*フランク・シナトラ(11)ー僕は君に首ったけー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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【1950~1960年③】
1953年、シナトラはキャピトル・レコードと契約し、ネルソン・リドル(Nelson Riddle)、ゴードン・ジェンキンス(Gordon Jenkins)、ビリー・メイ(Billy May)など当時の最も優れた編曲者たちと組んで活動することになります。

人間の暗い情念を表現する一連のアルバムを出すことで、シナトラはこれまでとは違う新しいスタイルを生み出します。その中には、シナトラの最初のLPで、ネルソン・リドルとの2回目のコラボである「イン・ザ・ウィー・スモール・アウアーズ(In the Wee Small Hours)」(1955)、最初のステレオ・アルバムでゴードン・ジェンキンスとのコラボ「ホエア・アー・ユー?(Where Are You?)」(1957)、そして「オンリー・ザ・ロンリー(Frank Sinatra Sings For Only The Lonely)」(1958)などがあります。
また、「スウィング・イージー!(Swing Easy!)」(1954)、「ソングズ・フォー・スウィンギング・ラヴァーズ!(Songs For Swingin' Lovers!)」(1956)、「カム・フライ・ウィズ・ミー(Come Fly With Me)」などに見られるように、より新しいスウィンギング・スタイルを取り入れたのでした。

53年末には、ビルボード誌は「ヤング・アット・ハート(Young at Heart)」をソング・オヴ・ザ・イヤーに選び、ネルソン・リドルが編纂した「スウィング・イージー!」(キャピトルでのシナトラの2番目のアルバム)はアルバム・オヴ・ザ・イヤーに選ばれました。そして、シナトラはビルボード、ダウン・ビート、メトロノームの3誌から「男性トップ・ヴォーカル」に選ばれます。

ネルソン・リドルとの3回目のコラボ、「ソングズ・フォー・スウィンギング・ラヴァーズ!」は決定的な成功を収め、売り上げの面でも大きな利益をもたらします。




さて、この大成功を収めたアルバムの中で録音されたのが

「僕は君に首ったけ(I've Got You Under My Skin)」

1936年、コール・ポーターの作詞・作曲でミュージカル映画『Born to dance』で使われ、
さらに10年後の1946年のコール・ポーターの自伝映画『Night and day』でも使われましたが、この曲をスタンダード中のスタンダードとしたのはやはりネルソン・リドルとシナトラのコラボによるこのレコードでしょう。

今日は、シナトラのヴァージョンとダイアナ・クラールのヴァージョンでこの名曲を聴いてみましょう♪



I've Got You Under My Skin
I've got you under my skin.
I've got you deep in the heart of me.
So deep in my heart that you're really a part of me.
I've got you under my skin.
I'd tried so not to give in.
I said to myself: this affair never will go so well.
But why should I try to resist when, baby, I know so well
I've got you under my skin?


すっかり君の虜になっちまった
僕の心の奥深く、君は入り込んでしまったのさ
あんまり深いものだから、僕の一部になっている
僕は君にすっかり夢中さ
負けるものかと頑張ってもみたさ
こんな恋は上手くはいかないと思ってもみたさ
でも、逆らったとて何になろう?
僕は君に夢中なんだから


I'd sacrifice anything come what might
For the sake of havin' you near
In spite of a warnin' voice that comes in the night
And repeats, repeats in my ear:
Don't you know, little fool, you never can win?
Use your mentality, wake up to reality.
But each time that I do just the thought of you
Makes me stop before I begin
'Cause I've got you under my skin.


例え何があっても、僕は全てを犠牲にするさ
君の側にいるためならば
夜になると警告の声が聞こえてきて
僕の耳元で何度も繰り返すのさ
「分からないのかい? お馬鹿さん、勝ち目がないってことが
頭を使って、現実に目覚めるんだ」
でも、そうする度に、君の姿が頭に浮かび
始める前にやめてしまう
何故って、君に僕は首ったけだから


I would sacrifice anything come what might
For the sake of havin' you near
In spite of the warning voice that comes in the night
And repeats - how it yells in my ear:
Don't you know, little fool, you never can win?
Why not use your mentality - step up, wake up to reality?
But each time I do just the thought of you
Makes me stop just before I begin
'Cause I've got you under my skin.
Yes, I've got you under my skin.


例え何があっても、僕は全てを犠牲にするさ
君の側にいるためならば
夜になると警告の声が聞こえてきて
僕の耳元で、金切り声で繰り返すのさ
「分からないのかい? お馬鹿さん、勝ち目がないってことが
頭を使って、しっかり現実に目覚めたらどうなんだ?」
でも、そうする度に、君の姿が頭に浮かび
始める前にやめてしまう
何故って、君に僕は首ったけだから
そうとも、僕は君に首ったけなのさ


(私訳)


シナトラ


ダイアナ・クラール