*フランク・シナトラ(8)ー私を野球につれてってー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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【1940~1950年⑤】
1945年、シナトラは映画「錨を上げて(Anchors Aweigh)」ジーン・ケリー(Gene Kelly )と共演します。同年、シナトラはRKO(Radio-Keith-Orpheum)に出向し、短編映画「私が住む家(The House I Live In)」で主役を演じます。
マーヴィン・ルロイ監督(「哀愁」「心の旅路」「若草物語」等の監督)によるこの10分足らずの短編映画は、寛容と人種的平等をテーマとした映画でアカデミー名誉賞、ゴールデン・グローヴ特別賞を受賞しました。

1946年、シナトラは初のアルバム「ザ・ヴォイス・オブ・フランク・シナトラ(The Voice of Frank Sinatra)」をリリース。彼自身の週刊ラジオ・ショウも始まります。

ところが、1948年末には人気が停滞し、ダウン・ビート年間ランキングではビリー・エクスタイン、フランキー・レーン、ビング・クロスビーの後塵を拝し、第4位に甘んじます。

しかし、1949年には再び人気を盛り返し、ジーン・ケリーと映画「私を野球につれてって(Take Me Out to the Ball Game)」に共演します。この映画は大好評で、興行的にも大成功を収めました。
同年、シナトラはジーン・ケリーと三度目の共演を果たし、映画「踊る大紐育(On the Town)」に出演。これも大成功を収めます。




では、先ず最初に1949年のMGM映画「私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ball Game)」の冒頭部分をご覧下さい。
シナトラはこの場面で、タップの名手、ジーン・ケリーの向こうをはって見事なタップを披露しています♪




この曲の成立と由来については、ウィキペディアに解説がありましたので引用しておきます。

MLBの試合においては、この歌を7回表終了時に歌う習わしがある。この時にはスタンドの観客は立ち上がって歌を歌い、同時にちょっとした背伸びや運動をして観戦でこわばった身体をほぐす。これを「セブンス・イニング・ストレッチ」(seventh inning stretch、7回での伸び)と呼ぶ。また、延長14回まで試合が長引いた場合は14回表終了時にも歌われる。

「セブンス・イニング・ストレッチ」などとも言われるのは、1910年にワシントンで行われた公式戦開幕試合でウィリアム・ハワード・タフト大統領が7回の攻撃時に背伸びをして立ち上がったのを見て、ファンがそれをまねしてこの楽曲を歌ったことからとされる。

歌の内容はケイティ・ケイシー(Katie Casey)という野球狂の女性が、彼氏のショー観劇の誘いも断って「野球に連れてって」と頼むというもの。歌詞は1908年に作られたものと1927年に作られたものとで2つ存在しており、1927年に作られたものでは、歌詞に登場する女性がケイティ・ケイシーからネリー・ケリー(Nelly Kelly)という名前に変わっているが、実際の球場でよく歌われるコーラス部分には歌詞の変更はない。

1949年にはこの歌を元にした同名の野球ミュージカル・コメディ映画(日本未公開。『私を野球につれてって』のタイトルでDVDが発売されている)がMGMで製作されている(バスビー・バークレイ監督、主演ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、エスター・ウィリアムズ)。映画の中でケリーとシナトラが、この曲を歌い、また、曲に合わせてタップダンスを披露している。

日本でも東京ドーム、千葉マリンスタジアム、スカイマークスタジアムでのプロ野球試合で演奏されているほか、かつて東京ドームや阪神甲子園球場では日本語歌詞の付いた楽曲が流されていた。その他の球場でも、試合の合間などにオルガンなどでよく演奏されている。

作詞者ジャック・ノーワース(Jack Norworth)、作曲者アルバート・フォン・ティルザー(Albert Von Tilzer)は、20世紀初頭のヴォードヴィル業界で活動していた音楽家コンビである。この歌はノーワースの妻ノーラ・ベイズが歌い、ヴォードヴィル・ショーとレコードからヒット、楽譜は当時のベストセラーになった。


ところがここに信じがたい逸話がある。作詞者のノーワース、作曲者のティルザーは、実は共にプロ野球の試合を見たこともなく、ティルザーに至っては野球のルールもろくろく知らなかった。ノーワースが野球試合開催の広告をニューヨークの地下鉄車内で見かけ、野球場の最寄り駅に到着するまでの間にその場の思いつきで作詞した代物だったのである。ティルザーが初めて野球観戦に出かけたのは、作曲の実に20年後だった。

Take me out to the ball game
Take me out to the ball game,
Take me out with the crowd
Buy me some peanuts and Cracker Jack,
I don't care if I never get back.
Let me root, root, root for the home team,
If they don't win, it's a shame.
For it's one, two, three strikes, you're out,
At the old ball game.


私を野球の試合につれてって
私を観衆の中につれてって
ピーナッツとクラッカー・ジャックも買ってね
帰れなくたってかまやしない
地元のチームを応援させてよ
もし負けたりしたら悔しいから
ワン、ツー、スリー・ストライクでバッター・アウト
いつも通りの試合運びよ


(私訳)

では、最後に可愛らしいアニメ版をどうぞ♪