ガイ・アダムス:著によるパスティーシュ作品『シャーロック・ホームズ神の息吹殺人事件』。
サブタイトルが“神の息吹”…だからというワケでもないのですが、奇しくも本書を読んだのは台風19号が日本を縦断したあの日。どこかに出かけられる状況でもなかったので、終日読書に没頭できました。(読了からブログ化まで、ずいぶん空いてしまいましたが…^^;)
著作紹介によると作者のガイ・アダムスはシャーロック・ホームズ研究の第一人者とのこと。そんな彼の手がけた著作としてリストアップされている書籍を見たら…以前購入した本も。あ、あの人なのねって感じです。
舞台は新世紀幕開け直前のロンドンなので、コナン・ドイルと同じ設定で描いたパスティーシュということになります。
あらすじはアマゾンのリンクにいけば、いくらでも読めるので省略するとして、個人的にはドイルと同じ設定で書かれた点や、ハラハラ・ドキドキ感は非常に好印象(^^)。
一方で、ドイル以外の作品のキャラクターを使用した部分や(好みの問題ですが)、やたらと場転が多い点では、ちょっと物語に入り込みきれなかった感じもありました。
そんなプラス・マイナス両方の印象はもちましたが、ホームズらしい“ふり幅の広さ” ― 頭脳明晰さや慇懃無礼さ(^^;)、クールさ、旺盛な好奇心、紳士なんだけど子どもっぽい等々…― が見事に表現され、物語の最初から最後まで一貫しているところがなんとも小気味よくて、読後に「このホームズも、格好よかったなぁ…」と思える、素敵なパスティーシュ作品でした。
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