*「星の王子さま第25章」+ アンドレ・リュウ ・アラカルト「アヴェ・マリア 」* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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宝石ブルーサン=テグジュペリの言葉
今日の「星の王子さま」は、第25章を全文掲載します。王子と飛行士は砂漠の中の不思議な井戸にたどり着きました。周りには人家ひとつないのに、井戸にはバケツも滑車も綱もそろっています。
飛行士は、王子が望んでいた水は喉の渇きではなく、心を癒す水であることを知ります。また明日は王子が地球にやって来た記念日であり、井戸のある場所が着陸地点の間近であると知り、王子との別れが迫っていることを予感します。


CHAPITRE XXV
– Les hommes, dit le petit prince, ils s’enfournent dans les rapides, mais ils ne savent plus ce qu’ils cherchent. Alors ils s’agitent et tournent en rond…

Et il ajouta :

– Ce n’est pas la peine…

Le puits que nous avions atteint ne ressemblait pas aux puits sahariens. Les puits sahariens sont de simples trous creusés dans le sable. Celui-là ressemblait à un puits de village. Mais il n’y avait là aucun village, et je croyais rêver.

– C’est étrange, dis-je au petit prince, tout est prêt : la poulie, le seau et la corde…

Il rit, toucha la corde, fit jouer la poulie. Et la poulie gémit comme gémit une vieille girouette quand le vent a longtemps dormi.

– Tu entends, dit le petit prince, nous réveillons ce puits et il chante…

Je ne voulais pas qu’il fît un effort :

– Laisse-moi faire, lui dis-je, c’est trop lourd pour toi.

Lentement je hissai le seau jusqu’à la margelle. Je l’y installai bien d’aplomb. Dans mes oreilles durait le chant de la poulie et, dans l’eau qui tremblait encore, je voyais trembler le soleil.

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– J’ai soif de cette eau-là, dit le petit prince, donne-moi à boire…

Et je compris ce qu’il avait cherché !

Je soulevai le seau jusqu’à ses lèvres. Il but, les yeux fermés. C’était doux comme une fête. Cette eau était bien autre chose qu’un aliment. Elle était née de la marche sous les étoiles, du chant de la poulie, de l’effort de mes bras. Elle était bonne pour le cœur, comme un cadeau. Lorsque j’étais petit garçon, la lumière de l’arbre de Noël, la musique de la messe de minuit, la douceur des sourires faisaient ainsi tout le rayonnement du cadeau de Noël que je recevais.

– Les hommes de chez toi, dit le petit prince, cultivent cinq mille roses dans un même jardin… et ils n’y trouvent pas ce qu’ils cherchent…

– Ils ne le trouvent pas, répondis-je…

– Et cependant ce qu’ils cherchent pourrait être trouvé dans une seule rose ou un peu d’eau…

– Bien sûr, répondis-je.

Et le petit prince ajouta :

– Mais les yeux sont aveugles. Il faut chercher avec le cœur.

J’avais bu. Je respirais bien. Le sable, au lever du jour, est couleur de miel. J’étais heureux aussi de cette couleur de miel. Pourquoi fallait-il que j’eusse de la peine…

– Il faut que tu tiennes ta promesse, me dit doucement le petit prince, qui, de nouveau, s’était assis auprès de moi.

– Quelle promesse ?

– Tu sais… une muselière pour mon mouton… je suis responsable de cette fleur !

Je sortis de ma poche mes ébauches de dessin. Le petit prince les aperçut et dit en riant :

– Tes baobabs, ils ressemblent un peu à des choux…

– Oh !

Moi qui étais si fier des baobabs !

– Ton renard… ses oreilles… elles ressemblent un peu à des cornes… et elles sont trop longues !

Et il rit encore.

– Tu es injuste, petit bonhomme, je ne savais rien dessiner que les boas fermés et les boas ouverts.

– Oh ! ça ira, dit-il, les enfants savent.

Je crayonnai donc une muselière. Et j’eus le cœur serré en la lui donnant :

– Tu as des projets que j’ignore…

Mais il ne me répondit pas. Il me dit :

– Tu sais, ma chute sur la Terre… c’en sera demain l’anniversaire…

Puis, après un silence il dit encore :

– J’étais tombé tout près d’ici…

Et il rougit.

