原書房から出版されている「ミステリ・ハンドブック シャーロック・ホームズ」。
巻末にあるデータによると、元々は2000年に刊行された本で、これに加筆・訂正等をして2010年に新装版としてリリースしたものが本書になるようです。
ミステリ・ハンドブックという名にふさわしい1冊で、ドイルの聖典に関することはもちろんのこと、物語の世界観をより楽しみ理解するための情報(当時の生活・文化・風俗・社会情勢など)に、ドイル聖典から派生したパロディーやパスティーシュに関する情報…と、ホームズの世界を楽しむため充実したガイドブックといった感じです。
ガイドブックとしての充実度も素晴らしかったのですが、個人的に特に興味深かったのが監訳した日暮雅通さんによる“ホームズ物語の日本語訳”に関する文章。ホームズ物語を翻訳している方だからこそ!の視点と説得力、なによりホームズ物語への愛情を感じる文章で、「日暮さん訳によるホームズ物語、全部読んでみたいかも…」な~んて、非常に恐ろしいことを思ってしまいました(^^;)。
毎回こういう本を読むたびに思うことですが、世紀を超えてなお、世界中の人々をワクワクさせる力があって、こういうガイド本が出版され続けるって、ホント凄いことだよなぁ…。
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