*アズナブール Charles Aznavour(6)* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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アズナブール

11.Mourir d'Aimer 愛のために死す

12.Et Pourtant 想い出の瞳






11.Mourir d'Aimer 愛のために死す

アズナブール

この曲は1971年の同名のフランス映画の主題歌として、アズナヴールが歌ったもの。
日本でも布施明ちあきなおみがカヴァーしている。


映画のあらすじ

ルーアンのある高校の新任数師ダニエル(アニー・ジラルド)は、二児の母親で三十歳、夫と別れて、今は独身である。喫茶店での雑談、車座を組んでの講義など型破りの教師ぶりに生徒の人気は集まる一方であった。十七歳の生徒ジェラール(ブルーノ・プラダル)もグループの一人でいつもダニエルと行動をともにしていた。彼の両親は、初め息子と若い女教師との交際を喜んではいたが、やがて母親(モニーク・メリナン)の方が、女の敏感さから、二人の間に危険なものを感じた。初めは好意をもってダニエルを迎えていた父親のルゲン(フランソワ・シモン)も急に彼女に敵意をみせ、二人の交際を禁じた。怒ったジェラールは、家を飛び出し、ダニエルのもとに走り、いまでははっきり師弟の仲を越えた愛を確かめ合った。五月革命のさ中、純粋な愛に生きようとする二人に、頑なな両親の憎悪は、ダニエルに向かいまた生徒の父兄も、醜聞を消せと署名を集めた。ダニエルは聞き入れず、ついに教師の職を追われた。一方生徒たちは、二人の力になろうと、ダニエルの所へ集まってきた。ルゲン夫妻は息子をダニエルから引き離すため、民生委員に訴えて、ルアンから遠い山中の寄宿学校に転校させた。しかし万聖節(十一月一日)に、ダニエルは約束通りジェラールを訪ね、再会の喜びにふるえた。その後、すぐに学校につれ戻されたジェラールは遂に学校を逃げ出し、仲間の手引で、ルアン郊外の採石場の小屋に身を潜め、ダニエルとの逢瀬を重ねた。ここにいたって、ルゲンはダニエルを相手どり、未成年誘拐の訴訟を起こした。彼女は予審判事(クロード・セルヴァル)の取調べを受け、家宅捜索の結果逮捕されて刑務所送りになってしまった。ジェラールは、ダニエルを気づかい、ダニエルの釈放を条件に、非行少年院に入いる決心を固めた。しかし、父親のさしがねで、精神病院に入れられたジェラールは、堪え切れず、遂に病院を抜け出して、ダニエルのアパートへ走った。ジェラールの父親はサン・マロの祖父の許へ息子を預けることを提案し、一度は断ったジェラールもとうとう承知した。祖父の監視の目は厳しく、ここでも苦しい日々を余儀なくされたジェラールを見て、ダニエルは彼の自由と引きかえに、再び刑務所入りを決意した。しかし、今度は、刑務所内の不幸な人たちのために、積極的に動いたことが逆に大きな失意の結果となって、ダニエルは気力を失なっていった。そして一月半後、未青年者誘拐の裁きを受けるため、刑務所を出たダニエルは、次の日法廷に立った。判決は有罪、しかし執行猶予一年、しかも特赦の恩恵に浴することを認められた。喜びに弾んだ教え子たちが集まって、彼女のアパートでジェラールを待っていた時、不幸な知らせが入った。検察側の上告であった。ジェラールは、更に戦う力を養おうと療養所に入ったが、それは逆に、孤独のとの厳しい戦いであった。すでに立ちなおる気力を失なったダニエルは、ジェラールとの再会を願った、が、連絡の行違いでそれも果たされず、失意のうちに一人さびしく死んでいった。



Les parois de ma vie sont lisses
Je m´y accroche mais je glisse
Lentement vers ma destinée
Mourir d´aimer


私の命は滑りやすい内壁
しがみついても滑ってしまう
ゆっくりと私の運命に向かって滑って行く
私の運命、それは、愛のために死ぬこと


Tandis que le monde me juge
Je ne vois pour moi qu´un refuge
Toute issue m´étant condamnée
Mourir d´aimer


世間は私を裁いているが
出口は全て塞がれて
私に見えるのは唯一つの避難所
それは、愛のために死ぬこと


Mourir d´aimer
De plein gré s´enfoncer dans la nuit
Payer l´amour au prix de sa vie
Pécher contre le corps mais non contre l´esprit


愛のために死のう
進んで闇に身を沈め
愛の代償は命で購(あがな)う
肉体への罪であっても精神への罪にはならないから


Laissons le monde à ses problèmes
Les gens haineux face à eux-mêmes
Avec leurs petites idées
Mourir d´aimer


