、加えて元々がラジオドラマであるためかストーリー展開もスムーズで、かつエンターテイメント性もあって、非常に楽しい作品ばかり!
本書に収録されているのはセレクトされた13編ということは、これ以外にもたくさんの物語が存在するということ。(かつてアメリカ本国ではラジオ放送をオーディオ化した商品もリリースされたそうです)。
この他の作品も、ぜひノベライズしてほしいッ!
- シャーロック・ホームズの失われた事件簿/ケン グリーンウォルド
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