「『銀河鉄道の夜』の旅 舞台は夏の天の川 2」 by ピッピ
宮澤賢治のお話。銀河鉄道の旅1 の続きです。
前回、さそり座までいきました。
場所にもよりますが、日本から見えるのはだいたいさそり座あたりまででしょう。
ここから先は、日本からは見えない空へとはいっていきます。
ケンタウルス座にある、ケンタウルの村。
ここではちょうど、ケンタウル祭の日にあたります。
このケンタウルス座のアルファ星は、太陽系からもっとも近い恒星として知られています。
その距離、約4光年。
光のスピードで4年かかるわけですが、銀河鉄道はどのくらいの時間で行ったんでしょうね。
いよいよ、銀河鉄道はみなみじゅうじ座に到着します。
あらゆる光でちりばめられた十字架が立ち、その上には青白い雲が後光のようにかかるのでした。
ここで、ジョバンニとカムパネルラ以外の乗客は、すべて降りてしまいます。
南十字を光り輝く十字架にみたてて、そこへ降りていく人々。
いわんとすることは、わかりますよね。
天に召される人々です。
最後まで残った二人。
みなみじゅうじ座の近くにある、石炭袋と呼ばれる暗い穴のそばを通ります。
天の川を背景に、肉眼でも確認できる暗黒星雲。
光り輝く天の川の中にできた、しみのような暗い部分。
石炭袋、またはコールサックとも呼ばれます。
ここで、今まで一緒だった友人、カムパネルラはいきなりいなくなってしまいます。
ジョバンニが真っ暗につつまれて目覚めると、そこはもといた丘の上でした。
そして、カムパネルラが別の友人を助けるために、川で亡くなったことを知るのです。
空想の世界と実際の星空が融合し、そこで自己犠牲やほんとうのさいわいが問われる「銀河鉄道の夜」。
「ほんとうのさいわい」とは何か。
本物の星をたどりながら、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