世間は勝手に騒ぐがいい
憎しみに満ちた人々は そのつまらぬ思惑を抱いて
いがみ合うがいい
私は、愛のために死ぬ


Puisque notre amour ne peut vivre
Mieux vaut en refermer le livre
Et plutôt que de le brûler
Mourir d´aimer


私たちの愛は生き延びることができないのだから
その本の扉を閉じてしまおう
焼いて灰にするよりは
愛のために死のう


Partir en redressant la tête
Sortir vainqueur d´une défaite
Renverser toutes les données
Mourir d´aimer


凛として胸を張って出かけよう
勝者として敗北から抜け出よう
あらゆる資料を覆(くつがえ)し
愛のために死のう


Mourir d´aimer
Comme on le peut de n´importe quoi
Abandonner tout derrière soi
Pour n´emporter que ce qui fut nous, qui fut toi


愛のために死のう
どんな理由でも死ねるのだから
全てを背後に捨て去って
あの時の私たちの思い出とあなたの思い出だけを持っていく


Tu es le printemps, moi l´automne
Ton cœur se prend, le mien se donne
Et ma route est déjà tracée
Mourir d´aimer
Mourir d´aimer
Mourir d´aimer


あなたは春、私は秋
あなたは心を囚われ、私は心を捧げる
私の行く道はもう決まっている
愛のために死ぬこと
愛のために死ぬこと
愛のためた死ぬこと


(ミスター・ビーン訳)




ナナ・ムスクーリとのデュエット(2009年)











12.Et Pourtant 想い出の瞳

aznavour

この曲は、1963年、ミシェル・ボワロン監督によるアイドル映画「アイドルを探せ」の中の挿入歌。
出演は、シルヴィ・ヴァルタンミレーヌ・ドモンジョジョニー・アリディそして若き日のシャルル・アズナヴール等、当時のアイドルが続々と登場した映画だった。

この曲、邦題は「想い出の瞳」となっているが、原題は「Et Pourtant」、直訳すれば「でも」とか「それでも」ぐらいの意味。
冷たい恋人とキッパリ別れると言いながらも、「それでも、愛しているのは君だけさ」という曲。



Un beau matin je sais que je m´éveillerai
Différemment de tous les autres jours
Et mon cœur délivré enfin de notre amour
Et pourtant, et pourtant
Sans un remords, sans un regret je partirai
Droit devant moi sans espoir de retour
Loin des yeux loin du cœur j´oublierai pour toujours
Et ton cœur et tes bras
Et ta voix
Mon amour


ある朝、きっと目が覚めるんだ
いつもの朝とは違った目覚めだ
そのとき僕の心は 僕らの愛から自由になるのさ
でもね、でもね
後悔も未練もなく、僕はまっすぐ進むんだ
引き返そうなんて思いもしない
「去る者 日々に疎し」、永遠に忘れてしまうさ
君の心も、君の腕も
君の声も
愛する人


Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant


でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね


J´arracherai sans une larme, sans un cri
Les liens secrets qui déchirent ma peau
Me libérant de toi pour trouver le repos
Et pourtant, et pourtant
Je marcherai vers d´autres cieux, d´autres pays
En oubliant ta cruelle froideur
Les mains pleines d´amour j´offrirai au bonheur
Et les jours et les nuits
Et la vie
De mon cœur


涙も流さず、叫びもせずに むしり取るのさ
僕の皮膚を引き裂く秘密の絆を
君から自由になって安らぎを見つけるんだ
でもね、でもね
別の空、別の国を目指して 歩いていくのさ
むごくて冷たい君を忘れて
両手にたっぷり愛を込めて 「幸福」に向けて差出すのさ
僕の心の
日々と夜を
そして命を


Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant


でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね


Il faudra bien que je retrouve ma raison
Mon insouciance et mes élans de joie
Que je parte à jamais pour échapper à toi
Dans d´autres bras quand j´oublirai jusqu´à ton nom
Quand je pourrai repenser l´avenir
Tu deviendras pour moi qu´un lointain souvenir
Quand mon mal et ma peur
Et mes pleurs
Vont finir


理性とそれに呑気な心
めくるめく喜びを取り戻すことが必要なのさ
君からきっぱり逃れるためには
別の女の腕の中で、君の名前すら忘れ
再び未来を思い描けるようになれば
君は僕には遠い思い出になるんだ
僕の苦しみと恐れ
僕の涙が終わるときに


Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Et pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Pourtant, pourtant, je n´aime que toi
Pourtant, pourtant, je n´aime que toi...


でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ
でもね、でもね、僕が愛しているのは君だけさ


(ミスター・ビーン訳)



1963年 映画「アイドルを探せ」


Sylvain Cossette


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