*魅惑の宵 Some Enchanted Evening* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

【1980年~1990年④】
1983年、シナトラは5人のケネディー・センター・名誉賞(Kennedy Center Honors)受賞者の1人に選ばれます。他の4人は、キャサリン・ダンハム(Katharine Dunham)、ジェームズ・スチュアート(James Stewart)、エリア・カザン(Elia Kazan)、ヴァージル・トムソン(Thomson)でした。
レーガン大統領は、彼の古くからの友人であるシナトラの名誉を称えるべく、ヘンリー・ジェームズ(Henry James)の言葉を引用し、「芸術は人間性が投影された影であり、シナトラはその生涯をかけて偉大な、そして強力な影を投げかけた」と述べています。

1984年、シナトラは20年ぶりにクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)と組み、アルバム「エル・エイ・イズ・マイ・レィディ(L.A. Is My Lady)」をリリースし、批評家の好評を得ます。このアルバムは、ジョーンズが企画していたシナトラとレナ・ホーン(Lena Horne)とのデュエット・アルバムの代わりになるものでした。
デュエット・アルバムの方は、レナ・ホーンの声の障害が悪化し、シナトラは他の契約も抱えていたので、レナの復帰を待つことは出来ず結局企画倒れに終わってしまったのです。


south pacific

さて、曲の方ですが、ここ2回ほど、ミュージカル「南太平洋(South Pacific)」の曲を取り上げているので、今日はいわばこのミュージカルの代名詞と言ってもいい曲

「魅惑の宵(Some Enchanted Evening)」

です。

このミュージカルの舞台は、太平洋戦争の真最中、南太平洋のある島。ネットに簡潔にあらすじを紹介している記事があったのでまず、それをお読みください。

〔あらすじ〕
南太平洋に浮かぶ美しい小島。ここにも戦争の影はしのびよっていた。ある日、特別任務を帯びて、ケーブル中尉がやってきた。彼は戦前から島に住むフランス人の農場主エミールに、日本艦隊を監視するための案内役を頼もうというのだった。だがエミールは、美しい従軍看護婦ネリーを愛しており、彼女も彼に好意を寄せている。危険な任務を承知するはずもなかった。
 しかたなくケーブルは休暇をとり、島で兵隊相手の土産売りをしているブラディ・メリーの案内で、魅惑の島バリ・ハイの見物に出かける。ここで彼はメリーの娘レイアットに紹介され、ひと眼で彼女を好きになった。けれども、彼は結婚ということになると、人種的な問題が頭をかすめ、決心がしきれない。メリーはレイアットに、彼と会うことを禁じた。
 一方、エミールの農場では、ネリーが幸せな恋に酔いしれていたが、いつもここにいるふたりの混血児が、原住民の妻とエミールの間にできた子供であることを知り、深く心を傷つけられ、去ってしまう。ネリーを失ったエミールは偵察行を承知した。彼とケーブルは、日本軍の背後に回ることに成功したが、ケーブルは戦死。更に、ネリーのもとへは、エミールの行方不明の報も届けられた。この知らせによって、ネリーは自分のエミールへの愛がいかに深いものであったかを知り、ふたりの子供の面倒を見ながら、ひたすら彼の帰りを待つことを決意する。
 ある日の夕方、ネリーと子供たちの前に軍用車が止まった。エミールが戻ってきたのだ。南の空に明るい笑い声がこだました。


このミュージカルには珠玉のような曲が山ほどありますが、「魅惑の宵」は、フランス人の農場主エミールが、年の差を超えて愛するネリーに自分の思いを伝える歌です。






Some Enchanted Evening 魅惑の宵
Some enchanted evening
You may see a stranger,
you may see a stranger
Across a crowded room
And somehow you know,
You know even then
That somewhere you'll see her
Again and again.


ある魅せられた夜のこと
多分、初めてその人の姿を見る
客で溢れた部屋の向こうに
多分、初めてその人の姿を見る
そしてなぜだかもう分かるのだ
そのときにはもう分かってしまう
きっとどこかで
何度も彼女に会うことを



Some enchanted evening
Someone may be laughin',
You may hear her laughin'
Across a crowded room
And night after night,
As strange as it seems
The sound of her laughter
Will sing in your dreams.


ある魅せられた夜のこと
多分、その人は笑っている
客で溢れた部屋の向こうから
その笑い声が耳に届く
すると毎晩
思えば不思議な話だが
彼女の笑い声が夢の中で
歌うように響くのだ


Who can explain it?
Who can tell you why?
Fools give you reasons,
Wise men never try.


誰にも説明など出来はしない
誰にも理由など分かりはしない
詮索するのは愚か者
賢い人は微笑むだけ


Some enchanted evening
When you find your true love,
When you feel her call you
Across a crowded room,
Then fly to her side,
And make her your own
Or all through your life you
May dream all alone.


ある魅せられた夜のこと
愛する人を見つけたら
客で溢れた部屋の向こうから
愛する人の声が聞こえたら
すぐにも飛んでいくがよい
しっかり捕まえてしまうがよい
でなければ死ぬまでずっと
孤独な夢に耽るだけ


Once you have found her,
Never let her go.
Once you have found her,
Never let her go!


一度(ひとたび)愛する人を見つけたら
決して彼女を放してはいけない
一度(ひとたび)愛する人を見つけたら
決して彼女を放してはいけない


(ミスター・ビーン訳)

シナトラとクルーニー


ペリー・コモ


サウンド・トラック


チェザーレ・シエピ


ペタしてね