*ヴェニスの夏の日(Summertime In Venice)* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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道ならぬ中年男女の恋、そして別れを扱ったアメリカ映画「旅情(Summertime)」。

原作は1952年、ブロードウェイで初演されたアーサー・ローレンツの戯曲「カッコウ鳥の頃」。それを1955年にイギリスとアメリカの合作という形で製作・公開した映画。

監督はイギリスの名匠デイヴィッド・リーン、主演はアメリカの名女優キャサリン・ヘップバーン、イタリアの名優ロッサノ・ブラッツィ(ミュージカル映画「南太平洋」でおなじみ)、しかも舞台はヴェネツィアでオール・ロケという豪華版。

summer time in venice

物語は、オハイオ州の都市アクロンで秘書をしているジェーン・ハドソン(キャサリン・ヘップバーン)が長期休暇をとり、長年夢見てきたヨーロッパ旅行を実現、最後の目的地、水の都ヴェネツィアにオリエント急行に乗ってやって来るところから始まる。


ジェーンは未だ独身の38歳になる勝気な女性。いかにもアメリカ女性らしく明るく活発なのだが、さすがに美しいヴェネチアの街に溢れるカップルを見るにつけ深い孤独感を味わう。
そんな寂しい思いを胸に抱きながら、サン・マルコ広場に観光に出かけたときアンティーク・ショップを営む中年のイタリア人男性レナート(ロッサノ・ブラッツィ)と出会う。


二人はたちまち激しい恋に落ちるが、ジェーンはレナートに妻子があることを知り激しく悩みながらもレナートと別れアメリカに帰る決意を固める。
そして、帰国の列車に乗りはしたものの必死にレナートの姿を探すジェーン。列車が動き出し、もう彼は見送りには来ないものと諦めかけたとき、息せき切ってプレゼントを抱えてレナートが駆けつける。あと一歩というところでプレゼントを渡し損ねたレナートは、二人にとって深い思い出のこもる白いくちなしの花を取り出す。
それを見て、ジェーンはレナートの想いが一時のアヴァンチュールではなく深く誠実なものであることを知る。海に架かる鉄橋を渡り遠ざかって行くオリエント急行。さすが名匠デイヴィッド・リーン、見事なラストシーン。






音楽はアレッサンドロ・チコニーニによる

「ヴェニスの夏の日(Summertime In Venice)」

Summertime In Venice

summertime in venice

I dream of the summertime,
Of Venice and the summertime.
I see the cafes, the sunlit days with you, my love


夢に見るのはあの夏の思い出
ヴェニスのあの夏の日々
あのカフェが、太陽の下であなたと過ごしたあの日々が目に浮かぶ


The antique shop where we'd stop for a souvenir
The bridge, the boats below, the blue above.


お土産を買いにあなたと寄ったあのアンティーク・ショップ
運河に架かるあの橋、下を行き交うゴンドラ、見上げれば青い空


I dream all the winter long
Of mandolins that played our song.
The dream is so real I almost feel your lips on mine.
And though I know we have to be an ocean apart,
There's Venice and you, and summertime, deep in my heart.


冬の間ずっと夢に見るのは
私たちの歌を奏でてくれたマンドリンの調べ
夢か現(うつつ)か分からぬままに 二人の唇が重なる想い
海が隔てる二人だけれど
深く心に残るのは、ヴェニスとあなた、そしてあの夏の日々


(ミスター・ビーン訳)


ジェリー・ヴェイル


ロッサノ・ブラッツィ


江利チエミ


涼風真世


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