Et de nouveau, sans comprendre pourquoi, j’éprouvai un chagrin bizarre. Cependant une question me vint :

– Alors ce n’est pas par hasard que, le matin où je t’ai connu, il y a huit jours, tu te promenais comme ça, tout seul, à mille milles de toutes les régions habitées ! Tu retournais vers le point de ta chute ?

Le petit prince rougit encore.

Et j’ajoutai, en hésitant :

– À cause, peut-être, de l’anniversaire ?…

Le petit prince rougit de nouveau. Il ne répondait jamais aux questions, mais, quand on rougit, ça signifie « oui », n’est-ce pas ?

– Ah ! lui dis-je, j’ai peur…

Mais il me répondit :

– Tu dois maintenant travailler. Tu dois repartir vers ta machine. Je t’attends ici. Reviens demain soir…

Mais je n’étais pas rassuré. Je me souvenais du renard. On risque de pleurer un peu si l’on s’est laissé apprivoiser…



1時間26分37秒から1時間31分52秒まで





星の王子さま 第25章
「人間は」と、王子は言いました。「特急列車に我先にと乗り込むけれど、もう自分が何を探しているのか分からないんだ。だから、やたら騒いで堂々巡りをしている...」

王子はさらに付け加えました。

「そんな必要はないのに...」

僕たちがたどり着いた井戸は、サハラ砂漠にある普通の井戸とは違っていました。サハラの井戸は砂の中に掘られたただの穴なのです。ところがこの井戸は、村にある井戸に似ていました。でも、この辺には村一つありません。僕は夢でも見ているような気分でした。

「変だね」と、僕は王子に言いました。「何もかもそろってる。滑車に、バケツに、綱に...」

王子は笑って、綱に触り、滑車を動かしました。ところで、滑車は長い間風に吹かれていなかった風見のような軋(きし)んだ音をたてるのです。

「聞こえるでしょう」と、王子が言いました。「僕たちはこの井戸を目覚めさせたんだよ、井戸が歌っている...」

僕は王子に力仕事をさせたくありませんでした。

「僕にやらせてくれ」と、僕は王子に言いました。「君には重すぎる。」

僕はゆっくりとバケツを井戸の縁(ふち)まで引き上げ、縁石の上に垂直に置きます。耳の中では滑車の歌が鳴りやまず、まだ揺れている水の中で、太陽がゆらゆらしているのが見えました。

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「この水を飲みたくてたまらないんだ」と、王子は言いました。「僕に飲ませておくれよ...」

そして、僕は王子が何を探していたのかが分かったのです!

僕は王子の唇の所までバケツを持ち上げると、王子は目を閉じたまま水を飲みました。それはわくわくするほど心地好いことでした。この水はただの飲み物ではなかったのです。それは、僕たちが星空の下を歩き、井戸の滑車が歌い、僕が両腕を使って苦労して汲み上げたことから生まれた水だったのです。それは、ちょうど贈り物のように心を癒す水でした。幼い頃、クリスマスツリーの光や、真夜中のミサの音楽や、人々の優しい微笑みは、僕が受け取るプレゼントをこんな風に輝かせていたのです。

「おじさんの惑星の人たちは」と、王子は言いました。「たった一つの庭で5千本の薔薇を育てている...でも、彼らが探している物はそこには見つからないんだ...」

「見つからないね。」と、僕は答えました。

「でも、それはたった一本の薔薇や少しの水の中に見つかるかもしれないんだよ...」

「勿論さ。」と、僕は答えました。

王子は更にこう言いました。

「でも、目には見えないんだよ。心で探さなくちゃいけないんだ。」

水を飲むと、僕は息が楽になっていました。夜が明けると、砂漠の砂は蜜色になります。その色も僕を幸せな気持ちにしてくれたのです。なぜわざわざ苦労して...

