映像モノに続いて今度は、ホームズ本。
昨年末に古本屋で見つけたものです。
原書房 から出版されている日暮雅通 ・訳によるホームズのパスティーシュ書き下ろしアンソロジー集、「シャーロック・ホームズ アメリカの冒険」。
原書房からは日暮雅通さん訳によるパスティーシュ書き下ろしアンソロジー集が何冊が出版されているのですが、今作の特徴はホームズの活躍の舞台を「アメリカ」においていること(書き下ろし執筆時の条件だったそうです)。
ホームズ物語には、実際にアメリカ人(又はアメリカ出身者)も多く登場するし、事件のバックボーンになった出来事がアメリカでの話だった…という設定の話があったり、何よりホームズ自身がアメリカという国に興味と期待を抱いていたので、「アメリカを舞台にホームズが活躍する」という設定は、「なるほど、そうきましたか!」なんて感じです。
14本のパスティーシュと2本の論文、ドイルのアメリカでのスピーチが収められたこの本の中で、一番印象に残っている作品は「7つのクルミ」。我がささやかなブログでもネタバレすると申し訳ないので、詳細は書きませんが、ホームズのパスティーシュでありながら、ホームズ自身は登場しない…というパターンの作品なのですが、シリアスな要素とコメディーチックな要素のバランス感が絶妙!読んでてワクワクしてくる楽しい作品でした。
その他にも、ドイルの聖典に出てきた設定・人物を取り入れた作品、「語られざる事件」に取り組んだ作品、アメリカの歴史をバックボーンにした作品(その方面の知識に疎いため、少し読み辛く感じてしまいましたが…^^;)、完全オリジナルで突っ走る作品…と、非常にバラエティー豊かな、面白い作品集でした。
シャーロック・ホームズアメリカの冒険/ローレン・D. エスルマン
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