「残業代0制度を考える①」で、
自分が経営サイドになったときに、“結果の良し・悪しに関わらず”「労基法令順守すべし!」なんてやれるか…?となると、正直なところ全然自信が、ない(^^;)
と書いたのですが、「何故に自信がない」のかをもう少し掘り下げるべく、ちょっとした事例を考えてみました。
ここに『年齢が同じで経歴(職歴)も同じ、給料も同じ』という社員が2人、仮にAさん・Bさんとしましょう。
彼らの所定労働時間は、朝9時~夕方6時までで、そのうち1時間は休憩。したがっていわゆる1日の所定労働時間は8時間という、労基法の教科書のような(^^;)もの。
彼らには1日に「100」という仕事をしてもらいます。
お2人とも勤務態度はきわめて真面目。仕上がった「100」のクオリティーも同じなのですが…
1つだけ大きな違いが。
Aさんは、「100」の仕事を8時間で終える。
それに対して
Bさんは、「100」の仕事を10時間で終える。
会社としては1日に「100」というのはどうしてもこなしてほしい。Bさんには2時間の残業を命じて「100」をやってもらいます。
さて。
社員としての彼らの能力を評価する立場になったとき、どちらの能力を評価しますか…?
ちなみに、ここではAさんやBさんの人柄とか協調性、積極性といった“評価者の思いや考えでいかようにでも評価できる要素”は、考慮しないことにします(これについては別途)。
それから、「AさんがBさんを手伝えばいい!それをしないAさんはケチだ!」というのも、なし。
あと、「それだけ差があるのに、何の対策もしない彼ら2人の上司が悪い!」とか「Bさんが10時間かかったのはCさんをフォローしていたからで、これだけの条件で一概に評価はできない!」といった、今までの話に登場していない人物を絡めるのも、なし(^^;)。
そういう不確定な推理・推論は抜きにして、単純に
『「100」という仕事をこなすのに8時間で終わらせるAさんと、10時間で終わらせるBさん』
を比較しなければならないシチュエーションです。
僕なら、
『同じ結果を生み出すにあたって、より短い時間でやった人の方が効率よくやっている』
という理由で、Aさんを評価します。
おそらく、この場合、多くの方がAさんを評価すると思うのですが…。