「おじさんは約束を守ってくれなきゃ。」と、静かに王子は言いました。彼は再び僕の傍に座っていたのです。

「何の約束?」

「ほら...僕の羊にはめる口輪だよ...僕はあの花に責任があるんだ!」

僕はポケットからデッサンの下書きを取り出します。王子はそれらをちらっと見て、笑いながら言いました。

「おじさんの描いたバオバブはちょっとキャベツに似てるね...」

「おいおい!」

僕はバオバブにはとても自信があったのです。

「おじさんの狐は...耳が...耳がちょっと角に似ている...それに、長すぎるよ!」

そう言って、王子はまた笑いました。

「ひどいな、坊やは、僕はボアの外側と内側以外のデッサンは描けなかったんだ。」

「ああ!だいじょうぶだよ」と、王子は言いました。「子どもには分かるから。」

そこで僕は、鉛筆で口輪を一つ描きました。そして、それを王子に手渡すとき、胸が締め付けられるような感じがしたのです。

「君は僕が知らないことを考えているね...」

しかし、王子はそれには答えず、こう言いました。

「ねえ、僕が地球に降りた日...明日がその記念日なんだ...」

それから、しばらく黙った後、王子はさらにこう言いました。

「僕はこのすぐ近くに降りたんだ...」

そして王子は顔を赤らめたのです。

すると再び、なぜか分からぬまま、僕は不吉な悲しみを感じたのです。それでも、ぼくにはある疑問が浮かびました。

「じゃ、8日前に僕が君と知り合った朝、君がこんな風にたった一人で人里から千マイルも離れたところを歩いていたのは偶然じゃなかったんだ!君は着陸地点に戻る途中だったのかい?」

王子は再び顔を赤らめました。

そこで、僕はためらいながらも重ねて質問したのです。

「それは多分、記念日のためなんだね?...」

王子の顔がまた赤くなります。彼は決して質問には答えなかったのですが、人が顔を赤らめるとき、それは「イエス」の意味ではないでしょうか?

「ああ!」と、僕は王子に言いました。「ひょっとして君は...」

かわりに王子はこう答えたのです。

「おじさんはもう働かなくちゃいけないよ。飛行機のあるところに戻らなきゃ。僕はここでおじさんを待っている。明日の晩またおいでよ...」

でも、僕はまだ不安でした。狐のことを思い出していたのです。人は飼い馴らされてしまうと少々涙もろくなるのです。


(私訳)


宝石紫今日の1曲

今日のアンドレ・リュウは、これもあまりにも有名な曲。フランツ・シューベルトの

「アベ・マリア」

オーストラリアのソプラノ、ミルシア・ロウェルズと、アンドレのヴァイオリンでお届けします。

ところで、この歌の本来の題名は「エレンの歌Ⅲ D839(Ellens GesangⅢ)」です。
乙女エレンが湖畔の岩の上で、父の罪の許しを請う為に聖母像の前にぬかずいて歌う祈りの歌。

竪琴を模したピアノの伴奏に乗ってゆっくりと静かに歌われるこの曲は、発表当時から多くの人々に感銘を与えたようで、シューベルト自身もなにかというとよく好んで歌って聴かせたという話です。
ミルシアはラテン語で歌っていますが、もともとの歌詞はドイツ語です。ご参考までにご覧ください。


Ellens GesangⅢ
Ave Maria! Jungfrau mild,
Erhöre einer Jungfrau Flehen,
Aus diesem Felsen starr und wild
Soll mein Gebet zu dir hin wehen.
Wir schlafen sicher bis zum Morgen,
Ob Menschen noch so grausam sind.
O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen,
O Mutter, hör ein bittend Kind!
Ave Maria!


アヴェ・マリア!優しき乙女よ、
一人の娘の願いを聞いてください、
この堅く険しい巌からも
きっとわたしの祈りはあなたへと届くでしょう。
それでわたしたちは安心して朝まで眠っていられるのです
世の人々がどんなに冷たくても。
おお 乙女よ、この娘の不安を見て、
おお 母よ、願う子の声を聞いてください!
アヴェ・マリア!


Ave Maria! Unbefleckt!
Wenn wir auf diesen Fels hinsinken
Zum Schlaf, und uns dein Schutz bedeckt
Wird weich der harte Fels uns dünken.
Du lächelst, Rosendufte wehen
In dieser dumpfen Felsenkluft,
O Mutter, höre Kindes Flehen,
O Jungfrau, eine Jungfrau ruft!
Ave Maria!


アヴェ・マリア!汚れ無き方よ!
わたしたちがこの巌で眠る時、
あなたの護りがわたしたちを包んでくれ
硬い巌も柔らかく感じられるのです。
あなたが微笑めば、バラの香りが匂い立ちます
この湿った岩間にも。
おお 母よ、子の願いを聞いてください、
おお 乙女よ、一人の娘が呼びかけています!
アヴェ・マリア!





マリア・カラス


Boy Choir